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空族祭SS ペケ


No.9

■捏造祭り:キャラ紹介+α 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/06(火) 01:57
短編集 

その1「美しさ求める最速王」

「おいお前、お前も機体の華麗さと速さを求めているらしいな」
ある日、バーニングブレイド軍曹がいきなりメダチに声を掛けた
「ああそうさ、機体なんてどれだけ美しく飛べるかが重要だろう? 空戦?空賊が何だ 俺は俺の飛び方を極めるさ」
「ほう・・・気に入った なら俺と勝負しろ どっちが早く美しく飛べるか勝負しろ!!」
「ふむ・・・面白い」

そして場所は変わり
「はい、どうも いきなり二人に連れてこられて分け分からないクロエ・ユウです、こんにちは」
「解説役のアケチです、こんにちは 今回はバーニングブレイド軍曹とメダチ君が空中での早さや美しさを競うと聞いてやってきました」
「アケチは自分から来たの? 俺無理やり連れてこられたんだけど・・・」
「いえ、私も連れてこられました あの2人は目が怖いです」
もう2人はスタートラインに着いていた
「もう準備はいいぜバァァァニーングッ!」 
「今に俺の方が美しいってことを教えてやる」
スタートの合図と同時に二人の機体は勢い良く空に飛んで行った」
「ところで・・・勝敗はどう決めるんでしょう・・・」
「アケチ・・・俺に聞かないでくれ」

「ふふふ、俺のブレードファルコンは並大抵の機体じゃ追いつけな・・・ってなにぃぃぃ!!」
メダチが操縦する機体はブレードファルコンと同じくらいのスピードで併走している
「俺の機体だって最高のパフォーマンスをするために最高の調整をしてあるさ!見くびったな」
そして二人の機体は空中をグルグル旋回しながらずっと競い合っていた
「ア、アケチさん・・・これはどうやったら終わるんでしょう・・・」
「分からないです、けどとっても綺麗な操縦術だと思いますよ」
その時彼らの後方から一機、空賊の機体が彼らの機体に攻撃を仕掛けていた
「な・・・! あの機体・・・ 助けないと二人が危ない!」
だがアケチは平然としたまま
「ほら・・・見てくださいよ、慌てることも無い、二人は・・・弾を避けながらもずっと飛び続けてるじゃないですか・・・」
「あれ・・・敵の襲撃に気がついてないわけじゃないよなぁ・・・」
そして2人はその空族の弾が切れるまで優雅に飛び続けた。



その2「オタク談義」

ある日、アケチ、ソネ、タチバナ、ユイ、ブレイドの4人が、パラダイスカフェでヒカリの居る席を囲んで話合っていた

「ホントにタチバナさんはそのベルトはどこで・・・・」
「ほんとに、ホントにアケチさんは怖いでバッタ! 迫らないで!迫らないでバッタァー」
「造詣、フォルム!、性能共にバァァァニングな心の雄たけびが聞こえるこのフォルム・・・すばらしい・・・・ぜひとも俺に触らせてくれ・・・!!」
「もう触ってるでバッタ・・・」
「わ、私はこういう最近の若者の通?というものは知らないのですが・・・最近はこういうものが流行っているんですか・・・?」
「いえソネさん・・・女の私に聞かれても・・・男の子の趣味は機械弄りが好きな私にも分かりませんよ・・・」
「ていうか何で僕の席で話し込んでるんですか・・・僕にも仕事がですねぇ・・・」
鬱々しく呟くヒカリを余所に他の人達は話を進めていく
「ほらタチバナさん!変身です! せっかくのベルトなんですからこう、シャキーンって!ほら!」
「そうだぞ、そんな熱い機能を出し惜しみするなんて! 見るまで離れないからな!!」
「な、何をするでバッタ! 勝手にタコ! 変えるなゾウ! あれ、声が、送れて、聞こえるザウルス?」
「で、ソネさん、この機体なんですけどね? このエンジン部分を変えるとですね・・?って?ソネさん?聞いてます?」
「すごいですね・・・最近の工学だと人が変身できるのですか・・・」
「あれ?ソネさんもそっち行っちゃうんですか? 私は? ってうわぁ タチバナさんの姿が次々と変わってる・・?! すごーい」
ついに皆がタチバナを囲み騒ぐ中椅子に座りたたずむヒカリ君が
「もうなんで皆こんなに騒ぐことができるんですかーー!!!」

昼下がりのこの日パラダイスカフェでは機械好き+巻き込まれた一名の騒ぐ声がいつまでも聞こえていた

※この後みんなで仲良く怒られました


その3「ハードボイルドなおじさん談義」

夜、すっかりと静かになったパラダイスカフェで、レッドとツチとウーズクがカウンターで話をしていた

「いやしかし・・・こうも長年生きてるとああいう、夢を持ってる子供達が輝いて見えるね・・・」
ツチがグラスを傾けながらレッドに声を掛ける
「ああ・・・600年も生きてると・・・たまにそう思う あの子の周りを見てると・・・ホントにな」
「(600年? ギャグか? 60年の間違えか?けど本人いたって真面目そうだし・・・?)あ、ああ・・・俺達の役目は・・・少しでもあの子達の道しるべになってやることかもな・・・」
「恥ずかしいことにね・・・まだあの子が他の誰かと居ると頭がカーッってなっちゃうんですよ・・・これは人間だと子離れできてないっていうんですか、あの子はしっかり回りで友人が居るというのに」
「私もそんなものですよ、結局は妻が居ても、忙しくて会えたりしない、けどこんな世の中です、ずっと見て守ってあげたいものですが・・・」
「俺なんてずっと軍に居たから守るものなんて自分の命ぐらいでしたよ・・・俺には細かい作業をする技術も無い・・・だけどこれでもがんばって生きてるんだよ」
「それもいいとは思いますけどね・・・自分だけを徹底して守れる・・・それも素敵だと私は思いますよ」
「そうだな・・・俺はこれからも生きて世界を見続ける、お前達の行き方が正しいかはそのうち分かるさ・・・」
そう言ってレッドは席を立つ
「また・・・会えるよな」
そう背中にツチが語りかける、それにレッドは
「生きてる限り、次はきっと戦場が俺達の再会場所だ」
と答える
「期待してます」と静かにウーズクが呟き、その日の談義は幕を下ろした。






No.11

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/07(水) 18:52
鮮血の盗賊団遭遇イベント02「再び、そして」

飛行船「ファランクス」その機体を見た者は逃げ出すと言われている機体の中にフェイとカズ、彼女達は居た

「しっかしこの前の機体失敗してから調子悪いわねぇ・・・なかなか良い機体が見つからないわ・・・」
「この前のはあんたが遊び半分で戦うからやろ・・・」
「うるさいわねぇ・・・それで、あんたが前に笑ってた理由は教えてくれないの?」
「それは別にいいやろ、こっちの事情や」
「全く冷たいねぇ、いつからそんなに表情を崩さなくなったのか、幼馴染として悲しいのです」
「黙れ」
「はいはい、いっつもカズは自分のことになるとそうね 私に合わせて、自分のことは話さなくなった」
その言葉をカズはさえぎるようにレーダーを指差した
「フェイ・・・これ」
それにはあの日敗れた機体、ファッティホエール号の姿があった


「ユウ! 機体後方、黒い機体・・・おそらく鮮血の盗賊団です・・・」
アケチが叫ぶと同時にユウが確認を取る
「位置は? この前みたいに乗り込まれるわけにはいかない」
「この距離差ならフィデール号を出せば空中戦に持ち込めますが、それだと 彼女達の機体の情報が何も無いまま戦うことに・・・」
「構わない、それしか無いんだ・・・準備してくる」
「ユウ君、がんばってね・・・空中に出たら私は何も出来ないから」
「ユイさん・・・大丈夫です、がんばります」
そういってユウはフィデール号と共に空中に出て行った

「お?あの母艦から一機出てきたよ、私達と空中でやりあうつもりかな?」
「まあこの前の戦闘を経験したらうちらを機体内に入れたくないってところやろうな」
「そっか・・・けどまあ、私達が陸戦しか出来ないって思われてるなら心外だねぇ、相手の機体から強奪するにはまずその機体の動きを奪わなければいけない、そのための機能なら十分だからね」
「じゃ、これもいつも通りやればいいんやな」
「そ、カズが操縦 私が攻撃 いつも通りやっちゃいますか」
そういって空に居た二機は戦闘に入っていった

「こちらユウ、前方に彼女達の機体を補足、射程圏内まであと少し」
「了解しました、御武運を」
ユウの機体はスピードを上げフェイたちの機体に近づいていく
近づくほど、彼女達の機体から発射される砲撃を浴びやすくなるのだが、それを物ともしない操縦で自分の射程圏内に入る。
しかしそれに伴いフィデール号は彼女達の機体の側面に配置されてる砲台の射程圏内に入ることも意味する、彼と彼女達の撃ち合いはしばらく続いた。

しかしその均衡はすぐに崩れ去った、ユウの砲撃がフェイたちの機体にヒットしたのである。
「あの機体・・・攻撃性能は高いが回避性能は少し劣るらしい、それだったら一気に攻めるだけだ!」
相手の多数の砲台やバルカン砲から発せられる弾幕を回避しながらも、ユウの機体は少しずつ彼女達を追い詰めていった。

「なかなかやるねぇ・・・どうする?」
「どうするもこうするも、攻撃するしかないやろ」
「あれさぁ、意外と小型ですばしっこいからさ、もうあれ使っちゃいましょうよ、大型用だけど、範囲で押し切れるんじゃない?」
「乗り気はせんけどなぁ・・・いいんか、あの威力だとあの機体粉々にしてしまうかもしれないんやで」
「これで死ぬくらいだったらそれでいいって、というわけで、準備するよー」


「・・・?!」
ユウは謎の違和感に包まれた、彼女達の機体からの砲撃が止んだのだ。
しかし機体は謎の呻りを上げている、後方に位置していた砲台から異音と言っていいほど大きな音がするのである。
「アケチ、この音の原因は分かるか?」
「今調べてるんですが、戦闘中あの砲台から一度も砲撃はされてません・・・特殊な条件で使用できる巨大兵器か何かかと・・・」
アケチの言葉を聞き終える前にその原因が分かった、その砲台から多数の槍が発射されたのだ、その槍は空中でさらに分散し、一直線にユウの機体を狙って落ちてきた
「な、何だあの量の槍は・・・! うわああああああああああ!」
「ユ、ユウ!! あれはおそらく前回ホエール号の動きを止めるために使われた兵器です・・・おそらく大型用の武器のはずですが・・・小型に撃つとはめちゃくちゃな・・・・」
連絡が途切れた通信機に向かってアケチが叫び続ける、しかしそのモニターには何も移ってなくむなしく音が響くだけだった。


【機体性能によって戦闘中イベント分岐】
【回避失敗】
「ユウ君! ユウ君!」
静かになった通信機ににアケチが叫び続ける
しかしユウとフィデール号の姿はどこにもない
だんだんと近づいてくる黒い機体。もうあの機体を止める術はどこにも無かった

-BADEND-


【回避成功】
「おーっと・・・見事に飲まれちゃったね・・・この「槍の雨」に・・・彼、どうなったかな?」
「その声から生きてて欲しいって感情が出すぎやろ、これで死んだら死んだでその時は母艦から荷物を奪えばいい」
「まあそれはそうなんだけどね・・・あれ?カズ ほら、あれを見て」
「な・・・あいつ・・・!?」

「ユウ君! ユウ君!」
アケチが通信機に叫び続ける
「う・・・うるさいな・・・生きてるよ」
「おお・・・よかったです・・・けどどうして」
「急降下して範囲ギリギリまで飛んだんだ・・・けど完全回避は出来なくて何本か直撃して一瞬通信が途絶えちゃったけど・・・」
「そうですか・・・けど、今のであの機体で知らない部分は無いようです!一気に攻めてください」
「了解!」
再び高度を上げフィデール号は彼女達の機体に近づいていく

「避けられちゃった・・・か・・・」
「どうする、もう槍の雨は撃てないが他の武器は普通に使えるで」
「うーむ・・・あの兵器を避けれる相手にもう他の武器は信用できないかなぁ・・・いいわ、降参しよう」
「な・・・おい・・・またか?」
「ふふふ、けどやりたいことがあるの だからちょっとだけ私の言うことを聞いて?」
「仕方ないなぁ・・・まあじゃあその通りにするで、どうなっても知らんからな」
「ありがと、けどまあ機体が戦えなくなっても私達は戦えるから大丈夫でしょ、ほら行くよ」


「あれは・・・?白旗ですかね」
「降参ってことでいいのかな? しかし盗賊団を見逃せと・・・?」
アケチとユウの通信に突如フェイが割り込んでくる
「やーね、別に見逃せなんて言うつもりは無いけど、話したいことがあるの、そっちの母艦の中に入れてくれない?」
「な・・・そんな何をするか分からない奴らを中に・・・」
「なら前みたいに壁ぶち破って入っちゃうけど? いいの?」
「う・・・あー分かりました、入れますよ 入れればいいんでしょう」
「そうそう、私達の機体大きいから気を付けてねー」
「ユウ・・・見事に振り回されてますね・・・」

そうして彼女達は(無理やり)ファッティホエール号の中に乗り込んできた
「へぇ、この前来た時は格納庫しか見てなかったけど、やっぱり大きいんだねぇ」
「何しに来たんですか・・・? ホントに 僕達と殺しあったこと忘れてませんよね・・・?」
「忘れるわけ無いじゃない、そういう物騒なことじゃなくて単なるお願いよ」
「お願い・・? この船の物を全てよこせとかじゃなくて?」
「何でそんなに疑われてるのかな? 普通にあなた達が知ってるカメダの情報を私達に教えて頂戴」
「な・・・なんでだ そんなに簡単にそういった情報は・・・」
「うーん、前回ので分かってたとは思ったんだけどねぇ・・・私達もカメダを追ってるの だから、そのためにあなた達が知ってる情報私達に教えてよ、無論タダなんて言わないそれに見合っただけの金はあげるわ」
「お前達もカメダを追ってると・・・やっぱり復讐っていうのはそういうことだったんだな」
「そう、私達の母親を殺したあいつを私達が殺す そのために私はカズと組んで盗賊をしてるの」
「それだったら・・それだったらカメダを追っている 父親を殺したあいつを俺は追ってるんだ、それだったら目的は同じじゃないか・・・!」
「っ・・・!!」
その言葉に一瞬カズさんが複雑な表情をしたのは何故だったのだろうか、その理由はまだ分からなかったが、ユウは思ったそのままのことを口にした
「俺達の仲間になってくれないか? それだったらカメダの情報も共有できる・・・お互いにとっても悪い条件じゃないと思うが」
「うーん・・・どうしようかねぇ・・・」
「フェイ・・・それは止めといたほうが・・・」
「うん、いいよ 私達があなた達の仲間になればいいんでしょう?」
「フェイ!!?」
「カズ、ゴメンね いつも私の独断で全部決めちゃって けど悪い相談じゃない気もするんだ 盗賊は続けたいけどそれより復讐は大切だから・・・カズは・・・嫌?」
「うう・・・あ、ああ・・・まあフェイがそういうなら」
「けどユウ君だっけ 仲間になるのはいいけど約束して カメダを倒すのは私かカズのどっちか、どっちかがカメダを倒せば、私達の目的は達成できるから」
「分かった・・・約束しよう」
「ありがと、じゃあユウ君 これからよろしくね ほらカズも握手握手」
「あ、ああ・・・」

-フェイ&カズが仲間になった!-

そして数日の間ホエール号を脅かしたフェイ&カズの鮮血の盗賊団の目的を知り、そして仲間にすることが出来た
しかしまだ彼らはまだ彼女達が抱える深い闇の存在を知らなかった。


部屋を貰い就寝するフェイの横でカズは一人フェイの寝顔を眺めながら考えていた
「仲間・・・か 昔あったのはただの軍友 気がついたら死んでたような奴らばっかりやった・・・生きてるのは・・・武器屋になった幼馴染くらいか・・・」
「仲間・・・仲間が出来たよ・・・やった・・・」
「!?・・・? フェイ・・・寝言か まあ・・そうやな・・・ずっと二人だったもんな・・・うちは軍上がりでもそれまであんたは普通の女の子・・・辛くないわけないもんな・・・」
彼女に毛布を掛けてあげ、カズは呟く
「フェイはもうこれで一人になることも無い、もうそろそろ・・・うちの出番も終わりかな」
その呟きは誰にも届かず、ただ部屋の闇に消されていった。





No.12

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/07(水) 18:52
テイルウッド初遭遇&仲間加入イベント「仲間という言葉は人と人にしか適用されない」

ユウとユイの2人はネグロのカジノへ来ていた
「しかし暗い街だと思ってたんだけどこういう活気のある場所もあるんだねー ちょっと以外だよ」
「まあそういう街だからね けど陰部も知ってる僕達はこの街を認めちゃいけない、ここに居る権力者だって あの大量の人々を足蹴にして今ここに居るんだ」
「そうだよね・・・けど、その分そういう危ない部品も手に入りやすいってことだから、ほら、あれだよ あそこにある景品」
「しかし・・・ユイさんホントにやるの? カジノで稼いでそれでその稼ぎで船のパーツと交換するって・・・」
「あったりまえじゃん! あのパーツは久々に表に出てきた珍しいパーツなんだよ! ぜひとも分解して調べてみないと」
「はいはい・・・こういうところでは本当にユイさんには敵わないなぁ・・・」
そしてカジノの奥に進んでいくとそこで少し騒動が起きていることに気がつく
「な、何だ・・? 騒がしいが・・・」
一人の男が女性に向かって剣幕を変え騒いでいる
「こ、この下衆女! お、お・・お、俺の人生をどうしてくれるんだ・・・! このインチキ女が・・・!!」
その言葉を黙って聞いてた女性はそれを遮るように言葉を発する
「あら・・インチキだなんて往生際が悪い あなたは私に全財産を賭けた勝負で負けた それだけのことよ それはここに居る全員が証人」
白衣を着た女性は、ただただ真実を言い聞かせるように男性に話掛けている
「こ・・・この女・・・! 殺してやる・・・!!」
男はナイフを振りかざし、その女性に切りかかった
「あら・・・この場での暴力行為はご法度じゃないの?」
その女性は顔一つ変えることなく、そのナイフを掴み・・・そして握り潰した
「ば・・・ば、ば・・・化け物・・!! うわああああ」
タンタンタァーン
男性は逃げ出そうとした瞬間に、カジノの支配人に射殺される
「あ・・・あ・・・? いやあああああああああああああ」
あまりにも突然に起きた出来事にユイが叫び声を上げる
「あら・・ごめんなさい 驚かせちゃったかしら それともこの街の闇を見るのは初めて?」
「え・・・あの・・・その・・・」
叫び声に気がついたからかその女性がいつの間にか目の前に居て、ユイに話掛けていた
「慣れてないなら、もうここに来るのは止めなさい・・・あなたにはその操縦士の彼氏さんにでも支えてもらいなさい」
「か、かっ、かっ・・彼氏じゃないですっ!! た、ただの操縦士の知り合いで・・・!! け、けど何で操縦士って・・・」
「ふふふ、照れなくてもいいの、私・・未来が見えるから」
「そ・・・そ、それって・・・? も、ももしかして・・・?」
「冗談 ごめんなさい、久々にからかいがいのある人に会ったから、そうね・・・お詫びにこのカジノのコイン少し上げるわ これでその彼氏さんにあのパーツでもプレゼントしてあげなさい」
「だから彼氏じゃ・・・って何であのパーツのことを・・・?」
「言ったでしょ?私、未来が見えるのよ?」
「そ、それって冗談じゃ・・・」
「どうかしらね、あのパーツは何のためにつかうの?」
「これを分解して・・・新しい道具や部品を開発するための知識を得るんです!」
「向上心があっていい答え・・・けどあなたたちが道具だと思って使っている物、けどそれを道具だと思えるのはあなた達から見たときだけ・・・いったい他の視点から見たら・・・何に見えるのかしらね?」
「え・・・?」
ユイが振り向いた瞬間・・・もうその女性の姿は無かった。
まるで最後の言葉から時が止まったように、ユウとユイの前から姿を消したのである 
「み、ミステリアスな人だったね・・・ ってあれ?ユウ君?」
「お・・・俺はユイさんにただの操縦士としか見られてないんだね・・・」
「ち、違うの! え、あれ? 違くないけど! あれ?あ・・・もー!!」
「・・・・・」
「と、とにかく簡単に目的のものは手に入ったし帰るよ!」
「ちょ、待ってよユイさん! 置いてかないで!」

そんなわけで僕達はカジノを後にした そこで出会った女性の謎を抱えたままで


再びネグロうろつきでイベント発生、場所はどこでもいい

「しかしユイさん・・・今度は何?」
「いやー困った・・・あのパーツはですね 分解するには特殊な技術が必要だと分かって・・・この町にその技術を知ってる科学者が居るらしくて・・・」
「つまりまたパーツのために町に行かないといけないと・・・技術者も大変なんですね・・・」
「ごめんねー付き合わせちゃって 他の人達は皆忙しくてさー」
「僕も暇じゃなかっt・・・・」
「黙れ」
「ごめんなさい、ユイさんが居ないと機体の整備も出来ないただの操縦士です、ごめんなさい」
「まだそれ引きずってるの・・・いい加減にしてよねー恥ずかしいから」
しばらく町を歩くとユウはユイに聞いた
「ねえ、ユイさん? その科学者が居る場所って分かるの?」
「あ・・・実は分からないんだよ・・ なんて奴隷から権力者までのし上がった人でね?街の人に嫌われてるらしいから聞くにも聞けなくて・・・」
「なるほど・・・ってどうするのさそれ 見つけるのに時間掛かりそう・・・」
街を一通り見た後、二人はなにやら広場で騒いでる人が居るのを見つける
「なんだ・・・?あれは」
「おい女! さっきはよくもコケにしてくれやがったな・・・! あんな不良品掴ませやがって」
「良く見たらこの女、カジノで俺達の親分を処分しやがった女じゃねぇか!」
「なんだと!お前のせいでなぁ!俺達は親分が居なくなった後コソコソ活動しないといけなくなったんだぞ・・・!!」
たたみかれられる暴言にその女性は顔色一つ変えず
「けど・・・あなた達の親分が死んだのはこの街のルールを破ったからでしょう? 私は関係ない」
その言葉が逆鱗に触れたのか、ゴロツキ達は女性に掴みかかる
「ユ、ユウ君! あの人この前のカジノの人だよ! 大変、助けて上げなきゃ」
「そ、そうだよな・・・」

【「助ける」or「様子を見る」の選択肢発生、選択によってイベント分岐】

【助ける選択】
-ゴロツキx3と戦闘-

終了後
「お、終わったか・・・」
「なんか悲しい人だね・・・上が居ないと何も出来ないって・・・」
「で、あの人は・・・?」
「ユ、ユウ君! 居ないよ どこにも・・・居なくなっちゃってる!」
「な、なんだって? 戦闘中に避難しちゃったのかな・・・」
「な・・・な・・・ナンダッテー うう・・・無駄骨だったし街の人の注目も集めちゃったし船に戻ろう・・・」

-テイルウッド仲間イベント終了-

【様子を見る】

「ここは様子を見よう・・・」
「な、なんで! 助けてあげないの?」
「あの様子を見ていると、手出ししないほうがいいかもしれない、すくなからずこの前のことも関連してるみたいだし」
ユウ達を他に、争いはヒートアップする
「どうしてくれるんだよ!!女ァ!」
ゴロツキ一人が殴りかかろうとする、するとその瞬間
「先に殴り掛ってきたのは君達だ、これでもう文句を言われる筋合いはないね」
刹那・・・その場に居た者でその出来事を理解したものは居ないだろう、ゴロツキに腕を掴まれていた女性、その女性がゴロツキの後ろに回し、そのまま首を・・・
「な・・・何なんだよお前ぇぇぇ」
「別に言う必要も無いよ じゃあね」
次の瞬間にはゴロツキ3人は全員地面に伸びていた
「ユウ君・・・今の動き見えた・・・?」
「い、いや・・・時が数秒飛んだようにしか・・・」
その女性はユウ達を見つけたのか、ユウとユイの方に歩いてきたと思ったら、次の瞬間には二人の肩に手を回していた
「あら、また会ったね 今日も二人でデート?」
「ひゃあああああ! え?え?あれ? さっきまで広場に? あれ?」
「僕はただの操縦士なのでデートとかじゃないです」
「ユウ君!ふざけてないでどうにかしてよー!」
「ごめんなさい、なんというか驚かせるのが好きだから」
「え・・あ・・いえ お強かったんですね・・・」
「まあ・・過酷な環境で育ったからね、最低限はできるわね」
(あ・・・あれが最低限?)
疑問が残るユイを余所に彼女は話を進める
「で、冗談は置いておいてあなた達は何をしにきたの?」
「あ・・あのですね、僕達はこの街の科学者を探しに来たんです」
「ほうほう、科学者ねぇ」
「この街に居るテイルウッドっていう科学者を知りませんか? 技術面で質問があって」
その名前を聞いた瞬間彼女の顔に笑みが浮かんだ
「質問っていうのは、昨日のパーツの分解方法?」
「な、何でそれを・・・?」
「言ったでしょ、私は未来が見えるの」
「もしかして・・・あなたが・・・科学者テイルウッド・・・?」
「ふふ・・・質問を質問で返すようだけど、あなた達はこの街をどう思う?」
「この街・・・? 活気はあるけど・・・その分暗い部分・・・決して表には出ない部分があると思います・・・」
「なるほど・・・いい答え・・・最初に会った時はただの子供だと思ってたけど、この街をそこまで見てるって事は・・・大変なことをいくつも乗り越えてきたのね」
「い、いやーそれほどでも・・・」
「ユウ君、調子乗らない」
「ふふふ、面白いわね 決めた 私はあなた達に付いて行く、この科学者テイルウッドがあなた達の冒険をサポートしてあげましょう」
「ほ、ほんとですか? しかし何で突然」
「私は・・・この街が嫌い 人を実績や家系だけで判断するようなこの街が 奴隷はずっと奴隷として権力者はずっと権力者として生き方を決め付けられた街なのよ・・・」
「け、けどテイルウッドさんは奴隷から科学者になったのでは」
「それは偶然、というか卑怯な手段を使ったの 私に目を付けた権力者を、逆に引きずり落として私がその権力を奪った・・・今思うとそこから私の考えは狂ったのかもしれないわね・・・」
「そ、そんな・・・」
「失望した? それともこの街を努力をすればきっといつかは報われる日がある、なんて希望が持てる街だとでも思ってたのかしら?」
「い、いえ・・・」
「それに、私があなた達に付いて行くのも私はあなた達を道具としか見てなくて、ただ自分の都合だけで決めたことかもしれないわよ?」
「え・・・け、けど・・・それでも僕達は・・・」
「言っちゃうわ、私は人を道具としてしか見てない、そしていつか私はこの街を変えるの、私をこんな風にした街をね」
(この人は・・・人だけじゃない・・・自分も道具として見てる・・・この街を変える道具として・・・)
「ユイさん?」
「は、はいぃ?!」
思考していたユイが慌てる いきなり声を掛けられたか
「私は始めて会った時、道具を道具として見れるのは人間だけと言った、あなたは道具として使われる身になって考えを纏めたことはある?」
「え・・・いや・・・それは・・・」
「それでも私を連れて行ってくれるっていうなら・・・私は道具としてあなた達をサポートしてあげるわ」
「違う・・・違います・・・!」
ユイが叫ぶ
「私はあなたを道具としてなんて見ない!絶対に!」
その言葉にテイルは驚いた顔をし
「ありがとう・・・優しいのね、あなたは」
「いえ・・・だからこちらこそ仲間としてよろしくお願いします!」

-科学者テイルウッドが仲間になった!-

(ありがとう・・・ユイさん・・・けど仲間って言葉が成立するのは人と人の間だけ・・・私だって薄々気がついてるのよ、私は人間じゃないって・・・街を変えるのも理由だけど・・・こっちも私を悩ませる理由ね・・・)
「どうしました?テイルさん」
「いえ、何でも無いわ、ユイさん 船に案内したらあのパーツの分解方法を教えてあげるわね」
「は、はい! ありがとうございます!」





No.18

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/10(土) 10:19
カズイベント「過去の裏切り」

騎士の心の如く白い服に身を包んだ女性、カズがそこに居た
彼女はそこに集まっている人の中ではずば抜けて若く、しかしその若さには似合わない風格を持ち合わせていた。
女性を攫い、殺し続けるカメダ その目的をついに掴みその陰謀を阻止しようと考え戦力を集めるクロエ達の部隊の中「レジェンダリーアーサー」という軍から派遣されたカズは一人、集まりから外れ黄昏ていた。
通り名「カズ・シヴァル」軍の中でも突飛抜けて槍の扱いに長けている彼女は、カメダを撃つ為に援軍として各国の部隊から集められた、つまり傭兵の一人であった。
そんな彼女が周りと馴染めるわけも無く、こうして攻める前の待機時間、彼女は一人で居た。
そんな彼女に話しかける一人の男性、クロエの仲間でもあり親友のトウヒが居た
「よう、お嬢ちゃん やっぱりこの空気には馴染みにくいかい?」
「え? ああ・・いや・・・」
「自分はただの傭兵だから、カメダがしていることの大きさは分からない、そうじゃないのか?」
「いや・・・そうじゃない・・うちの友人が、カメダに親を殺されてる、その仇を取るために、ずっと戦ってきた・・・」
「そうなのかい、それはすまなかった けど、だとしたらその友人さんは?」
「ただの・・・一般人・・・ うちみたいな軍人じゃなくて・・・ただの人で守ってあげなきゃいけない人・・・最近はずっと一人にさせちゃってるけど・・・」
「そうかい、だったらこれが終わったらずっと一緒に居てやることだ、俺も前まで一人だったけど 子供とかが出来てからは一人になれなくなった やっぱり一人より大切な守るものがあったほうが人は輝くって今なら思うよ」
「だったら、あんたはこんなところでは死ねないんですね」
「おいおい、それじゃあ嬢ちゃんは死んでもいいみたいな言い方じゃないか 今日始めてあった奴でも死んだら駄目だ 俺達は全員、無事に帰ってくるんだ」
「ええ・・・できる限りがんばるとします」
そして彼女達の会話は終わった 知りうる限り、若い二人の会話はこれで最初で最後だったのかもしれない。


カメダの母艦の中心部に近い位置、交戦が始まってかなりの時間が経った、そして彼女はカメダの居る部屋に向かっていた
その時、彼女の心境は戦闘前に会話したトウヒの言葉が何重にも渦巻いていた。
そして彼女が中心部にたどり着いた時、ちょうどクロエとカメダが戦っている途中だった。
二人とも既に全力といった感じで最後の最後を詰めきれない、といった感じになっていた。
「あ、あなたは確か援軍の・・・カズさん、ちょうどいいところに来た・・・二人居れば押し切れる・・・」
その言葉は彼女の耳に入ったのだろうか それが分からないくらい彼女の眼は濁っていて、その意識は思考の方に当てられていた
(これが終わったらずっと一緒に居てやることだ・・・か・・・これが終わったらうちはまた傭兵・・・きっとフェイはまた一人になってしまう・・・)
「カズさん?」
「え? あ・・・ああ・・・」
「助けに来てくれたんですよね・・・? もう少しでカメダを追い詰められそうなんです、どうか手を貸してください!」
(カメダ・・・そうや・・カメダや・・・ フェイの母親の仇の・・・けど・・ここでカメダを撃って・・フェイに言っても・・・結局フェイは一人・・・何も変わらないんやないか・・・?)
(ずっと二人で居れる道か・・・そんなん・・・あるんかな・・・)
彼女の意識は戦場でなく、完全に昔二人で話していたことに向いていた)

「わたしはねー! おっきくなったらとうぞくさんになるんだー なかまがいっぱいいてー ずがーんとかばこーんとかしてたくさんものをあつめるんだー」
「まあべつにゆめがあるのはいいんやけどなー なんでそんなにわるそうなゆめなん? ひとをたすけるとかそんなしごとのほうがいいやん」
「それはね・・・いくらえらくて、そのひとがただしかったとしてもそれがかならずしもせいぎじゃないから みんなにしたわれてるぐんじんでもわたしのおかあさんはまもってもらえなかった だからわたしはじぶんなりのせいぎでおかあさんのかたきをとるんだー」

その言葉を思い出した瞬間、既にもう彼女の心は決まっていた。
自分なりの正義、それを果たそうと決め・・自分の親友とずっと一緒に居ようと心に近い、それを何度も反芻した。
そして彼女は・・・・

クロエの心臓を槍で貫いた。

「がっ・・・はっ・・・・」
クロエはまるで信じられないといった表情でカズを見た。
カズの表情は氷のように、着ていた純白の服は返り血で真っ赤に染まっていた。
「な・・・いったい何が起こってるでやんす・・・」
それまでクロエと戦っていたカメダでさえも、状況を理解出来ないようだった。
彼女の眼には先ほどまでの迷いは無く、むしろ道を見つけたぐらいに輝いていた。
クロエの動きが止まり床に倒れたと同時にカズはカメダに向かって歩き出す
「も、もしかして助けてくれたでやんすか・・?ってうぎゃあああああああああ」
話しかけるカメダの足をカズは槍で貫く。
「勘違いするな、あんたもうちらがいずれ殺す。 これは取引や
私はあんたの命を救ってやった、だからうちはお前の船と物資を頂いていく」
「そ、そんな理不尽なぁぁぁ」
そしてカズはカメダの船から飛行艇と物資を強奪して脱出した、それと同時にリーダーのクロエがやられたのを悟ったためか、トウヒ達が母艦から脱出する姿が遠めから伺える。
「すまんな・・・だけど、これがうちが決めた道や・・・」
こうしてクロエのカメダ討伐作戦は彼女の裏切りによって失敗に終わった、その失敗の原因は一部の人間にしか知らず、そのまま闇に葬りさられた。

退却する飛行船の中トウヒはふと呟く
「くそ・・・まさかクロエが死んでしまうとは・・・しかし嬢ちゃんの姿が見当たらない・・・本当に死んじまったのか・・・?
守りたい・・・友人が居るんだろ・・・?クソ・・・」
無くなった片足を補いながらも国に帰還したトウヒは友人達に作戦の失敗を伝えたという。

そして数ヶ月後カズも国に戻り、友人のシアンと盗賊を始めるための準備をしていた。

「しかし意外だな、任務には忠実だった君が 最後の最後で仕事より友人を選び、軍も抜けてしまうとは これだけは私の采配ミスといったところか」
「ふん・・・軍を抜けたことは謝るが、それ以外のところはうちの勝手やろ、アンタに言われる筋合いもない」
「いやいや攻めてなんて居ないさ、むしろこの国にとっては貴重な飛行艇を持ち帰ってきてくれただけでも私にとってはプラスさ、他の武器とかもな」
「これであんたとうちは共犯や、あと・・・このことはフェイには絶対言うな、親の仇を見逃したのは唯一うちの汚点や」
「別にそれならフェイに仇を直接取らせたかったとでも言えばいいじゃないか、そんなに気にすることでもない」
「無理や・・・うちの中でこれだけは拭いきれない、この服の赤はそれを忘れないため、復讐の血の色なんや」
「そういえば君は白い服を着なくなったな、軍隊の頃はほとんど白い服だったのに」
「ああ・・・一度他の色に染まった白は・・・もう決して白には戻れない・・・昔は・・それを知らんかったからかもしれんな」
「はっはっは、君らしくもない、哲学的なことを言うじゃないか だったら私からも一つ教えてやろう、復讐や裏切りと言った意味を含む花言葉を持つ花の色はほとんどが赤や紫なんだ、今の君には似合っている」
二人の話が一段落した時、フェイがちょうど部屋に入ってくる。
「何々?どうしたの? 何の話?」
「いや・・・別に何でもない うちとあんたの盗賊団の話や」
「ああ、そうそう 盗賊団の名前決めたんだ! 鮮血の盗賊団!私の髪の赤とカズの服の色で鮮血の盗賊団!」
「ブッ・・・ふっふっふ・・・」
「どうしたの?シアン 私変なこと言った?」
「いや・・何でも無いフフッ いいじゃないか鮮血 君やカズに似合う言葉だ」
「そうでしょ? ねえ、カズはどう?」
「いいんやないか フェイがそうしたいなら」
「そうだよね? うーんよかったよかった、じゃあ私は訓練に戻るからね シアン、飛行艇の調整とか頼んだからねー」
「ああ、任せておけ 君達に似合う機体に仕上げておくさ」
そうしてフェイは部屋から出て行く 軍の戦闘訓練に戻るらしい
「で、いいのか君は フェイに合わせてしまって」
「構わんよ、うちはフェイに付いて行くから、それが唯一の罪滅ぼしってもんや」
「まあ・・・これ以上私が口を出すことは無いさ、君達が盗賊になったらなったで、こちらの得にもなるからな」
「まったく・・・うちはほんとにあんたが何を考えてるのか分からんわ」

こうして彼女は友人のフェイと共に盗賊になった、自分自身が犯した過ちをずっと胸に抱えて。
しかし彼女はその後、裏切った男の子共の仲間に加わることになる。
その後運命がどう傾くのかはまだ誰にも分からなかった。



【フェイ&カズが加入後にトウヒと会うイベントが発生した時に発生】

今日は久しぶりに機体のチェックと仲間をトウヒさんに紹介するために街まで来た
なんでかカズさんは最後まで乗り気じゃなかったけど、連れてくることが出来た
「トウヒさん、僕らに新しい仲間が出来たんですよ」
「ほう・・・それは良かったなユウ なかなか姿も様になってきたじゃねぇか、まるでお前の親父さんみたいだぜ」
「あ、ありがとうございます! それでこちらが仲間になったフェイさんとカズさん とっても戦闘技術が高いんですよ」
するとカズを見たトウヒが一言驚いたように呟いた
「お嬢ちゃん、何処かであったことないかい?」
「お父さんそれセクハラ」
ユイに言われるとトウヒは自分の中で間違いを正すように
「いやそんなことじゃなくて、うーむ違うよな 俺が前に合ったことあるのは、もう少し迷いを持った目をしてたし、そんな人生全てを恨んだような目じゃなかったよな・・・すまないな、お嬢ちゃん 初めて会ったのにこんな失礼なこと言っちゃって、これはおっさんの独り言だ  しっかし・・・結局最後まで見なかったけど生きてるのかねぇ・・・あの子は」
その言葉を聞いたカズはふと、微笑むように
「いえ・・・分からないですが、うちに似てるんだったら、その子には後悔無く、しっかり明るく生きていて欲しいですね」
と呟いた。





No.19

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/10(土) 10:19
鮮血の盗賊団小型イベント集

フェイ&カズ仲間イベント集

01「燃料が足りない?」

次の街へ行く最中クロエがふと呟いた
「しまった・・・燃料が微妙に足りない・・・」
その言葉を聞いてアケチが問いかける
「どうします?一旦少し戻って途中にあった街に下りて補給しますか?」
「そうするしかないかな・・・くそーしまったな・・・」

その会話を物陰から聞いてたフェイはカズに話しかける
「ねえねえ、カズ チャンスだよ! ここで私達が燃料を持ってくれば持たれてる悪いイメージも少しはよくなるかもだよ!」
「燃料ねぇ・・・ 少なくとも母艦に使う燃料の量じゃうちらの機体から取っても足りないと思うで? それはどうするんや?」
「へっへーん、戦ってないうちにカズ少し頭固くなった? ほら、私達にはあれがあるじゃない」
そう不敵な微笑をフェイは浮かべると、カズと共に格納庫の方へ走っていった

-数十分後-
「ほら!ユウ君 船の燃料、これくらいあれば足りるかな?」
「どうしたんですかフェイさんこんなに燃料を! 確かにこれだけあれば次の街には十分到着できますが」
「実はね、さっき近くを飛んでた船に相談してね、少しだけ燃料を分けてもらったんだ!」
「そうなんですか、とにかく良かった これだけあれば十分軌道修正しないで済むみます!ありがとうございます」
喜ぶユウと笑うフェイ その後ろでカズだけが微妙な表情をしていた。
(近くに飛んでた無名の母艦を叩き落として半分無理やり燃料を奪っておいてよくあの表情ができるなぁ・・・)


02「フェイとシアン」

ユウ達は武器の点検などのためにジパングにあるシアンの店に来ていた、調整の間彼女にフェイ達の話を聞いていた
「フェイさんとシアンさんはどういう関係なんですか?」
「私と彼女達はただの幼馴染さ、それ以上でもそれ以下でもないよ」
「そ、そうなんですか(ぼ、僕この人苦手だなぁ・・・何考えてるのか分からない)」
「それより、フェイ達はどうだ 元気にやってるか?」
「え、ええ・・・彼女達は彼女達なりにがんばってくれてます」
「そうか、それならよかった フェイもやっと居場所を見つけたんだな」
「居場所って・・・フェイさんはカズさんとずっと一緒に盗賊をしてたのでは?」
「違うよ、私が知る中ではむしろ盗賊だった期間が短いくらいだ、とにかく人の過去にとやかく言うつもりは無いが、彼女達は複雑なんだ」
「そ、そうなんですか・・・」
「ねえねえ、何の話をしてるのー?」
座っていたユウの後ろからフェイが首に手を回すようにして抱きつく
「ぐへぇ・・・」
「あー!! あんたユウになにしてくれてるのよー!!」
ユイがフェイに向かって叫ぶ
「へっへーんだ! いつまでも調整に時間掛けてるから暇なのよー ねえユウ君 遊びに行こうよ」
「あがが・・け、けどフェイさん ぼ、僕はまだシアンさんと話があるから・・・」
「むー 暇だなぁ・・・まったく、カズも何処かに行っちゃうし・・・」
「いいからユウ君から離れなさいよー!」
「く・・・首が・・・」
その様子を見てシアンは笑いを浮かべる
「はっはっは、ホントに良かったじゃないかフェイ 今の君は本当に楽しそうだ」


03「カズの心境」

カズは機体などの調整中、一人で街の中を歩いていた
「全く・・・何度見ても沢山人が居るところは慣れんな・・・こういう裏路地みたいな人気が少ないところの方が落ち着くわ・・・」
ユウたちの仲間に入ってから戦い続けることで心の不安な部分を隠していたカズは久々にゆっくりしていた。
その時、彼女に裏路地から話しかける人物が居た。
「これは、これは・・・我が軍の救世主カズさんではないですか・・・」
「誰や!?」
物陰に立って居るのは三人そのうちの一人が話を続ける。
「そんなに構えないでください、私達はあなたと戦いに来たわけじゃありません、私はパパヤガン そうですね、カメダ軍の幹部と言えば伝わりやすいですかね、私はあなたを誘いに来たんです」
「誘うだって・・・?」
「ええ、あなたのおかげでカメダ様は少し機能を失い、私達幹部にも作戦を遂行する機会が沢山巡ってきた、そしてそのための研究も沢山できるように、まさにいいこと尽くしでした」
「それに・・・あなたのその裏切った男の子供と仲間になって知らぬ顔で行動できる演技、ぜひとも私も見習いたいわ」
パパヤガンの後ろに居た女性ヨミチも会話に加わる。
「そんな・・・あれは演技なんかじゃ・・・」
「というかこのおばさんは誰? そんなに強い人なの?」
「こら・・ニノ・・この人はある意味で今の私達を作ったと言ってもいい人だ そんなことを言うのは止めなさい」
ニノと呼ばれた子供はそれでも納得できないような様子でそのままカズを見つめたまま黙った。
「おば・・・ていうか・・・あの軍はこんな子供でも仲間に加えるんやな・・・」
「子供っていうな、空中戦だったらもうとっくにおばさんのことなんて殺してるよ」
「ああ、そうかい うちだってな そんなに簡単に殺されるほど弱くはないわ」
「おっと、ここで争わないでくださいよ、今ここで騒ぎを起こしたってお互い何も利益はありません」
「そうよそうよ、本当に私達は交渉に来ただけ あなたを仲間にするためにね」
「俺はこんなおばさん仲間に加えたくはないんだけどなー 命令だから付いてきたんだ」
「まあ、そういうことでカズさん 本格的に私達の仲間に加わるつもりはないでしょうか? あなたならすぐに幹部にも上り詰められる、私はあなたから・・・本当は今抱えてるものを全て捨てて本気で戦いたいという心の声が聞こえますよ?」
「確かに・・・本気で戦えるってのはいい誘いやな」
しかし、カズは拳を壁に叩きつけ
「でもなぁ!うちにだってきちんとやるって決めたことがあるんや、だから悪いがその誘いには乗ることは出来ん」
その言葉にパパヤガン達は少し残念といった様子で(ニノ以外)
「そうですか・・・なら仕方ありません、ヨミチ・ニノ、引き上げますよ! カメダ様に自分に大きな傷を与えた人物を仲間に加えようとしていると悟られたら何を言われたことか」
「仕方ないわね・・・けど気が変わったなら言ってね、私は待ってるから」
「僕達を馬鹿にしたこと、おばさんに後悔させてあげるよ」
そして、三人は何事も無かったかの用に消えていった。
残されたカズは一人
「全く・・・嫌な奴らに目を付けられたもんや・・・」
と、一人呟き、ユウ達が居る場所へと戻っていった。


「あーカズどこに行ってたの? 一人で寂しかったんだから」
戻ると同時にフェイに話を掛けられる
「ああ、普通に散歩してただけや、すまんな」
「ううん、いいんだけどさ あれ?カズ・・・手から血が出てる」
慌ててカズは手を見る、するとさっき壁にたたきつけた手から少し血が流れ出している。
「あ、ほんとや きっとどっかで切ったんやな ほっとけば治る」
「駄目だよそんなの 大事になったらどうするの? ほら来て、治療してあげるから」
「まったく・・・フェイは昔からおせっかいさんやな」
「カズが無用心すぎるだけだよ、全く昔からそういうところは変わらないんだから」
ふと、フェイの心配した顔を見て カズは疑問に思ったことを聞く
「なあ、フェイはうちが突然居なくなったらどうする?」
するとフェイは途端に不安な顔をして。
「どうしたの・・・? もしかしてカズは何処かに行っちゃうの?」
「ち、違う違う! ふと疑問に思っただけや うちがフェイを置いていくわけないやん、ずっと昔から一緒におるんやから」
「そうだよね、よかった・・・カズは大切な親友なんだから・・・どこにも行っちゃやだよ?」
「ああ、約束する うちはずっとフェイと一緒におるから」
そう約束を交わして二人は皆の居る場所に戻っていった。






No.20

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/10(土) 10:19
もしジオットとカズが同時に裏切っていたら・・・

自分なりの正義、それを果たそうと決め・・自分の親友とずっと一緒に居ようと心に近い、それを何度も反芻した。
そして彼女は・・・・

クロエの心臓を槍で貫いた。

「がっ・・・はっ・・・・」
クロエはまるで信じられないといった表情でカズを見た。
カズの表情は氷のように、着ていた純白の服は返り血で真っ赤に染まっていた。
「な・・・いったい何が起こってるでやんす・・・」
それまでクロエと戦っていたカメダでさえも、状況を理解出来ないようだった。
彼女の眼には先ほどまでの迷いは無く、むしろ道を見つけたぐらいに輝いていた。
クロエの動きが止まり床に倒れたと同時にカズはカメダに向かって歩き出す
「も、もしかして助けてくれたでやんすか・・?ってうぎゃあああああああああ」
話しかけるカメダの足をカズは槍で貫く。
「勘違いするな、あんたもうちらがいずれ殺す。 これは取引や
私はあんたの命を救ってやった、だからうちはお前の船と物資を頂いていく」
「そ、そんな理不尽なぁぁぁ」
そしてカズはカメダの船から飛行艇と物資を強奪して脱出した、それと同時にリーダーのクロエがやられたのを悟ったためか、トウヒ達が母艦から脱出する姿が遠めから伺える。
「すまんな・・・だけど、これがうちが決めた道や・・・」
こうしてクロエのカメダ討伐作戦は彼女の裏切りによって失敗に終わった、その失敗の原因は一部の人間にしか知らず、そのまま闇に葬りさられた。

しかしその一撃で絶命したと思われていたクロエは何とか生き延びて、カズとカメダが揉めている間に、その部屋から抜け出していた
「な、何が起こったんだ・・・がはっ・・・まさか・・・彼女が敵だ・・・ったのか・・・?」
ボロボロになりながらもトウヒの元に辿りついたクロエを見て、トウヒは驚きの声を上げた
「クロエ?! どうしたんだそんなにボロボロになって・・・」
「トウヒこそ・・・ガッ・・足が・・なくなって・・・」
「お前の怪我と比べたら足なんて・・・ホントにどうしたんだ!」
「作戦は・・・失敗だ・・・最後の最後にしくじった・・・クソ・・・」
「大丈夫かクロエ! 脱出するぞ・・お前の船は別の奴に運転させる! 急いで脱出しよう・・・」
そして二人は別々の船に乗り込み、カメダの母艦から脱出した

「大丈夫か・・?クロエ 何とか船からは脱出できたな・・・」
「え、ええ・・・こっちも何とか大丈夫だ・・・傷は浅かったようだ・・・」
「しっかりしろよ・・?戻って守りたい奴も居るんだろ・・?」
「お前こそ・・・ユイちゃんだっけか? 終わったら、一緒に居てやるって言ってたじゃないか」
「まあな・・・だが、それを語るのも無事に故郷に戻ってからだ・・・」
通信で励ます二人の言葉を遮るように、仲間のジオットから通信が入る
「二人とも、母艦から逃げることが出来たんですね・・・」
「ジオット・・・生きていたのか・・・良かった」
「ふふふ、大丈夫ですよ・・・しかし、目的を捨て逃亡する者がこんなに美しくないとは・・・」
「ジオット・・・?お前・・何を言って」
その直後、トウヒの機体の両翼に砲弾が直撃する
「なっ・・・があああああああああああああっ!!」
「トウヒ・・・!!おい!!うわあああああああああああ」
その次にはクロエの機体に銃撃が当たる
「ふっふっふ、あなた達には感謝してます これで私もカメダの元に潜り込み易くなるというものです」
「ジオット・・・貴様・・・!! 俺やクロエを裏切ったっていうのか・・・」
「ええ、そうですとも 私はカメダ側に付きます ここであなた達を消し去ってね!!」
再び砲台はトウヒの機体に向ける。
「クロエ・・・! どうする・・・こんな状況じゃ・・・二人とも・・・」
「トウヒ・・・良く聞くんだ・・・」
「どうした、クロエ・・・? 回避する方法でも思いついたか・・?」
「もし無事に戻れたら・・・君の子供のユイちゃんに俺のユウをしっかり教育するように教えてやってくれないか・・? あの二人のことだ、これからもずっと一緒だろう、ユウはまだ飛行船のことなど何も知らない、その分・・・いろいろと経験してきた君なら適任だろう・・・」
「お、おい・・・クロエ・・・何を言ってるんだ 一緒に戻るんだろ・・? おい・・・」
「それと・・・大きくなってからでいいから・・・ユウに・・・母親の仇を取れなくてごめん・・・って謝っておいてくれ・・」
「クロエ!!そんなことを言うなぁああああああああ!! お願いだから、お願いだから話を止めろぉ!!」
「今この飛行船にはもう俺しか居ない、俺の変わりに操縦してくれてたパイロットはパラシュートで逃がした、これで・・・犠牲になるのは俺だけだ・・・」
「止めろ・・・! 止めてくれ・・・そんな死の際みたいな事を言わないでくれ・・・」
「じゃあな・・・トウヒ・・・楽しかった」
そういい残すとクロエは通信を切り、そのままトウヒの機体をかばうようにジオットの船の銃撃を受けた
「クロエェエェッェェェェェェェェ!!!」
トウヒの船の真上で、ずっと一緒に戦っていた友人はその愛機と共に爆発し、塵と化した。
「さようならクロエ、良き終わりを・・・」
「クソ・・・クソ・・・」
トウヒは泣きながらも、ボロボロになった機体と共に他の仲間と街に帰還した。

「しかし・・・トウヒを逃がしましたか・・・ まあそこから私の事がばれても、まあばれなくても私には問題ないでしょう、やはり美しいものは美しいまま消すのが美学ですかね・・・・ さて・・・次はカメダですかね 亡き友人の母の仇くらい、私が取ってあげましょうかねふふふ、ははは、はーははは」
暗い海の上、ただジオットの笑い声のみが響いていた。



-数年後-

「トウヒさんは昔僕の父の仲間だったんですよね? 昔の僕の父ってどんな人だったんですか?」
「お前の親父か・・・まあお前よりは凄い操縦士だったな」
「そういうことを聞きたいんじゃなくて・・・普段の様子とかですね・・・」
「そうだな・・・俺とチヒロがくっつくまでに何度も馬鹿にされたなぁ・・・」
「お父さんはお母さんとくっつくまでに何回も殴られたんだってね、全く、お母さんはこんなお父さんのどこが良かったのか・・・」
「あんまりそんなこと言わないでくれよユイ、お父さん泣いちゃうぞー」
「そうだよ、ユイさん 君のお父さんは凄い操縦師で整備師なんだから」
「もう・・・全く 男の子ってこういうところが分からないよ・・・」
「そういうなって、ユイだって俺に似てる部分が沢山あるぞー?」
「やめてよーまったく、私がお父さんに似てる部分なんてぜーんぜん無いんだから!」
「ははは、ははははは」
「何がおかしいのよ、ユウ君」
「いや、だってやっぱり家族っていいなって思って  僕の父はもう居ないけどずっとトウヒさんが親みたいなものだし、ユイさんともずっと居るからもう姉弟みたいなものだし」
その言葉を言うと同時にユイに背中を叩かれるユウ
「痛いっ! なんで叩くのユイさんっ!」
「どうもこうも無い! もう知らない!!」
「あー待って、なんで怒ったのユイさん!」
部屋から出て行くユイを追いかけて一緒に出て行くユウ、その背中を見つめてトウヒは
(見てるか・・・クロエ お前との約束は・・・多分守れてるよ、ユウだってお前に似ていい操縦師になりそうだし、ユイのほかにもいろんな仲間が出来た・・・あいつだったら・・・きっとお前や母親の敵を取ってくれるよ・・・)
と昔自分を庇って消えた親友の背中をその子に重ねいつまでも眺めていた。






No.22

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/12(月) 03:39
テイルウッド「テイルウッドの書庫」

ユイはこの前貰ったパーツの調整方法を聞く為に、テイルと共にテイルの研究所へと向かっていた。
「テイルさんはどうして科学者になったんですか?」
前を歩いてたテイルは振り返り質問に答えた。
「うーん・・・そうね、簡単に言えば・・・どうしても自分自身について解明したい謎があるから・・とか?」
「自分自身って・・・テイルさんは立派な科学者なんですよね?それでも分からないことってあるんですか?」
「今の人間の技術力じゃ越えられない一線もあるってことよ・・・その一線を越えるために私は科学者になった、その答えじゃ不満?」
「い、いえ・・・とんでもないです・・・」
それから二人の間には会話は無く、ただひたすらネグロの街を歩き続けた。
しばらく歩くとテイルは足を止め、口を動かす。
「着いたわ、ここが私の研究所」
「え・・・?でもここって・・・」
テイルが指し示したのは普通の一件屋、活気のある街のネグロには不釣合いな普通な建物だった。
「いいから、付いて来て」
「は、はい!!」
急ぎ足で建物の中に入っていくテイルを急いで追うユイ、テイルが部屋の電気を付けると、ユイは再び驚きの声を上げた。
「こ・・・これっていかにも普通の家な内装ですね・・・どこに研究所が・・・?って?あれ?テイルさん?」
振り向いたユイの視界にテイルの姿は無かった。
「あれ・・・?テイルさん?」
慌てるユイを余所に、あくまでも冷静なテイルの声が室内に響く。
「ユイちゃん、ユイちゃんこっちよ」
「え?テイルさん!? いったいどこから声が?」
「タンスの裏、よーく調べてみなさい」
「ええっ?! タンスって・・・」
ユイが慣れない手付きでタンスを押すと、そのタンスが回転してそこからテイルが現れた。
「全く、女性の部屋を見て回るなんて同じ女性でもあまり誉められた行為じゃないわよ」
「ご、ごめんなさい・・・・けどこの隠し通路は・・・?」
「科学者として権利を持った今でも私を嫌う人は多くてね、たまに荒らされるのよ、大事な研究材料を壊されるわけにはいかないじゃない? だから地下に資料とかを移したのよ」
「そうなんですか・・・やっぱり大変だったんですね・・・」
「ええ・・・そうよ、だから私は決めたの 絶対に誰にも馬鹿にされないように名声を手に入れるってね」
「そういえば奴隷だった人って全員そういった刻印が刻まれるって聞いたんですけど・・・テイルさんもやっぱりそういう・・・?」
「っ・・・!」
その言葉を耳にした瞬間、テイルは顔を歪める暗くて顔は見えなかったが、雰囲気で察したのかユイも口を閉じる。
沈黙が続き暗闇の中に足音だけが響く、その沈黙を破ったのはテイルだった。
「この先が私の研究所の最初の部屋、ここならあなたが探してる情報も見つかると思うわ」
そう言って扉を開けた途端目に飛び込んできたのは先ほどの部屋の何倍もあると思われる部屋と無数の本棚、びっしりと敷き詰められた本棚にはもう古くなり掠れている本から最新の本まで全て揃っていた。
「こ・・・これって・・・・」
「ええ、私の研究資料 適当に整理してたらこんな事になっちゃってね、荒らされるとか云々より、元から上には入らないのよ」
「凄い・・・テイルさんはここでずっと研究をしていたんですか」
「ええ・・・まあもっとも、最近はここの本も私は必要なくなってきてるけどね、あなたには役に立つんじゃない?」
「必要無いって?どうしてですか・・・?こんなに貴重な本を・・・」
「私・・・一度見たものは忘れられないの、それがどんな記憶であろうとね」
「忘れ・・・られない・・?」
「ええ、適当に流し見ても目に入ったものは脳が記憶してしまう、こんなことをしていたらいつか絶対に脳が死んでしまうと思ってた けどここの本全部を頭に入れても私はこうして生きている、それも解明したい謎の一つね」
「け、けど・・・それなら便利ですよね、それって! 私なんてよく人から教えてもらったことも忘れちゃって良く迷惑掛けちゃいますし」
「この能力が良い・・・? 一度体験した嫌な出来事も少しも狂わないで頭の中に残るというのに?」
「あ・・・・」
「私が奴隷時代に受けた屈辱も差別も理不尽も・・・目の前で殺された友人の断末魔や私を侮蔑する周りの声も・・・今の地位を手に入れるために手に掛けてきた人々の最後の表情も全部忘れることが出来ないのにあなたはこの力がうらやましいっていうの!!」
「ご、ごめんなさい・・・」
冷静だった彼女が表情を崩した、それは彼女が過去に受けた屈辱がそれほど心に響くものだったのだろう
「い、いえ・・・私こそごめんなさい・・・す、少し休ませてもらうわね ユイさんはその間ここの本読んでいていいから」
「は、はい・・・」
そういってテイルは部屋の隅の椅子に腰かけて寝るように目を閉じた。
「ど、どうしよう・・・怒らせちゃったかな・・・?」
ユイはしばらく慌てていたが、元々の目的を果たすために本を探し始めた。
「さてと・・・しかし凄い本の量だなぁ・・・私じゃ一生掛っても覚えられなさそう・・」
一通り回ったのはってユイが手にしたのはファントゥームについて述べられた古い本だった
「ファントゥームの伝説・・・私達が追い求めてる・・・」
本をパラパラと読むと、古代のファントゥームの伝説などが書かれていた。
「うーん・・・伝説かぁ・・・けどやっぱりこういう伝記って想像が含まれてそうだからこれがそのまま私達が求めてるものとは違うのかな・・・」
そこに書かれていたファントゥームの姿は伝説のゴーレムと筆頭に戦闘能力が高いホムンクルスを量産し戦闘集団を生産する兵器工場のような姿だった。
「うーん・・・伝説っていうくらいだからもう少しメルヘンチックな物でもいいんだとは思うんだけどなぁ・・・」
すると、そう呟くユイの後ろから持っていた本を取り上げ、自分の元に寄せるテイルの姿があった。
「起きてたぶん技術関連の所に居るのかと思ったらまさかこういう物語の所に居るとはね・・・全く、こんな本読んでても何の意味も無いわよ?」
「あ、テイルさん・・・け、けど・・・」
「あなた達がこの伝説を追ってるのは知ってるけど・・・この本はあくまで伝説なのよ、真実はこの目で見てみないと分からない」
「そ、そうですよね 真実を知るために私達は冒険してるわけなんですから・・・」
「まあ偉そうなこと言ってるけど単に私がこれを信じたくないだけかもね・・・伝説は綺麗な伝説がいい 科学者にとっては言ってはいけない言葉かもしれないけどね」
「ふふふ、テイルさんって以外とメルヘンチックなんですね」
「あんまりふざけたこと言うと私帰るわよ」
「え、あ、ごめんなさい・・・」
「なーんて、冗談よ もう怒ってないわ・・・ほら、前のパーツの技術が知りたいんでしょう? それならあっちに本があるわ」
「そうですね、本来今日はそのために来たんですもんね、すっかり他の本に夢中になっちゃいました」
「ふふふ、若いうちはそれでいいけどいずれ大人になったらちゃんと情報は選ばないといけないわよ」
「分かりました!私はこれからもがんばります!」

こうして二人はこの後技術の話をしてユウ達の下に戻っていった。
二人が見たファントゥームの謎とテイルの謎がかみ合うのはまだ、先のお話。





No.23

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/12(月) 03:39
マダラ「闇の仕事人」

「あのクロエ達のパーティは困ったでやんす・・・彼らのせいでおいら達の作戦が進みにくくなってきたでやんす」
暗闇の中カメダが呟く。
その中に一つ立つ影
「だからこそお前に仕事を頼みたいでやんす、金で何でも使命を遂行する闇の仕事人・・・マダラ」
影はその言葉に少しも言葉を崩さずに
「ワシは貰った金の分の仕事はする・・・それがどんなに汚い仕事であろうとな」
「その言葉を待ってたでやんす、いいでやんすか トドメはおいらが刺すでやんす、お前にはそこまでの戦闘をしてもらうでやんす」
「御衣・・・まあそれが望みであれば」
そう言って、影は再び闇の中に消えた。


ユウ達は機体の燃料補給などのため、近くの街に寄っていた
「アケチー じゃあ僕は他にも必要な機材を買ってくるから ユイさんと一緒に機体の整備頼んだよー」
「分かりました、ユウも早く戻ってきてくださいね」
そう会話を交わしてユウは一人で買い物に出かけた。

「しかし、この街も結構広いなー 今度ゆっくり見物してみたいな」
買い物を終えて街を回るユウ、それを物陰から見つめる視線があった。
「あれがターゲットのクロエ・ユウ なるほど・・・あのカメダとやらが恐れる割にはただの子供ではないか・・・」
彼はクロエの後ろに付くと、しばらく尾行を続けた。
「あれ・・?この道をどういったら元に戻れるんだ?」
しばらくしたらクロエは慣れてない道なのか、薄暗い道で迷っていた。
「ここをこう来たらこっちに出てきて・・・あーしまったよ・・・こんなことならアケチにでも付いて来てもらえばよかったなぁ・・・」
地図を見ながら悩みこむクロエに後ろから近づく不穏な影、そして
「ふぉふぉふぉ、おぬしや そこに戻りたいならここをまっすぐ行けばよい、元に戻れるはずじゃ」
「え? あ、ありがとうございます!」
道を聞いてユウは駆け出そうとする、だが次の瞬間
「礼には及ばんよ・・・おぬしはここで倒れるんじゃからのう」
その言葉がユウに届いたかは分からない、だがユウは殺意を悟ったのか、とっさに自分の体を庇った。
「なっ・・・!グハッ・・・」
だがユウの体はそのまま宙に浮き、壁に叩きつけられた。
「おぬしに恨みは無いが これも依頼だ、ここで倒れてもらおう」
「お・・・お前は・・・・・?」
「ワシはマダラ 依頼されればどんな輩だろうが手に掛けるさすらいの殺し屋じゃ」
「な・・・なんで殺し屋なんかが僕を・・・」
「カメダとやらに依頼されてのう・・・お前を瀕死にしろと言われたんじゃ」
「カメダに・・・!?お前は悪の味方をしてて気持ちがいいのか!」
「悪とか善とかワシにとってはどうでもいい、依頼人は依頼人じゃ」
「クソ・・・だったら・・・戦うしかないってか・・・」
叩きつけられた体を無理やり起こし、ユウが戦闘体勢を取る
「そうじゃ、ちなみに助けは期待しないほうがいい ここは街の奥で暗い部分 ここで派手に争っても誰も気がつきはせん」
そうして、二人は派手に戦い始めた


【ユウ一人で戦闘イベント・数ターンマダラの攻撃を耐えることでイベント分岐】

【負けイベント】
「な・・・ウッ・・・」
「おや・・・間違えてトドメを刺してしまったわい・・・これは依頼人には謝らんといけないようじゃな・・・」
「ま・・・ま・・・て・・・」
「じゃあなおぬし、まあここに倒れていれば時期に仲間が見つけてくれるじゃろう 時間が掛りすぎて、その頃にはもう息はないかもしれんがな」
消える意識の中、立ち去っていく侍の足音だけが響いていた

-GAMEOVER-

【数ターン戦闘耐えた後イベント】
「はぁ・・・はぁ・・・」
「この小僧、なかなかやりおるわい はっはっは」
(こっちは必死だっていうのに、あっちは息一つ切らしてない・・・・レベルが違いすぎる・・・)
「さて・・・遊びはここまでにしておこうかのう・・・少々、本気でやらせてもらう」
刹那、ユウの前に居たマダラが突如ユウの後ろに移動した。
「なっ・・・!」
「悪いな、小僧 ワシは貰った金の分しか実力を出さない人でな あくまで殺しはせんよ」
ユウの体が再び宙に浮きそのまま壁に叩きつけられる
(やばい・・・意識が・・・)
「さて・・・そろそろかの・・・おい依頼主よ、見てるんじゃろ? そろそろ現れたらどうじゃ」
「全く・・・うるさい奴でやんすね・・・金は払ってるんだから黙って仕事をしろでやんす・・・」
すると、突如物陰からカメダが現れる。
(カ・・・カメダ・・・・!)
仇を目の前にしても既に体が動かないユウ、それの目の前で話を続けるカメダとマダラ
「なんと言おうが依頼は達成しておるわい、それともおぬしはまだこの小僧にダメージを与えないと倒せないほど弱いのかい?」
「う、うるさいやつでやんす! こんな奴、おいらの足元にも及ばないでやんす!」
そうして、倒れているユウを足蹴にするカメダ それを何かを思うように見つめるマダラ。
「ふふふ、こんなやつ実際おいらの足元にも及ばないでやんす、しかしあんた強いでやんすね こうなったら正式においらの軍の幹部にでもなるでやんす」
(こ・・・こんなやつ・・・僕の体が動けばちゃんと戦えるのに・・・)
「・・・・・・」
「なんで反応しないでやんすか? また金か? 協力してくれるならいくらでも金なんて払ってやるでやんす」
「気にいらんのう・・・」
「や・・・やんす?」
「気に入らんのう・・・って言ったんじゃ、確かにここまでこの小僧を追い詰めたのは仕事を受けたこのワシじゃ しかし仕事とはいえ、その戦績までおぬしが得たように目の前で言われるのは気に入らないって言ったんじゃ」
「な、なんでやんすか! 協力しないなら協力しないでここで仕事は終わりでやんす! ここから先はおいらの勝手でやんす」
「ほう・・・仕事はここで終わりといったな? だったらここから先は、ワシの勝手で動かせてもらう」
と、マダラはカメダに刃を向ける。
「な、なにするでやんす! 依頼主にはむかうでやんすか?」
「おかしいのう、依頼が終わったと言ったのはおぬしじゃぞ? だったらワシが何しようが自由なはずじゃが?」
「く・・・汚いでやんす!」
「ワシだっていくら汚い仕事をしようが心はいつだって侍じゃ ワシが自由な時はワシの正しいと思ったことをするさ」
「わかった!わかったでやんす! 金ならさらに積むでやんす! だからさっさとその刃を下ろすでやんす!」
カメダがマダラにその提案をした瞬間、遠くから声が聞こえてくる
「ユウ君~? どこに居るのー? 買い物に行ったまま帰らないけどー」
「ユウー こっちは終わりましたよー 早く戻ってきて下さいー!」
遠くから聞こえたのはユイやアケチの声だった いくらなんでもユウが戻るのが遅くて探しに来たらしい。
「おやおや、残念だったのう どうやらタイムリミットのようじゃ」
「ぐぬぬでやんす・・・お、おぼえてろーでやんす!!」
そうしてカメダは去っていき、ユウの意識はそこで途切れた。

「さて・・・仲間が探しに来たことだし、この小僧はどうしたものか・・・」
マダラはふと考えた挙句、一つの考えにいたりにやりと笑みをこぼした。
「せっかくのクライアントも減らしてしまったことだ・・・ここは次の仕事もしやすくしておくとしよう・・・」
と、マダラは意識が無くなったユウに近づいていった。


「・・・くん!・・ウ君!!」
目が覚めたら・・・真っ先に明かりが目に入った。
「ユウ君!ユウ君!」
「え・・・?あ・・・?ユ、ユイさん・・・?」
「よかった・・ユウ君ずっと寝てたんだよ・・・?」
ユウがやっと目を覚ましたためか、ユイは目に涙を浮かべる
「あれ・・・僕は戦闘で・・・」
「そう、カメダの軍と戦って倒れていたところを助けてくれた人が居たの! それが無かったらユウ君危ない状態だったんだから!」
「あの状況からか・・・ごめん、心配掛けて・・・」
「私に謝らないで、その命の恩人にお礼を言って来なさいよ・・・隣の部屋に案内してあるから・・・」
「わ、分かったよ・・・」
まだ上手く動かない体で隣の部屋に行くと、そこでユウは驚く光景を目にした
「よう小僧、体の方はよくなったのかい」
「え・・・?あ、あなたが僕を助けてくれた人・・・?!?」
「なんじゃい?不思議なのか?」
「不思議もなにもそもそも僕を瀕死にしたのはあなた・・・!」
「おっと、この船ではワシは小僧の命の恩人だと思われてるんじゃがのう・・・ほれ、さっきの女の子にでも聞いてみろ きっと同じことを言うじゃろう」
「え・・・?えええええええええええええ!!?」
「というわけじゃ坊主、これからは金さえもらえればワシが手助けをしてやろう、ありがたく思うんじゃぞ」
「あ・・・はい・・・(な、なんでこんな事になったんだ・・・?)」
「てわなけでこれからよろしくな坊主 ワシのことはマダラさんと呼んでくれ」
「わ、分かりました・・・?(え・・?)」

【わけの分からないままマダラが手を貸してくれることになった!】

「しっかし小僧はなかなか可愛い子に囲まれてるのう、助けないほうがよかったわい」
「そもそも瀕死にしたのもあなた・・・ですよね?」





No.27

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ@ [URL] 投稿日:2012/03/14(水) 00:11

【いろいろがんばるユイちゃん】
船の燃料の補給のために街に寄ったユウ達はおのおの休憩のためにそれぞれ街を自由に行動できる時間を設けていた。
「まあじゃあ夕方には戻ってくればいいね」
「ええ、そうですねユウ 私も今日くらいはゆっくり本を読みたいものです」
それを見送り、ユイは彼らの機体がある格納庫へ降りていった。
「今日こそたくさん機体の調整をしてユウ君に褒めてもらうんだー!がんばるぞーおー!」
一人で気合を入れて、意気揚々と機体の整備を始める。

「ふう・・・こうして見るとやっぱり多いなぁ」
半分くらいの機体を整備し終えたころにユイは一段落入れて休憩をしていた。
すると後ろの階段から降りてくる人影が。
「およ?ユイちゃん こんなところで何してるの?」
「あれ?フェイちゃん 相変わらず派手な格好だねぇ・・」
ほぼ下着姿のような姿で降りてきたフェイにユイは驚きの声を上げた
「いやぁ服を取りに行こうとしたらさぁ、下で物音がするものだから、何してるのかなって」
ユイに飲み物を手渡しながら答えるフェイ
「ありがと、せっかくの休みだから機体の整備をしてるんだ」
「え?休みなのに・・・? それじゃいつもやってることじゃないの?」
「ほ、ほら!いつもはユウ君とかに手伝ってもらってるから たまには迷惑掛けずにやっておきたいじゃない」
「へぇ・・・ねえ、もしかしてユイちゃんってユウ君のこと好きなの?」
「ブウッフッ・・・な、何でいきなりそんなことを・・・!」
「いや、な、なんとなくかな?」
「ゆ、ユウ君なんてお、幼馴染みたいなみたいなものだし? あ、あっちもわ、私のことなんてどうでも・・・」
「すきなんでしょ?」
「は・・・はい・・・たぶん・・・」
「たぶん?」
「ま、まだよくわからないんだけどね! なんというかユウ君といるだけで心が温かくなるというかなんというか フェイちゃんにはこの感じ分かる?」
「うーん・・・ごめん、私には分からないや」
「あ・・・ああ、そうなんだ・・・・いつかフェイちゃんも女の子ならこういう体験することあると思うんだ」
「そうなるのかな? けど私は目的を達成するまでは、そういうことは無いとは思うけどね・・・私は今は復讐のためだけに生きてるから・・・」
急に重い話題に入ったと思ったからかユイはあせって話を変える
「け、けどさ! ユイちゃんの隣にはいつもカズさんが居るじゃん! やっぱりフェイちゃんの好みとかはああいう男らしい人が好みなの?」
「え・・?ええぇ・・?い、いや・・・カズはなんというか・・・保護者みたいな感じだよ? 昔からずっと一緒で、盗賊を始めてからそれは変わってない」
「保護者なんだ・・・確かにカズさんとフェイちゃんは結構言われてみれば保護者と子供みたいなところあるよね?」
「ま、まあ・・そうなんだけど 私とカズはそんなに歳離れてないからね?」
「う・・・あ・・・そ、そうなんだ・・・(カズさんごめんなさい!)」
「このファランクスもカズやシアンが作ってくれたものなんだ、二人とも私のわがままに答えてくれて、カズに至っては軍人としての立場さえも捨てて私に着いてきてくれた だから私にとってカズは確かに大切な人だけど、恋人って感じで見ると少し違うかな?しかもカズは女性だしね」
「結構、見たまま以上に二人の関係や信頼は深いんだね・・・ちょっとあこがれちゃうなー」
「恋じゃないよ? それでもうらやましいの?」
「私もユウ君とそういう何でも相談できるような関係になりたいなぁ・・・」
「なるほど、じゃあこのフェイちゃんが悩める乙女ユイちゃんのために一肌脱いじゃいますよ!」
「え・・・?それってどういう・・・?」
「ユイちゃんイメージチェンジしてみようよ! いつもそういう整備用にゴツイ服ばかり着てるじゃん、私が服を貸してあげるからそれでユイちゃんはユウ君の前に出てみればきっとユウ君もユイちゃんを女の子としてみてくれるよ!」
「え・・・ええぇ・・・(わ、私がそんなに軽い服を・・?)」
「ほら、そうと決まったら私の部屋にレッツゴー」
「ちょっとフェイちゃん、自分で歩くから押さないでよー!」
こうして二人は夕方までフェイの部屋でいろんな服を試していた。


「しかし今日は充実したなぁ、明日からの用意もできたし」
ユウや他の人たちが休息を終えて戻ってきた。
そのユウを物陰から見つめるフェイとユイの影
「ほら、ユウ君帰ってきたよ! 今がチャンスだって!」
「で、でもフェイちゃん こ、こんな服で出て行くの・・・? やっぱり恥ずかしいって・・・」
「何を言ってるの、ここまで来たならいくしかないじゃない! ほら、行った行ったー」
そして歩いてるユウの目の前にユイを押し出すフェイ、そして
「あ・・・あ・・・ユ・・・ユウ君・・・?」
「へ・・・?え・・・?ユ・・・ユイさん?」
ユイが着ているのは普段フェイが着ていたような胸の部分を強調するようなサラシに、普通のコートを羽織っただけのような非常に派手な格好で突き飛ばした衝撃でユウに抱きつくような体勢になってしまっていた」
「こ、これは・・・これはぁ・・・・」
真っ赤になって上手く喋れないユイを置いてユウが喋りだす
「ははは、ユイさんもそういう格好似合うしかわいいじゃないか むしろいつもそんな感じでいいんじゃないか」
「へ・・?え・・?ユ、ユウ君の馬鹿!破廉恥!死ね!」バシーンッ
その体勢のままユウの顔にビンタをかまして去っていくユイ、それをわけが分からないといった表情のまま吹っ飛ぶユウと物陰から見つめたまま「あちゃー」と呟くフェイ。
時間にしてほんと数秒だったのだが、殴られたユウにはスローモーションのように時が流れた
「い・・・いったいなんだったんだ・・? 休み過ぎて僕がおかしくなったのか・・・?」バタッ
そのまま気を失うユウ。
その一部始終を唯一何も失うことなく見ていたフェイは
「ありゃりゃ・・・やっぱり難しいものなんだね・・・」
「どうしたんや?フェイ そんなところで」
「あ、カズ いやーなんというかあれ? 恋愛? 恋愛って難しいね」
「は・・・?あ、はあ・・・?」
「だからー恋愛っていうのは難しいねっていうことだけだよ」
「悪いがうちにはあんたが何を言ってるのかわからんのやけど・・・」
「まあーカズは男っぽいからねー 仕方ないね」
「それ次言ったらいくらフェイとでも叩くからな」
「はいはーい、ごめんなさーい」
と逃げるように去っていくフェイと最後までわけわからんといった感じで立ち尽くすカズと倒れたままのユウ
一方自分の部屋でいつもの服に着替えたユイはただ一人で枕を濡らすだけで、二度と露出の高い服を好んで着ることは無くなった。



-数日後-
「やあユイさん、機体の整備手伝うよ」
「え・・・?えええ?ユ、ユウ君はいいよ?! 大変なんだからゆっくり休んでて!」
「え?なんで?何でそんなに突き放すの?」
「いいから!ほら!さっさと行った!!」
格納庫からユウを追い出すユイと疑問が募るユウ
「あんな格好でユウ君に抱きついてからまともに顔も見れないよ・・・」
「あ・・・?あれって夢だったんだよな・・・?ユイさんがあんな服着ること自体が不思議だったもんな・・・
ああ・・・あの夢の中のユイさんにもう一度会いたいなぁ・・・」




No.28

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ@ [URL] 投稿日:2012/03/14(水) 00:11
募集ネタSS「どちらが本物か」&「いろいろがんばるユイちゃん」

【どちらが本物か】

カメダ軍の基地で、二人の女性が話し合っている。
「ねえヴェール? 私たちってどっちが本物でどっちがコピーだと思う?」
ヴェールと呼ばれた女性はその問いに冷静に答える。
「・・・どうしたジョーヌ、いきなり」
「だってさ、カメダ軍に入ってから一緒に仕事してきて、もし一人だったらどっちに手柄が入っていたのか気にならない?」
「いや・・・別に、仕事は仕事だ それ以外に意味など無い」
「まったく、ヴェールは全然喋らないわねぇ・・・」
「当たり前だ、それにそんな答えが無い問いを考える時間のほうが無駄だろう、そんなことより次の仕事の心配をしたほうがどうだ」
「次の依頼ねぇ・・・カメダがずっと狙ってるクロエ・ユウとかいう飛行士だっけ?」
「ああ・・・今まで上の幹部が挑んでも何度も追い返されているらしい、しかし鍵を握る者を奪うために、カメダはすべての戦力をつぎ込むつもりだ・・・しかし、最初の方に借り出される私たちは間違えなく当て馬だ・・・笑えるな」
「だったらさ、そのクロエとかいうのを倒しちゃえばいいじゃん 幹部とか関係なしに、私たちが二人で挑めばきっと戦えるよ」
「だが・・・ジョーヌは今まで戦闘なんてほとんど経験していない・・・それで大丈夫なのか?」
「きっと大丈夫よ、だったら次の戦闘で活躍したほうが本物ってことにしない?」
「またその話か・・・まあこの戦闘が終わったら考えておいてやろう、行くぞ」
そうして二人は戦闘の準備を始めた

そうして彼女達はクロエ達の前に立ちはだかる。
「お前がクロエ・ユウか カメダが言っていた通りのなかなかの腕前のようだが、この私がお前の命他の女共によって狩らせてもらう!」
その目にはただ野望のだけが光っていた。

【戦闘イベント・どちらを先に倒すかによって分岐】

【負けイベント】
「な・・・こんな・・ところで・・・」バタッ
「やった、やったよ、私たちがクロエを倒したんだ!」
「あ・・・ああ・・やったな・・・」
「ところでこれってどっちが活躍したのかな? どっちが本物?」
「そんなことはいいだろう・・・ほら、カメダに報告しに行くぞ」
「チェー まあそんなわけだからクロエさん 鍵を握る者はいただいていくね?」

-GAME OVER-

【ジョーヌを先に戦闘によって撃破】
「きゃああああああああああああああ!」
「ジョーヌ・・・!!」
「う・・・うう・・・わ、私はいいからヴェールは先に逃げて・・・・やっぱりこの人たちは強い・・・」
「く・・・すまん・・・ジョーヌ・・・」
そう呟くとヴェールは戦闘から離脱した
「ま・・・まて・! なぜお前らも鍵を握るもののことを知っている・・・! 答えろ・・・!!
もう見えぬ背中に、ユウは叫び問い続けた。
「待ってろジョーヌ・・・敵はきっと私が取ってやる・・・」

【ヴェールを先に戦闘によって撃破】
「なっ・・・うわあああああああああああああ」
「ヴェール・・?!」
「く・・・しくじったようだ・・・ジョーヌ先に逃げていたくれ・・・」
「わ、わかったけど ヴェールはどうするの?」
「私は幸い戦闘能力が高い・・・一人なら何とかなるさ」
「だ、大丈夫だよね・・・?」
「ああ・・・大丈夫 きっと大丈夫さ」
「わかった、じゃあ先に逃げるからね・・・?」
そういってジョーヌは戦闘から退避する。
「なぜあの一人だけを逃がした、まだ何か作戦とかあるのか?」
ボロボロのジョーヌにクロエが問う。
「ふ・・・そんなもの無いさ、ただ私の維持に掛けても君たちとは最後まで戦う、それだけさ(こう口で強がっても、体はとっくに限界だ・・ジョーヌが逃げる時間を稼げるくらいか)」
そう悟ったヴェールはクロエ達に向けて最後に咆哮を放つ
「行くぞクロエェェェェッェエエエ!! これが私の全力だぁぁぁ!!」

その最後の咆哮が聞こえるかわからない位置までジョーヌは逃げていた。
「はぁ・・・はぁ ヴェール大丈夫かな・・・(けど・・・ヴェールはずっと私を庇って戦ってたようだった・・・)」
そして彼女は呼吸を整え直すとどこまでも続く空に向けて誓った。
(ヴェール・・・敵はきっと私が取るからね・・・)






No.29

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ@ [URL] 投稿日:2012/03/14(水) 00:11
募集ネタSS「殺し屋としてのポリシー」

【殺し屋としてのポリシー】

マダラを使った作戦に失敗したカメダは一人作戦室でぼやいていた。
「まったく・・・肝心なところで役に立たないやつだったでやんす・・・お前は・・・役に立ってくれるでやんすか?」
「はい・・・お任せを・・・」
「とりあえず裏切り者のあいつを始末するでやんす、ヨツバ」
「了解しました・・・」
ヨツバと呼ばれた女性はそう答えると、部屋から出て行った。


「しかし・・・めんどくさいな・・・」
と、一人になったヨツバは呟く。
「そもそも・・・私は陸戦はあまりなぁ・・・飛行船で一気に片付けるか・・?ああ、めんどくさい・・・」
と呟きながら標的が居る場所へと向かっていった。


ユウ達は燃料などの補給のためにとある街で休憩を取っていた。
休憩を取れて喜ぶ仲間をよそに暗い表情のユウ、その原因はすぐ隣にあった。
「あの・・・マダラさんはいつまで居るつもりですか・・・?」
「なんじゃ小僧、ワシが居ちゃ悪いか」
「い・・・いや・・・そうじゃないんですけど・・・今は何も依頼してませんよ・・・?」
「じゃあワシがどこに居ようが勝手じゃろう」
「え・・・ええ・・・まあそうなんですけどねぇ・・・休憩なんですから外でも出歩いてきたら・・・」
「けどのう・・・・?」
言いかけたとたんに、何かを察知したように言葉を止めるマダラ
「マダラさん?」
「そうじゃな小僧 少し用事ができた、散歩でもしてくるとしようかの」
「どうしたんです?いきなり」
「まあちょっとな 野暮用じゃ」
マダラは席から立ち上がり、機体の外へと出て行った。


ファッティホエール号から離れた路地裏にマダラは歩いてやってきていた
「あら、結構早く俺の殺気に気がついたんだね ジジイでも結構やるってこと?」
「いきなり現れて失礼な奴やのう、そんなに歳食ってもないわい」
「まあまあ、けど来てくれたってことは俺が現れた意味も少しは分かってるのかな?」
「まあまあじゃな、わし自体に依頼以外で用のある人間なんて久しぶりじゃわい」
「俺はお前が裏切ったカメダから依頼されてお前を殺しにきた、分かってるんだったらおとなしく死んでくれ」
「おお?カメダからの依頼はしっかり達成したはずじゃがのう?あの男の説明不足じゃないんか?」
「言い訳したって、依頼された内容は覆らない それは同じ仕事をしてるお前も知ってるはずでは?」
「まあそうじゃのう・・・しかし・・・依頼じゃないところで戦うのはワシの生に合わんのう・・・」
「自分の命が狙われてるのに? そんなにポリシーが大切ならここで死ね!!」
ヨツバがマダラに飛び掛る。
「おっと、元気がいい娘じゃ、けどワシも殺されるわけにはいかんからのう、少しは防衛させてもらう」
「そんな軽い口をたたいてられるのも・・・今のうちだ!!」
こうして殺し屋二人の熱いポリシーを掛けた戦いが始まった

数分後、依然勢いが落ちないヨツバとそれを平然と受け流すマダラ、状況は変わっていなかった。
「なぜだ!なぜお前から攻撃してこない!!」
「だからいったじゃろ ワシは依頼以外では戦わぬ」
「ふざけるな!こっちは依頼で来てるんだ!お前も本気で向かって来い!!」
「断る」
「うおおおおおおおおおお!!」
何分も全力で戦い続けた反動か、ヨツバは一瞬後ろに下がり間を取る。
「お前は・・・仕事をしにきた俺を侮辱している・・・!」
「そうか?殺し屋ってもんは、相手がどんな状況でも相手を殺しにかかると思ったんじゃが 相手が戦わない民間人だったらおぬしは手を緩めるのか・・・?」
「そ、それは・・・・」
「依頼されたらそれを達成するために全力で頑張る、おぬしは自分の美学のために仕事をしてないか?」
「五月蝿い・・・!!余裕があるからって調子に乗りやがって!!」
「・・・・・なんじゃ・・?」
ヨツバは一旦その場から去ると、自分が乗っている飛行艇に乗り、空中からマダラを狙う戦法に変えたようだ。
「どーだ、これならお前も余裕がないだろ!! 俺の仕事方法を馬鹿にしたことを公開させてやる」
飛行船の砲台がマダラに向く、しかしマダラは静かに目を閉じその場にただ立つだけだった。
「どうした諦めたのかジジイ!! これで終わりだ!」
「別にワシはどうなろうとかかまわんが・・・ワシのポリシーを馬鹿にされるのだけは気に食わんのう・・・」
そしてマダラは飛行艇に乗っているヨツバの視界から・・・・

消えた。

「え・・・?あ、あのジジイ・・・どこに行った!?」
目標を失った砲撃はただ空を切り、その突如 マダラの声が後ろから響いた
「感謝するぞ、嬢ちゃん 実際どう懲らしめようか考えていたところじゃ 確かに、ワシは仕事以外で人には剣を振るわん、だがな・・・こういった飛行船を鉄屑にするのはワシのポリシーには反さない」
突如、ヨツバが乗っている飛行船から大きな音が響きバランスが崩れた。
「な、あのジジイ何をしやがった・・・!!」
そして、外を見たヨツバは絶句した、船の重要と言える部分・・・翼が・・・両方とも無くなっていた。
「は・・・?なんで・・?翼が・・・?」
原因を理解することもなく、ヨツバの飛行艇は墜落した。



「俺と・・・俺と勝負しろぉぉぉ・・・はっ・・・!?」
しばらく気絶していたのか、ヨツバはいきなり目を覚ます。
「な、何で生きて・・・? お、お前が助けたのか・・・?」
隣にはどや顔で立っているマダラの姿があった。
「まあな、あの場所で放置したら嬢ちゃんが軍隊に捕まっちまう」
「な、なぜだなぜ助けた! 俺はお前の命を狙ってたんだぞ!」
「別に大した理由じゃないが、ワシは仕事以外で命が散るのを見るのが嫌いなんじゃ」
「なんだよそれ・・・ほんとにふざけたやつだ」
「で、どうする? まだ戦闘は続けるのか?」
「・・・もういいや、なんかどうでもよくなった」
「依頼を放棄するのか・・・それはそれで問題なんじゃがのう・・・」
「いいよ、もうポリシーは なあ・・・」
「なんじゃ?」
「俺もさ、あんたみたいに立派な殺し屋になれるかな?」
「いきなりどうした、それはこれからによるんじゃないかのう」
「俺はさ、ちゃんと一度自分のしたいことを考えてから殺し屋の仕事をやろうと思うんだ」
「ああ、そうすればいいんじゃないかのう、大切なことじゃ」
「それでさ、俺をあんたの弟子にしてくれないか?」
「弟子?弟子か・・・悪いがそれはできん、ワシはそういう縛られることは嫌いじゃ 娘ならいつでも募集中じゃがな」
「ははは・・・なんだよそれ・・・娘って・・・いい年して」
「まあ弟子にしてやることはできんが、また会ったら話なら聞いてやろう、それまでに自分の道でも見つけておくことじゃ」
「まったく、分かったよ ジジイも死ぬなよ」
「最後までジジイか・・・そんなに歳は取ってないんじゃがのう・・・」
こうして二人は別れ、マダラはユウの居る場所に戻っていった。



「あ・・・マダラさん戻ってきたんですか・・・」
マダラが船に戻ったとたん、ユウの顔に影がかかる。
「なんじゃ、悪いか」
「別に悪くは無いんですが・・・そういえば街中で飛行機が墜落する事故があったらしいですよ」
「ほう、それは怖いのう・・・」
「なんかその機体は翼が両方とも刀でそれも人間の力で斬られていたとか、そんな恐ろしい争いが起きた街なので少し早めに出ることにしたんです」
「そうか、じゃあまあワシは休ませてもらうとするかの 依頼したいことがあったらいつでも引き受けてやるぞ」
「分かりました、まあじゃあしばらく寝ててもいいですよ」
「相変わらず小僧はひどいことを言うのう、そんなにワシが嫌いか」
そういいつつ、マダラは部屋に戻る。
(あの嬢ちゃん、いい目をしておった・・・またいつか会う機会がくるのかのう・・・」
と思いながら眠りについた。

これはヨツバがユウ達を襲撃する少し前のお話。




No.30

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ@ [URL] 投稿日:2012/03/14(水) 00:11
募集ネタSS「鮮血の狐」

【鮮血の狐】

スターフォックスの隊長であるヒカルは最近ここらを荒らし回っている盗賊団の情報を掴むために一人で敵の母艦に乗り込んでいた。
「ここが盗賊団の母艦・・・聞いてた通り大きいところだ・・・見つからないように奥に進んでいかなきゃだめなようだね・・」
ヒカルはふと呟いて先に進んでいった、同じ頃にその母艦の他の場所に攻めてきていた機体の存在を知らずに。

「しかし、なんだか騒がしいな、あちこち兵士が騒いでるみたいだし・・・」
出会った最小限の敵兵を片付けながらヒカルは先へと進んでいく。
本来ならば敵兵と出会うことなどない進み方なのだが、今回に限っては様子も違う。
突如ヒカルは脇の通路からヒカリの口を押さえ、喉にナイフを突きつけられた。
「ムグッ・・?!」
敵に見つかったか・・・と思いつつ覚悟を決めると、次の瞬間腑抜けた声が聞こえた。
「あれ? 何で君がこんなところにいるのかな」
口を押さえてた手が離れ、喋れるようになったヒカルはそのまま思ったことを問いかけた。
「あなたこそ・・・なんでこんなところに居るんですかフェイさん・・・」
「いやぁ、最近ここら辺で大きな盗賊が活動してるって聞いてさ、どんな規模か確認するのと同時に物資でもありったけ強奪してみようかなーって」
「つまりこの騒ぎはフェイさんのせいだと・・・」
「まあ・・・そうなのかなぁ 私の船で思いっきり穴を開けて進入しちゃったからね、そうみたい」
「はぁ・・・それであなたも隠れながら逃げようとしてたと・・・」
「逃げる? とんでもない、まだ何も手に入れてないもん、そのまま帰るわけないじゃない」
「へ・・? ところでカズさんは?はぐれたんですか?」
「いや、今回は私の趣味みたいなものだからカズは誘ってないんだ 勝手に私の興味に巻き込むわけにもいかないじゃない?」
「趣味・・・ですか・・・ あなたはまだそんなくだらない理由で盗賊行為を繰り返しているんですね・・・」
「くだらない・・・ですって?」
「ああ、そうだよ あなたは今はユウ君達の仲間だ それならそれで大人しく命令を聞いてればいい 一人で動く意味なんて無いはずだ」
「な・・・なんですって・・・」
「そうだ、ユウ君の下に居れることがどれだけ大切かあなたには分かってない、だからこんな子供みたいな作戦で盗賊行為を繰り返す」
「子供に子供みたいって言われたくない! 私だって少しくらい考えて行動してるわよ!!」
「考えて行動して今の状況だ、この団の注目はすべて侵入者に向いてるといってもいい、それがあなたの盗賊としての作戦というなら、僕はあなたを軽蔑するね」
「ええ、そうかもね けどこれが私のやり方 何も知らない子供に口出される筋合いはないわ、黙ってて頂戴」
「分かりました、じゃあ僕はもう行きますから後は勝手にやっててください」
と言って、ヒカルが立ち去ろうとした直後、後ろから声がする。
「おっと動くな・・・お前たちがこの船をこんなに散々にしてくれた犯人か・・・」
銃を構えた黒い盗賊がフェイの頭に銃を当て、周りはすっかり他の盗賊に囲まれていた。
「な・・・いつの間に」
「し、しくじっちゃった・・・」
「お前らも馬鹿だよなぁ、あんなに大声で争って、そんなんじゃ見つけてくださいって言ってるようなものだよなぁ!!」
「く・・・」
「ほら、お前ら二人とも大人しくしておけよ・・・そのうちこの船をこんなにしてくれた責任を取らせてやる・・・」
そのまま二人は手錠で繋がれ牢屋の中に投げ入れられた。


「まったく・・・さっきまで言い争っていた相手とこうして繋がれるなんてね・・・」
牢屋の中に入れられたフェイは落胆した表情で話す、さっきまでの元気は無くなっていた。
「何で僕までこんなことに・・・どうしてくれるんですか・・・」
「知らないよ・・・そんなこと・・・」
「知らないって・・・僕はあなたのせいでこんなことに・・・!」
「黙ってて・・・今聞こえてくる会話から情報を集めてるんだから・・・」
という言葉を最後に部屋は静まり返る。
部屋の外で話してる声が少しだけ聞こえるようになった。
「侵入者は子供と・・・もう一人はなかなかいい女ですぜ、両方ともそのまんま売り飛ばしてもいい値段が付くんじゃ」
「む・・・だが情報を吐かせるためにはどんな手段を使ってもかまわないとボスに言われたんだが、体に傷を付けるといけないのか?」
「そうかもな・・・詳しくは僕に聞かないと分からないが・・・」
「仕方ないな・・・じゃあボスに話を聞いて武器も変えてくる・・・待ってろ」
という会話が聞こえた。
「こ、このままだと大変なことになりそうですが・・・」
「そうね・・・まあ、その前に聞きたいことがあるんだけど・・・」
「なんですか・・・急に・・・」
「ねえ?あなたは何のために戦うの? 私の盗賊行為を馬鹿にしたんだから、それなりの理由はあるのよね?」
「それ根に持ってるんですか・・・? そうですね・・・僕自身の謎を解くため・・でしょうか・・?」
「へぇ?謎って?」
「謎は謎です それは言うことができません」
「何よ・・ケチ」
「じゃあ逆に幼稚な理由じゃないっていうなら、あなたには理由があるんですか?」
「そうね・・・敵討ちと・・・この痣の意味を見つけるためかな・・・」
フェイがヒカルに向けて掲げた腕にはなんの形とも捉えられない不思議な痣が浮かんでいた。
「この痣はね?私が生まれたときからこの腕にあったの で、最後の私のお母さんの記憶にもこの痣があった だから・・・この痣は亡くなったお母さんと何かつながりがあるんじゃないかなって・・・そう思うの・・・」
「・・・・・」
「どうしたの?やっぱりくだらない理由?」
「ごめんなさい・・・」
「へ? どしたの?」
「くだらない理由なんかじゃなかったです、フェイさんはちゃんと目的を持ってました 僕にも両親は居ない、だから少しだけあなたのその謎を解明する手伝いをしてみたいとは思いました」
「なによ・・・いきなり・・・びっくりするじゃない・・・協力してくれるのは構わないけど、まずはここから脱出しないとね・・・」
「ええ、そうですね・・・ でもどうやって?」
「へっへーん そこはおねーさんに任せておきなさい」
フェイが繋がれてる手錠を空いてる手で思いっきり引っ張ると、手錠は簡単に引きちぎられた」
「へ・・・?え・・・?」
「私を捕まえたいならもっといい手錠を使わないとね、ほらいくよヒカル君」
「そ、そんなことができるならそもそも捕まらなかったんじゃないんですか・・・?」
「そこは気にしない約束ですよ」

部屋の外では依然盗賊の部下が話をしている。
「ボスに聞いたら、あの二人はそのまま売り飛ばすそうだ どうせ何の情報も手に入らないだろうってな」
「そうか、まあじゃあ適当にかわいがってやるか・・・」
盗賊がドアに手に掛けて押した瞬間、そのドアが逆方向に吹っ飛び、盗賊を巻き込んで飛んでいく。
「あ、相変わらず豪快ですね・・・」
「まあもう自重する気は無いからね、本気でいくよー」
奪われた荷物を取り戻した二人はそのままその船の中心部へと向かっていた。


「ボ、ボス!! 捕まえていた二人が脱走してそのままこの部屋に向かってきます!」
「何だと・・・!? 他の者どもは何をしているんだ!!」
「それが・・・迎え撃った兵は全て戦闘不能に・・・・」
「たった二人の女子供に何を手こずってやがる・・!もういい、この部屋まで通せ、そのまま俺がしとm・・・・・!?」
ボスが指令を出した瞬間、さっきまで報告した部下の体は逆方向に曲がり吹っ飛んでいた。
「な、何が起こった・・・!? お、おい!!」
「何が起こったかどうか・・・次は自分の身で確かめてみる?」
ボスの後ろに立っていたのは戦闘態勢を取るフェイとヒカル。
「他の部下達は僕たちが殲滅しました、残るのはあなただけです」
「そういうこと、だからさっさと物資を全部こっちによこしなさい」
「ふ・・ふざけるな・・・」
「「今回限りの最強コンビ、鮮血の狐(ブラッディ・フォックス)がお前の全てを奪っていく!!」」
その言葉が終わると同時にボスは剣を振りかぶりフェイたちに向かっていく、だがその剣は振り下ろされること無く、フェイの片方の剣で持っていた腕、もう片方で足が斬り飛ばされ、バランスを崩したところにヒカルの暗器によって意識が奪われる。
「ナ・・・ガッ・・・き・・貴様らぁっぁぁ!!!」
そのままボスは床に崩れ落ちる。
「安心しなさい、他の部下もあなたも命までは奪ってないから」
「それでも腕や足を切り飛ばしたのは問題だと思いますけどね・・・・」
こうして二人の少しの間の戦いは終わった。


そのまま船を奪った二人は近くの港にその船を停泊させ、軍を呼ぶと同時に別れの挨拶を交わしていた。
「フェイさん・・・ほんとにもう戻るんですか? 一緒に軍に説明してくれればあなたの手柄にもなると思うんですが」
「いいのよ、そんなの私の柄じゃないし、私にはこれがあればいいから」
フェイの後方の彼女の機体「ファランクス」にはその機体から奪えるだけ奪った物資が積み込まれていた。
「ま、まあ・・・それこそ見つかったら捕まるかもしれませんしね・・・」
「そういうこと、じゃあ後は任せたよー」
「ええ・・・分かりました」
「あ、まあじゃあ最後にひとつだけ」
フェイはヒカルに近づいて耳元でそっと最後の言葉を述べる、それを聞いた瞬間、ヒカルの顔は真っ赤になり、立ち去るフェイに向かって驚いて何かを説明しようとする。
「なっ!ふぇ、フェイさん!! 何でそれを・・・っていうか僕が女だって・・・・!!」
その問いには答えず、そのまま笑いながら機体に乗り飛んでいくフェイ
(年上のおねーさんは、たとえ恋の相手が被ろうとも大人みたいに応援してあげるのだー、ヒカル君、君は気づいてなくても私から見たら誰よりも恋する少女だったよー)
そして二人の冒険は終わった、たった少しの間だったけど二人の間には新しい絆が生まれていた。



-その騒動から数日後-
新聞のような物で世間を騒がせていた盗賊団が逮捕されたというニュースを見てユウは喜びの表情を浮かべていた。
「ほら、見てくれよ、フェイ ヒカルが盗賊団を捕まえたそうなんだ! あいつも凄いがんばってるなー」
「あーほんとだ、結構大きく乗ってるのねー」
「え?フェイ? お前このニュースのこと知ってるのか?」
「え、あ、いや違うの 前に話を聞いてね、とっても頑張ってる子だって聞いてたから」
「そうなのか・・まあそうだよな、しかしヒカル頑張ってるなー これは僕も頑張らないとなー」
そしてフェイはユウに問いかけた。
「ユウ君はヒカル君のこと、好き?」
「え?あああ、いや、ええっと ヒ、ヒカルはだって男だし 確かに仲間としては好きだけどさ!」
「じゃあ私のことは?」
「え・・・?えええええええええええ?」
顔を真っ赤にして答えるユウに
「ふふふ、冗談よ」
と言って去っていくフェイ

そしてこの一部始終を見ていたユイにフェイは数日間追い回されることになるのだった。






No.32

■捏造祭り:イベントSS 投稿者:ペケ@ 投稿日:2012/03/15(木) 00:15
「駆ける目的」
「ところで軍曹は何で機体だけを追い求めてるんですか?」
二人で機体の情報を整理していたところに、アケチがバーニングブレイド軍曹に尋ねる。
「なぜそんなことを聞く?」
「だって軍曹さんはあんなに良くカスタマイズされた機体を持っていて、操縦テクも持ち合わせてる、それなのになぜ機体を観察するだけで収まっているのかなって」
「そうだな・・・俺はそんなに無駄なことはしたくないんだ・・・探したい人が居るからな」
「探したい人?」
「ああ・・・俺は昔、今のように飛行艇を追いかけては観察していた・・・」
「む、昔からそんなことしてたんですね・・・」
「そうだ・・・飛行船は技術の結晶! それを見ることがこの俺の美学!!」
「なるほど、で・・・探したい人って?」
「そう機体観察を始めてから少しした時だった、まだ未熟だったこともあって俺は攻撃を受けて撃ち落とされてしまったんだ・・・」
「それは・・・良く生きてましたね・・・」
「俺も死んだとは思った・・・だが打ち落とされた先で俺はある機体に出会ったんだ」

-回想-
一面に咲く花でまるで天国のような中に彼女は立っていた。
「あら、ここに来るなんて珍しい人・・・どうしたの・・?その機体、乗るのに失敗でもしたの?」
と彼女は尋ねる。
痛みで声が出ず、目も霞み それでも彼女の後ろに見えた黄金の機体だけはしっかり頭に残っていた。
---


「そんなわけで・・・手がかりはその黄金の機体と、持ち主が女性ってことぐらいしか覚えてないんだが気が付いたら近くの街で治療を受けていた、誰が俺を運んだのかさえ覚えてないそうだ」
「なるほど・・・途方も無い記憶ですね・・・」
「だから俺はさらに技術を上げてその機体を探していたんだが・・・いつの間にか俺のほうも珍しい目で見られるようになってしまっていた」
(そりゃあ・・・あんなに空中を爆走する機体が居たら誰だって注目するとは思いますが・・・)
「けど俺は・・・次にその機体に出会えたら・・・一体何をするつもりなんだろうな・・・俺自身もまだ分からない」
「決めてたわけじゃないんですか?」
「あの機体が何をするための機体かも分からないからな・・・勝負がしたいとかでは無いとは思うんだが・・・」
「まあじゃあ、今のところはいつも通り観察でいいんじゃないんですか」
「そ、そうだな! あの機体も良く見せてもらって・・・さらに俺の機体を凄くするんだ・・・うおお、俄然燃えてきたぜ・・・バァァァァニィィィィング」
(こ、こんな意欲があるなら戦闘訓練もしたら絶対いいパイロットになれると思うんですがね・・・残念です)
こうしてアケチと軍曹の時間は過ぎていった。





No.43

■「ヒカリ君の憂鬱」 投稿者:ペケ 投稿日:2012/03/16(金) 22:48

「私を一流のメイドさんにして欲しいの!!」
「は・・・?」
昼下がり、パラダイスカフェで本を読んでたヒカリにフェイがいきなり叫ぶ。
「だから!メイドさん!! この店にずっと居るなら分かるでしょ! メイドさんよ!!」
「い・・・いや・・・メイドは分かりますけど 何で・・?って意味で聞いたんですけど・・・」
「いや・・・最近は尽くす女がモテるって言うじゃない? そういえば私はユウ君に対して攻めてばっかりだからたまには尽くしてあげようかなって」
「あ・・・ああ・・・はい・・・分かりました・・・」
「何故乗り気じゃない」
「いや・・・何というか、ここにこなくても別に尽くすのはできますよね・・・サポートとかしたり」
「そんな簡単にできることじゃ意味ないって私は学んだのよ! ユウ君の周りにはそういう女の子が溢れてる! だからありきたりじゃだめなのよ!!」
「分かりました・・・じゃあ裏に頼んできます・・・(何でフェイさんは僕に聞いたんだろう・・・僕はボディーガードであってメイドとかは・・・)」


-数分後-
メイド服を着たフェイが出てくる。
「どうよ!」
「ええ・・・いいんじゃないでしょうか・・・」
「何でそんなに反応が薄い」
「だ、だってメイドの良さは見た目じゃなくて接客とかじゃないんですか・・・? ぼ、僕にも分からないですけど」
「な・・・なるほど・・・接客までできて完璧なメイドってことね・・・」
「え、ええ・・・ですからここから先は厨房にでも行って他の人にでも教えてもらってきてください」
「え?見捨てるの?」
「へ・・・・?」
「わ、私とは遊びだったっていうの! ひどい!」
「な!なんてこと言うんですか!! ま、周りの人が見てるじゃないですか」
「来てくれる?」
「わ・・・分かりましたよ・・・(もういやだ・・・)」
「やったー」

こうして二人は厨房へと向かっていった。

「あら?ヒカリ君 かわいい子を連れて何の用事?彼女?」
「ち、違いますよヒトミさん!! フェ、フェイさんが人への尽くし方を勉強に来たのでヒトミさんにも協力してもらいたいんです」
「あらあら・・・この子がねぇ まあ大丈夫だけど、何でいきなり?」
「たまには人のために尽くしてあげたいんです!そのためなら厳しい修行だって我慢します!」
「そうね、メイドへの道は厳しいわよ 今日一日頑張りましょう」
「はい!!」
(と、というかやっぱり僕が来る意味無かったよなぁ・・・)
一人乗り遅れたヒカルはただ部屋の隅で落胆するだけだった。


「いやー大変だ・・・」
数時間後、修行をしていたフェイが休憩のため、席に座って本を読んでいるヒカルの元にやってきた。
「お、お疲れ様です・・・」
「な、なんだか避けてない! 何でこんなに嫌われたのかな」
「い・・いや、大丈夫ですよ・・・大丈夫・・・」
さっきヒトミさんに厨房で彼女って叫ばれたせいでその後大変なことになっていたヒカリでさっきやっと開放されたところであった。
「な、なんだか目が笑ってないよね・・・?」
「いやー大丈夫ですよーアハハハハ」
「さっきと同じこと言ってるよ! 大丈夫なの?」
「え・・・ええ・・自分を見失ってました」
「な・・・なんかごめんなさい・・・これ・・お詫びと言っては何だけどお茶・・・」
「え?僕にですか?」
「う・・・うん 聞いたんだけど、ヒカリ君ってここの警備もやってるんだよね・・・? だから迷惑掛けちゃいけないってさっき怒られちゃった」
珍しくさっきまでの勢いが無いフェイに違和感を感じながらも素直に謝ってくれたことに驚いたヒカリ
「あ・・・別にフェイさんが気に欠けることないですよ・・・僕だって結構暇ですから」
「そう・・?じゃあまた迷惑掛けても許してくれる・・・?」
フェイがそう口にした瞬間、いきなり店のドアが乱暴に蹴破られ、店に強盗が押し入ってきた。
ちょうど入り口がフェイの側に近かったのもあり、ちょうど強盗がフェイの後ろに立つようになってしまう。
「しまっ・・・!フェイさん!!」
ヒカリの言葉空しく、いい終わる瞬間には吹っ飛び、壁に追突して気絶していた。



店に押し入ってきた強盗が・・・・


「へ・・・?」
ヒカリが驚きの声を上げる。
「あーびっくりしたぁ・・・ヒカリ君、大丈夫?」
「え・・ええ・・?何が起こったんです?」
「何って・・・私が倒したんだけど・・・」
「一瞬で・・・?」
「うん・・・も、もしかしてスカートの中見えちゃった? 派手に回し蹴りしちゃったからなぁ・・・」
平然と語り続けるフェイにヒカリは今日思ってたことを心の中で反復する。
(も、もうこの女の子怖い・・・)
「どうしたの?」
この後、吹っ飛んだ強盗の手柄はお礼ということでヒカリの手柄になり(というかフェイがメイドの修行していたということをユウに知られないため)その対応に終われ、ヒカルが手伝えなくなったため、今日の修行は終わりになった。



-ファッティホエール号内部-
「今日一日着てみて分かったけどこのメイド服って結構動きにくいわね・・・そうだ!ここをこうして身軽にしてみれば・・・!」
そうしてフェイはもらったメイド服に自分なりの改造を施して時間は過ぎていった。

数日後、そのメイド服でフェイがユウの前に現れて船の内部がパニックになったのは言うまでも無い。






No.44

■「カメダ軍の日常」 投稿者:ペケ 投稿日:2012/03/16(金) 22:48

カメダ軍本部で幹部と部下が集まり会議をしていた。

「何度も作戦を遂行したのにもかかわらずクロエ周りへのダメージはゼロでやんす! あんたらは優秀な幹部じゃなかったでやんすか!!」
「で、ですが・・・彼らの周りに集まってる仲間もまた協力な人ばかりで・・・」
「ヨミチ! 言い訳はいいでやんす!! とにかく次においらが来るまでに全員であいつらを倒す作戦を考えておくでやんす!!」
そう言って、カメダは部屋を出て行った。

「まったく・・・あの男は・・・」
カメダが出て行った後、ため息を付きながら席に着くヨミチ。
「オーウ、ヨミチちゃーん あんまし気にするなYO!」
と、後から来て席に着いていたバードが話しかける。
「相変わらず・・・あんたは五月蝿いわね・・・」
「オオオ・・・同じような戦術で他のところにもぐりこんでるっていうのに冷たいYO・・・」
「しかし確かにあのリーダーの無能さには確かに勘に触るものがあるよなぁ・・・俺が燃やしてやりたいくらいだぜ・・・」
「それは仕方ないでしょう・・・実際、幹部達の中で彼を上司としてみている人など居ないでしょうから」
残る幹部や団員も不満の声を漏らしていく。
「僕は別に楽しければどうでもいいんだ! けどあのオジサンは自分勝手だから嫌い」
「お、おいニノ・・・あまりそういったことは・・・」
ニノを止めようとするヴェールをヨミチが静止する。
「あーらヴェールちゃん? 別にこういうときぐらいは思ってることを言っていいのよ?」
「で、ですが・・・」
「まじめな子だYO」
「けど実際トップとしてのあの態度は悪いところがあると思います」
ヴェールが弄られる最中、ジョーヌが話し出す。
「けどなぁ・・・それを承知でお互いに利用関係で居るようなものだからなぁ・・・この軍は」
「だったら、俺たちがカメダを倒してやってもいいぜ」
暗闇から現れたのは赤炎と青炎。
「私達にとってカメダ軍はただの復習のために身を置いてる場所、消してしまってもここの誰かがトップに着くなら問題ない」
「しかしそれもYO・・・ややこしいことになりそうだぜー」
「そうですねぇ・・・私も頭を使う研究は好きですが、今はトップに立つつもりは無いですねぇ・・・」
口では文句を言いつつも、誰もトップになるのには乗り気ではないらしい。
「はいはい!だったら俺がトップになるー リーダーになるぜー」
「ニノは黙ってなさい」
「えーなんだよー子供だからって馬鹿にしやがってー 殺してる人数だったら俺も負けてないぜー」
騒ぐニノを止めるパパヤガン、実力は認めていてもやはりいいことと悪いことの区別はつけているようだ。
「だったらYO・・・やっぱりあれの下で働いて無いといけないってことかYO!」
「まあそうなるんでしょうね、別に気にしなければ害はないし」
「燃やしてぇな・・・あいつ」
(私は時々幹部の思考が怖いことがある・・・誰もカメダなど尊敬してないのに・・・他は全員同じような意思で行動している・・・)
「どうしたのヴェール?」
「いや・・ジョーヌなんでもないさ、私たちは自分の任務に戻ろう」
こうして二人は退室し、任務へ向かっていく。

「じゃあ結局さ、俺たちがクロエを倒せばいいんだよな そうすれば、復讐もできるしカメダの目的もついでに達成できる」
「そうね赤炎・・・復讐は私たちで果たすべきだわ」
いい、現れた時のように消える二人。

「じゃあ俺も破壊工作しに行くか、ニノ、バード来るか?」
「わーい 俺も付いていくよー 今日も派手に燃やし尽くそう!」
「おー今日の俺は絶好調DAYO! 破壊し尽くすYO!!」
ファイアバグに肩車してもらって喜ぶニノと付いていくスカイン、ほほえましい光景ではあるが話してる内容は物騒である。

「パパヤガンさんはどうするんです?」
「利用しているとはいえさすがに上司ですからね・・・彼が喜びそうな作戦は考えておきますよ・・・それくらいはしておかないと彼にへそを曲げられても困りますからね」
「大変ねぇ・・・あんたも  じゃあ私は一足先に戻ってるから、まだまだやらなきゃいけないこともあるしね ばいばーい」
立ち去るヨミチと残るパパヤガン。
「しかし・・・彼の腕でよくここまで好戦的な人物を纏めているものだ・・・利用し、利用されですか  私も人のことは言えませんがね」


ここはカメダ軍基地
それぞれの野望と魂胆が複雑に渦巻く場所。






No.45

■「大切な仲間」 投稿者:ペケ 投稿日:2012/03/16(金) 22:48

頭の中で言葉が響く。
「あの子、どこから来たかも分からないし、ずっとここに居るんだぜー」
「見たか?あの背中 奴隷の紋章がでっかく刻まれてやがる この市場主にも気に入られてないんだぜ?きっと・・・」
「お前は失敗作だ・・・中途半端に能力を持つ人形など・・・必要ない」
ダレ・・? コノコエハナンナノ・・・?

そして浮かんでくる光景・・・誰かが泣きながら私を見つめている・・・
「・・・な・・・ないで!! ・・・なないでよ・・・さん!!」
この顔はどこかで見たことある顔だ・・・見覚えのある・・・

そうだ・・この顔はユイちゃんの顔だ・・・
何でそんなに涙を流してるの・・・?その泣いた顔で誰を抱えてるの・・・?



「・・はっ・・・?!! ゆ・・・夢・・・?」
夜中、寝ていたテイルは頻繁に見る悪夢によって目を覚ました。
「忘れたいのに・・・忘れられないものね・・・」
何個か知らない出来事もあった、これはきっといつも通り未来の出来事・・・
「しかしほんとに嫌な夢・・・何だったのかしら・・・あれは」
寝るにも寝れない気分になったテイルはいつも通り白衣を着て、深夜のホエール号へ歩き出した。

「静かね・・・普段人が居る場所とは思えない・・・」
少しの本とお茶を持ち、眠気が来るまですごしてようと思い、中枢の辺りまで来ていた。
時間が時間だからかほとんど誰も見当たらない。
「そういえば・・昔はこんな感じだったわね・・・」
科学者になってから、ずっと一人で暗い中本を読み、知識を蓄えていた時期を思い出した。
「まさかこんなことになるなんてね・・・」
自分の立場のためとはいえ、仲間みたいなものにはいって一緒に行動するとは思いもしなかった。
「さてと・・・そろそろ休むとしますかね・・・ん・・?」
しばらく本を読み、休憩しようとした時、テイルは物音がすることに気が付いた。
「誰・・?こんな時間に起きてる人が他に・・・?」
ホエール号を動かしているクルー以外はこの時間基本就寝に着いてると思っていたのだが、格納庫から聞こえてくる音が気になり、彼女は下に降りていった。

暗い廊下に明らかに格納庫から伸びる光、テイルはそれが気になり、格納庫の中へと入っていった。
「あれ?テイルさん こんな時間にどうしたんですか?」
格納庫の中に居たのは機械の整備をしているユイだった。
「あ・・・あなたこそ・・・こんな時間に何をしているのよ・・・」
「え・・? いやーちょっと整備でやり残したこと考え始めたら眠れなくなっちゃって、それで少し整備を・・・」
「それでもねぇ・・・時間っていうものを考えなさい・・・普通なら寝る時間よ?」
「テイルさんだって起きてるじゃないですかー」
「私はさっき起きた時だし・・・そもそも私は寝なくても大丈夫なのよ」
「へ・・?どうしてですか・・・?」
「原因は分からないけど、昔から寝なくても体力は維持できるの・・・記憶能力といえ本当に不思議な体ね・・・」
「べ、便利ですね・・・」
「便利・・?他の人から見たらそういうのって異常じゃないのかしら」
「そうでもないですよ!そんな風に生きれたらずっと機械の調整ができるじゃないですか!」
「な・・・なんというかあなたは珍しい思考の持ち主なのね」
「そうですか? 私は羨ましいですけどね」
「捕らえ方によってはそんなにも変わるものなのね・・・私が居た奴隷市場では・・・周りと違うってだけで差別が発生した、一番下の奴隷という階級の中でさらに、差別があったのよ・・・」
「そんな・・・」
「まああなたたちに加わった今となってはそんなに気にしてないけどね、機体の整備手伝ってあげましょうか?」
「ほんとですか!助かります」
「ええ、こういうのは少しでも早く終わったほうがいいでしょう?」

こうして二人は機体整備をした。

-数十分後-
「やっと終わったわね」
「ありがとうございます!テイルさんが手伝ってくれたおかげです」
「そう?まあ役に立ったならよかったわ」
二人で話しているうちに、テイルはユイに前に聞かれていた事を再び問い直す」
「前に私の奴隷の紋章がどこにあるか気になるって言ったわよね それって、今でも気になる?」
「え・・・?そ、それは気になりますけど テイルさんが見せたくないんじゃ・・・」
「いいわよ、別に減るものでも無いし、隠し事はしたくないの・・・その代わり、目は離さないでね」
そう言って彼女は白衣を脱ぎ、服をめくり背中をユイの前に曝け出す。
彼女の背中には背中を覆い尽くすほどの刻印が消えることなくしっかりと刻まれていた。
「こ・・・これって・・ひどい・・・・」
「でしょ?特に・・・どこから来たのかさえ分からなくて人間離れしてた私は嫌われていた、まあそれがあったから、今の私があるのかもしれないけど」
「友人とかは居なかったんですか・・・?」
「居なかったわね・・・居たとしてもすぐに離れていった・・・私はずっと一人なの・・・昔もこれからも・・・」
「そんなことないです!!」
「へ?」
「テイルさんには私が居ます! それにユウ君とかだって・・・! もうテイルさんは一人じゃないんですよ!!」
「そ・・・そう・・・ありがとう・・・」
「テ・・・テイルさん? 泣いてるんです・・・?」
「い・・・いえ・・・大丈夫よ・・・少し驚いただけだから・・・」
「な、なら良かったです! ならもう作業終わったので寝ちゃいましょう! きっと明日も早いので!」
「早いって言ってももう朝になりそうだけどね・・・むしろ寝ないほうがいいんじゃない?」
「ああっ!ほんとだ・・・ そ、そこらへんは部屋に戻ってから考えます!では」
そう言ってユイは部屋に戻っていく、一人残されたテイルは
(ありがとう・・・ユイさん・・・あの予知夢で見た涙が何なのかは分からないけど・・・あなたは私が守ってあげる・・・)
と一人、自分を仲間だと認めてくれたユイのことを思っていた。






No.52

■「欠落と決断」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/18(日) 02:56

ファントゥームにいよいよ乗り込むまで数日となったある日、ジパングにあるシアンの武器屋、ユウ達はそこで一日の休息を取っていた。
「すみませんシアンさん、無理言ってしまって どうしても船の中を整備しなくてはいけなくて・・・」
「いやいやこれくらいなら大丈夫さ、フェイやカズも君たちのところには世話になっているしね」
「ありがとうございます、じゃあ僕はこれで」
そうしてユウは部屋を出て行く、するとシアンは
「どういうつもりだ、カズ」
「どういうつもりって 別に困ってたんやから助けるのは普通やろ?」
「そういうことじゃないさ、別に責めるつもりではないが、結構仲良くやってるじゃないか、私もうれしいさ」
「そうか?うちは普通に利用したりされたりな関係な気がするけどな」
「いやいや今のフェイを見てれば分かるさ、君たちが出て行ったときとは大違いさ」
「そうか・・・まあ・・・確かにフェイは変わったな 今は確かに楽しそうや」
「だろう? だからそこで相談だが・・・」


そのころユウは与えられた部屋に戻ろうとして、ふとシアンに聞き忘れたことを思い出す。
「あ・・・しまった・・・シアンさんに武器の調達を頼みたかったんだ・・・」
と引き返そうとしたとき部屋から出てきたフェイに出くわす。
「あ、ユウ君 どうしたの?」
相変わらず薄い格好で出てきたフェイにユウは
「フェイさん・・・休息中はいつもその格好なんですね・・・」
「え?ああ・・・まあ・・・動きやすいからかなぁ・・・」
恥じることもなく答えるフェイにユウは。
(動きやすいのはなんとなく分かるんだけど・・・いいのかなぁ・・・これで)
「で?どうしたの?ユウ君」
「いや・・・シアンさんに聞きたいことがあってさ・・・」
「じゃあ一緒に行く?私も少し話したいことあったしさ」
「そうだね、そうしようか」
そうして元の部屋に引き返していった。

シアンの部屋の手前まで来たとき、部屋の中から話し声が聞こえる。
「シアンとカズかな 二人も話したいことがあるのかな」
と、部屋に入っていこうとしたフェイの口を塞ぎ、扉の横で立ち止まる
「フェイさん!ちょっと待って・・・」
「?!!」
部屋の中からただならぬ剣幕を感じ、二人は入るのを止めた。


-数分前-
「だろう? だからそこで相談だが・・・カズ 君は私の軍に戻ってこないか?」
「は・・・? 何を言ってるんや うちは昔、あの任務から軍への忠誠心不足って外されたはずやろ いまさら戻っても変に思われるだけや」
「まあそうだが、考えてもみろ 私の軍だ 君の実力は今も申し分ないと思ってる むしろあの一件で人を殺すこと抵抗を覚えなくなったのは幸いだ 君に文句を言うやつなど、私が処罰してやるさ」
「だが・・うちにはフェイが・・・」
「そのフェイにもう出助けが必要なくなったから提案したのだろう」
「な・・・・」
「君ももう気が付いているだろう、フェイは十分一人でやっていけるさ 子供なのはむしろ君のほうなんじゃないか?」
「っ・・・・」
その会話を聞いてたユウは
(な・・・なんの会話だ・・・?)
「わ・・・私のことなのかな・・・」
横で不安そうにしているフェイに「大丈夫だよ」と声を掛けまた話に耳を傾けるユウ。
「まあ君の決めた人生だ、私が強制できる事でもないし、今すぐってことでもない ゆっくり考えてくれ」
「・・・うちが・・・」
「どうした?」
「うちが今戦ってるのは・・・過去に自分がしてしまった過ちへの償いでもある・・・」
「ああ、今従っている男の父親を殺したとかそんなんだったっけか、君もつまらないことで責任を負うんだなぁ」
「つまらないこと・・ってなんや・・」
「そんなに気に負う必要もないってことだ、君はフェイとその知らない男を天秤に掛けてフェイを選んだ、それだけじゃないか・・・!」
「けど・・・そのせいでユウはその仇を取る為に今でも空賊でその見えない仇の影を追ってる・・・」
「ああ・・・そうだったな だったら、いっそ君がその仇だと言って戦闘でもしてみたらどうだ、十中八九君が勝つだろう」
「そうかもな・・・だが、そうなったらフェイはどうする・・・? 結局はまたフェイの居場所が無くなるだけやないか・・・」
「だからそれを見越して君に軍を戻ってこないかって言ってるんだ、こうするしか方法はあるまい?」
「確かにそうかもしれんな・・・」

その会話を聞きながらユウの隣に居たフェイは
「わ・・・私って・・・二人にとってずっと邪魔者だったのかな・・・」
涙目になりながら二人の話に耳を傾ける、 それを励ましながらもユウはある種のショックを受けていた。
(ど・・・どういうことだ・・・?カズさんが・・・僕の父を裏切った本人・・・?)
急に受け入れられない膨大な情報と仲間だった人物が抱えていた心の闇を知り、驚きを隠せずに居た。

「確かに、シアンがいつも言うことは的を得ている うちも実際・・・フェイにはもううちなんて必要ないとは思っていた」
「だろう? だからこの戦闘が終わったら君には軍に戻ってきて欲しい」
「分かった・・・考えておく・・・ けどフェイにはこの話はするな いずれうちからこの話はするわ」
「ああ、期待しているよ 君には  かつて君は軍は裏切ったがそのおかげで飛行船やらの技術力はものすごく上がった、そういう意味では感謝はしている」
「確かにな・・・あの裏切りからある種うちの生き方は決まった・・・裏切りで始まって・・・裏切りで終わるんかな・・・」
「別に裏切りなどじゃないさ、むしろ君のあの行動がなかったらフェイのあの成長はなかった、そういうところでは君は十分彼女の役に立ったさ」


会話が終わるよりも前にフェイは店の外に駆け出していた、そしてそれを追いかけるユウ 二人の話の内容は気になったが、それよりも厳しい事実を伝えられた彼女の心のほうが心配だった
ふと・・・海のまでたどりつくと、彼女は振り向きユウに語る。
「結局さ・・・カズやシアンはずっと私のこと子供扱いしてたんだよね・・・なんとなく分かってたよ・・・カズとはずっと何も隠し事せずに親友だと思ったのに・・・カズはあんなに重いものを抱えてたんだね」
「フェイさん・・・」
「それにさ、私と盗賊をするために、カズはユウ君のお父さんを裏切ってたんだよ? 私のせいだ・・・」
「そ・・・それはフェイさんのせいじゃないから・・・」
一番話題にしたくない話をされ、対応に困るユウ。
「ごめん・・・言葉が・・・言葉が出てこないんだ・・・今だけ・・・泣かせて・・・」
泣き続けるフェイをユウはやさしく抱きしめる」
(フェイさん・・・ずっと親友だと思ってた人にあんな隠し事をされてたんだ・・・傷つくよな・・・)
腕の中で泣き続けるフェイをユウはしばらく支えていた。



「も、もう大丈夫だから・・・」
しばらくしたら、フェイはユウの腕の中から離れていった、泣いていたからか顔も赤い。
「大丈夫・・・?」
「う・・・うん、私なりに結論は出したから・・・」
「結論・・?」
「そう・・・そのうち分かるよ・・・カ、カズとはいつも通り接せると思うから・・・」
「フェイさん・・・」
覚悟を決めたような表情で、フェイは去っていく・・・その背中を見送ることしかできないユウは一人取り残され、そして呟いた
「父さん・・・僕はどうしたらいいのかな・・・仇ってどうすればいいんだろ・・・もう分からないよ・・・」


仲がよかった二人の亀裂やら、見つけた父の仇やらでとても眠れる気分ではなかった






No.53

■「カズ問答」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/18(日) 02:56

ファッティホエール号の内部、ユウとユイは整備のために船の内部を回っていた。
ここ数日の連戦が響いたのか、あちこちにガタが来ていた。
「しかし結構傷ついてるなぁ・・・ファントゥームにも近いのにこんなんじゃいざというときに大変なことになっちゃうからな・・・」
「そうだねーやっぱり結構無理なことしてるから・・・」
各箇所を点検しながら二人は各所を回っていく、しばらくしたときある人物を見つけユウに声を掛ける。
「あ、フェイちゃんとカズさんだ・・・」
「あ、ほんとだ きっと任務かなんかから戻ってきたところじゃないか?」
フェイの話を聞くカズ そのまま二人は歩いていく、するとユイは
「あの二人、いつも一緒に居るね ふふ、まるで親子みたい」
「確かになぁ・・・カズさんはフェイさんに対して多少過保護なところもあるよなぁ・・・」
「そうだね・・・だけどカズさん、ずっと笑ってない なんかフェイちゃんに無理やり合わせてるみたいな・・・」
「確かに・・・俺もカズさんが笑ったとこを見たことないかも・・・」
「なんというか・・・自分を責めてる人の表情だよ・・・あれ・・・ 仲間になってからもずっとあの表情から変わってない」
「自分を責めてるねぇ・・・ フェイさんはあんなに可愛く笑うようになってるのに・・・なんでだろう・・・」
「・・・」
フェイが可愛いという言葉が出た直後、ユイは突如不機嫌になった。
「ん?どうした?」
「なんでもないよ、ユウ君」
「ユ、ユイさん・・・?」
「ほらさっさと整備に戻るよ、ユウ君」
「め・・・目が笑ってないよ・・・」
こうして二人は船の整備に戻っていった。


その日の夜、カズはホエール号の甲板に出てきていた
「この寒さ・・・軍隊に居たころに似てるなぁ・・・」
そう呟いてからふと後ろを見ると彼女はいきなり槍を振りかざした。
「?!・・・なんだあんたか・・・」
「カ・・・カズさん・・・とりあえず武器を下ろしてくれないかな・・・」
気になって付いてきたユウの姿があった。
「なんや・・うちになんか用事か?」
「い、いや一人で上に上がっていくから気になって・・・邪魔になったならごめん・・・」
「別に・・・昼間はずっとフェイと一緒に居るからな、たまには一人で星でも眺めようかななんてな」
「そ、そうなんだ・・・ねえ、一つ聞いてもいいかな?」
「なんや?」
「いや、何でカズさんとフェイさんは盗賊をしてたのかなーって」
「ああ・・・それか、確かにいつかは話しておかんといけんとは思ってたんやけどなぁ」
「話したくないなら別にいいんですけど・・・」
「いや、別にええよ あんたはうちらが幼馴染ってことは知ってるか?」
「ええ・・・前にフェイさんから聞いたので」
「昔、フェイがほんと小さいころに、母親がカメダ軍に攫われて殺された、遺体は今でも見つかってないが、葬式の時にずっと泣いてたフェイの顔がずっと頭から離れなくてな」
それを話す彼女の目はいつもと変わりはしなかったけど、そのときだけ遠い昔を懐かしむような目をしていた。
「父親を昔に失ってたフェイはそれからずっと一人でな 幸い世話は知り合いの武器や屋にも同じくらいの子が居てな、そこにしてもらってたんやけど・・・」
「あれ?けどフェイさんとカズさんって同い年ですよね? そのころカズさんは?」
「うちは昔からずっと軍隊に居た、親なんてとっくに居なかったしな、だからうちはフェイの近くに居てやることはできなかった」
彼女の語り方は過ぎた過去を悔やむように、淡々と語られていった。
次の語りだしは彼女自身が言い出すのを躊躇ったように見えたが、彼女は話を続けた。
「数年後、うちはある選択を迫られた・・・軍を抜けフェイに誘われてた空賊をするか、それともそのまま軍人として生きるのか」
「・・・それでフェイさんを選んだと?」
「ああ、だがその選択はあまりにも重かった うちは周りからもちろん軍人として期待されてたキャリアを捨てたことになったし、なによりフェイを賊にしてしまうことで、仲間を・・・これ以上仲間を作れない状況にしてしまったんや・・・」
「それに対してフェイさんはどうだったんです?」
「フェイは・・・確かに幸せそうやった・・・けど心のどこかでもっと仲間が欲しいと思ってたんやろうな・・・そういう意味ではうちはあんたに感謝してる 仲間を欲しがってたフェイの仲間になってくれて」
「俺だけじゃないよ、この船の皆がフェイさんやカズさんの仲間だよ」
その言葉を聞いた瞬間、一瞬だが彼女の表情が喜びにも悲しみにも受け取れる雰囲気になった。
「ありがとな、そう言ってくれるとうちも安心やわ、これで重い昔話はおしまい! うちもさっさと船に戻って準備でもしてるわ。
「え、ああ・・・はい これからもよろしくお願いします!」
こうしてカズは船の中に戻っていった
「カズさんがしなければならなかった選択かぁ・・・なんだったんだろ」
その選択がフェイだけではなく、今のユウの生き方を選ぶことにもなっていたということが分かるのはまだ先の話。


-船の中-
「あ、カズ どこに行ってたの? 聞きたいことがあったのに」
「いや、ただの散歩や なんや?聞きたいことって」
「ユ・・・ユウ君が好きな物って分かる?」
「は?」
「だからユウ君が好きなもの! いつも大変そうだから差し入れてあげようと思って!」
「知らん知らん 自分で考えろやー」
「もーそういうことだといつも無視するーたまには答えてよー!」
「知らんものは知らんっていってるやろ!」
こうしてにぎやかな中に悪く言えばフェイの保護者に戻ったカズはいつも通り日常の中へ戻っていった。






No.60

■「追いかけてた背中」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/19(月) 22:01

決戦数日前、ユウはマダラにある一つの疑問を聞いた
「マダラさんは・・・ファントゥームまで付いてくるんですか・・?」
するとマダラは少し考え込むように
「そういえば・・・そんなことも言ってたのう・・・」
「ええ、けどマダラさんは傭兵です 無理して僕たちに付いてくる必要も無い」
「ああそうじゃな 確かにそこらへんはワシの自由じゃ」
「だからどうするかって聞いてるんですよ、マダラさんは僕たちに付いてきてくれるんですか・・・?」
「駄目じゃなぁ小僧 その言い方 心の奥底でまだどこか不安があるような言い方じゃ・・・」
「なっ・・・」
「ワシは決戦には付いていかんよ、これはお前たちの戦いじゃ、部外者のワシが立ち入れる話でもないわ」
「そうですか・・・」
「じゃが小僧 その前に教えておきたいことがある、付いて来い」
「へ・・・?」
そういうとマダラは船の外へと出て行った。


「どうしたんですかマダラさん・・・! もう皆船で休んでますよ・・・」
その言葉を遮りマダラは話を続ける。
「初めて会った時を思い出すのう小僧 あの時も依頼で来たワシと小僧の二人じゃった 結果はワシの圧勝じゃったがな」
「まったく、そんなことを今さらですか・・・?」
「そこでじゃ・・・小僧」
マダラはユウの足元に一本の剣を投げると。
「ワシと戦え、小僧」
「マ・・・マダラさん・・・?」
「今のお前さんは強い ワシと最初に会ったときより確実にのう」
「だからって・・・」
「はっはっは おじついたか? つまりおぬしはワシと最初に出会ったときから何も変わってないということじゃな?」
「な・・・なんだと・・・! そこまで言うならやってやるさ・・・」
そうしてユウは剣を手に取る、最初に出会ったときを振り返るように彼らの最後の戦いが始まった。


【ユウ一人でマダラとの戦闘イベント勝つか負けるかによってイベント分岐】


【負けの場合】

「うわああああああああああっ」
「甘いのう・・・甘いのう小僧・・・やっぱり何も成長しとらんかったのう・・・」
「くそ・・・」
「まだまだじゃな小僧、少しは成長してるようじゃが、ワシには届かなかったか」
「クソ・・・・クソ・・・」
「まあ・・・話ならお前たちが戻ってきたからいくらでも聞いてやる だからせいぜいがんばるんじゃな・・・」
そうしてマダラは背を向け立ち去っていく
「くそ・・・・くそっ・・・!!」
その背中をユウはずっと見つめていた。



【マダラビターアルバム:半人前】

決戦が終わった後も、ちょいちょいマダラさんは顔を見せては僕に稽古を付けていってくれる。
「ほらほら小僧、まだ素振りが終わってないぞ」
「マ、マダラさん・・・僕にはユウってちゃんとした名前が・・・」
「それがどうしたんじゃ そんなこというくらいならワシを倒してからにせんかい」
「は・・・はいぃ・・・」
こ、これでいいのかなぁ・・・。




【勝ちの場合】

「ど・・・・どうだ・・・!!」
「なるほど・・・」
と、呟くとマダラは剣を納める。
「おぬしの勝ちじゃ、小僧 ずいぶん立派になったのう・・・」
「へ・・・?」
「だから、おぬしの勝ちじゃ まさかどっちかが死ぬまで斬り合うつもりだったんか?」
「い・・・いや・・・そうじゃないですけど・・・」
「こうなった以上、もう小僧とは呼べんの・・・ほんとに立派になったもんじゃユウ・・・」
「マダラさん・・・」
「おぬしはもう十分成長した・・・ワシは必要ないな」
「へ・・・?」
「だから、もうワシは必要ないじゃろ 今まで通り気ままな仕事人にでも戻るとするかの、娘候補でも探しながらな」
「け・・・けど・・・」
「自信を持てユウ! おぬしだったら、抱えてる目標をしっかり達成できるじゃろう」
「マダラさん・・・」
「じゃあな、ユウ 次に会うのは・・・お前さん達がしっかり目標を達成して無事にこっちに戻ってきてからか?」
「そう・・・なるかもですね・・・」
「何、そんな悲しそうな顔をするな 死ぬわけじゃない 会おうと思ったらまた会えるさ」
「そうです・・・ね! 僕も頑張ります・・・!!」
「その息じゃ、さらに立派な操縦士になってるのを期待してるぞ」
こうしてマダラさんは去って行った。
最後まで捕らえどころの無い人だったけど、居なくなったらなったで寂しかったのかな。


【マダラハッピーアルバム:一人前】

決戦後、僕たちはいつも通り船に戻ってきた。
そこにはいつも居てくれた影は無い。
「マダラさん・・・僕・・・目標達成出来たんですよ・・・言ってもらったとおり・・・しっかりやりとげました・・・」
初めて会ったときからずっと嵐のように騒がしくて、去るときも本当に静かに消えたあの仕事人。
「居るのが普通だと思ってたから・・・居ないと意外と寂しいものだな・・・」
言った事は全て闇に掻き消されたと思ったのに、
「よっ?ユウ 元気でやっとったか・・・?」
後ろには予想も出来なかった影が
「な・・・なんで・・・?娘探しに出たはずじゃ・・・?」
「いやぁ・・それなんじゃがな・・・ わざわざ綺麗な子が沢山居るこの船を離れなくてもいいんじゃないかってなってな、戻ってきたんじゃ」
「そんな・・・紛らわしいことしないでくださいよ・・・」
「で、どうしたユウ ワシが居ない間もしっかり自分を磨いておったか?
「まあ・・・そうですね・・・」
そして僕は自信ありげに答える。
「もう今度こそ、完全にマダラさんにも勝って見せます」





No.70

■「熱意の先に」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/20(火) 23:55

【ランダムイベント・アケチの場合】

「あれ・・・?私は・・・死んだはずじゃ・・・?」
アケチはわけの分からない状況に目を丸くする。
機体の速度が速いから、という理由で軍曹と一緒に街に物資を買いに出かけた帰り空で空賊に狙われ、成すすべも無く撃ち落とされたと思ったのだが今居る場所は花畑。
まるで天国だと勘違いにしそうな場所にアケチを見下ろすように一人の女性が立っていた。
「あら・・・今度は二人なのね・・・大丈夫?」
「え・・?ええ・・・はい」
その女性はアケチに話しかける、しかしアケチの目に入っていたのは彼女の後ろにそびえる、太陽が降りてきたかのような機体だった。
「あら・・・?この機体が気になるの・・・?」
「は・・・はい 美しい機体だなと・・・」
一機の本体の回りに装着された黄金の4本の主砲、それはまるで人工衛星のようで。
「この機体は・・・ここに落ちてきた航空士の所持金を・・・あっこれは言っちゃだめだった・・ゴホン とにかく、これが私の機体『ゴールデンサンフラワー』よ」
「ゴールデン・・・サンフラワー」
「ええ・・・聞きたいことはそれだけ・・? 私は・・・早く貴方達を元の場所に返したいのだけど・・・」
「え・・?あ、死んだんじゃないんですね・・・ まだ見ぬところにこんな美しい楽園があったとは・・・」
「ここは・・・地図に無い島だから・・・ 少しづつ・・・私が調整したの」
「へえ・・・素敵だと思いますよ・・・ところで・・・あなたの名前は・・・?」
「え?私・・・えーっと・・・私の名前はジュ・・・」
彼女が名前を言いかけた直後、隣で叫び声がする。
「バァァァァァニィィィィングッ!! あなたは・・・!あなたは前に俺のことを助けてくれたメイドさん・・・!まさかまたお会いできるとは!運命・・・運命ですかね!!」
いきなり起き上がり彼女に詰め寄る軍曹、その様子には引いているようだった。
「え・・・え・・・ええ・・ど、どこかでお会いしたことありましたっけ・・・?」
「はいぃ!!前に墜落した時にあなたに助けられてからぁ!俺はあなたのファンになったのであります・・・!!」
「あ・・・ありがとう・・・」
そのまままだ軍曹は話続けようとしたが、流石に頭に来たのか彼女は彼の腹にパンチを叩き込むと、アケチのほうを向き
「はぁ・・・はぁ・・・あ、あなたと一緒にこの男も送り返すから・・・なるべくここのことは忘れて頂戴・・・」
「わ・・・分かりました・・・」
と、答えると再びアケチの意識は途絶えた。


「・・・ケチさん・・・アケチさん!!」
呼ぶ声に気がつきアケチは目を開ける。
「よかったーいきなり格納庫に軍曹さんと一緒に倒れてるからびっくりしたんですよ・・・?」
「え・・? 私が・・・?」
「はい、軍曹さんと二人で ブレードフェニックス号もちゃんとありますよ? 戻ってきたんじゃないんですか・・・?」
「いや・・・私は・・・」
ユイに言われてブレードフェニックス号を確認すると、撃ち落とされたときの損傷は無くなっていた
「あれ・・・?」
「どうしたんですか?もう いきなり倒れてるわ、軍曹さんは起き上がると同時に叫んでどこかに行っちゃうわ お金は予定よりも減ってるしで・・・二人でメイドカフェとかでも行って遊んで来たんですか・・・?」
「い、いや・・・そんなことはしてません・・!! メイドには会いましたけど・・・!」
「へぇ・・・メイドさんにねぇ・・・私アケチさんがそんな人だとは思わなかったなぁ・・・物資買ったらすぐに戻ってきてって言ったのにねぇ・・・」
と言うとユイは踵を返し去ろうとする。
「違います!!違うんですって・・・私たちは!!」
とあった出来事を言おうとすると、
(ここのことは忘れて頂戴・・・)
ふと最後の彼女の言葉が思い浮かんだ。
「あのことは・・・秘密にしておいたほうがいいんですかねぇ・・・」
とアケチは弁解することを諦めた。

立ち去った軍曹は一人廊下で、
「またあの人に出会えたが・・・また名前を聞けなかった・・・! 次こそは・・・!次こそはあの人の元にぃぃぃ!!」
と無駄に熱を上げていた。


【ユウが空中戦で敗北時・ランダムイベント】

「あれ・・・?ここは・・・?」
空中で船がやられ、確かに落ちたはずだったが・・今居るのは花畑、まるで天国のようだった。
「あら・・・もう起きたの・・・?」
「え・・・あ・・・」
目の前に立つのはメイドの姿をした女性。
「あなたが助けてくれたんですか・・・?」
「ええ・・・いきなり落ちてきたからね・・・私が育ててる花畑にいきなり・・・」
(あ、あれ・・・?怒ってらっしゃる・・・?)
「黙ってないで何か言ったら?」
「えっと・・・あのごめんなさい・・・」
唐突に話を振られたからか、ユウは対応に戸惑う
「いえ、そういう言葉は要らないの」
「え・・・?じゃあ・・・」
するとユウの腹に彼女が持っていた箒がめり込む
「お金・・・治療費と修理代をちょうだい?」
と、笑顔でユウに問いかけた。
「え・・?あの・・・」
「あら、聞こえなかったかしら? 勝手に落ちてきて花をめちゃくちゃにした挙句、治療までしてもらったんだからそれなりに・・・」
「けど・・・僕は今そんなに・・・」
「いいから、とりあえず見せてみなさい」
(え・・・笑顔が怖い・・・)
黒い笑顔で近づいてくる彼女を最後に見ながら、ユウの意識はそこで途絶えた。



「はっ!!」
ユウは自分の部屋で目を覚ます。
「夢・・・? 夢なの・・・?」
変な夢を見ていた気がするが、気のせいだったとユウは納得すると部屋から出てまた他の人が居る部屋へと向かっていった。

-所持金が半額減った!-




【バーニングブレイド軍曹アルバム:熱意の先は】


戦いが終わって少しした後、軍曹はいきなり旅立って行った。
最初は少し心配だったけど、あの性格だきっと大丈夫だろう。

「ここだ・・・きっとこの島に彼女が・・・あの伝説のメイドさんが居るはずだ・・・!」
「な・・・なんであいつがこの島にまた来てるのよぉ・・・」
「俺は・・・俺はまた彼女に会うまで諦めないぞ!バァァァァニィィィングッ!!!」

大丈夫・・・だよなぁ・・・?





No.71

■「先史兵器ファントゥーム」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/20(火) 23:55

「ウゴガッ・・・・ガッ・・・ウオォォォォォッ」
先ほどまで暴れていた古代兵器が起動を停止させる。
「そ・・・そんなでやんすぅ・・・」
「やった・・・?やったのか・・・?」
そのまま兵器は機能を停止する。
「止まった・・・?」
「そんなぁ・・・でやんす・・・ あんたが止まったらおいらのやぼうはどうするでやんす!!」
「カメダ! もう諦めるんだ!!」
「来るなでやんす!! おいらはまだ諦めたわけじゃないでやん・・・グフッ・・・?!」
突如後方からカメダを銃弾が襲う、カメダもそれは信じられないといった表情で
「な・・・なんでやんす・・・?」
と表情を苦痛に歪めながら倒れた
「誰だ・・・!」
「まったく・・・これだから目標を捨てたものは美しくない・・・」
カメダの後方に立っていた人物はそのままユウに向かって銃を構えると。
「次はあなたです・・・クロエ  父親と同じように・・・無残に死に行きなさい」
「ジオット・・・・!!」
「そんなに怖い顔をしないでくださいよ・・・ほら、あなたのご友人も連れてきてあげましたよ」
ジオットの横に立つのは鍵として、ファントゥームで任務をやり遂げた筈のヒカルだった。
「ヒカル・・・?! どうした・・・!おい・・・ヒカル・・・!!」
「無駄ですよ・・彼はほぼ鍵としての役割を果たし尽くした、既に自我を保つのも怪しいはずです」
「な・・・け、けどもうここには古代兵器のゴーレムは居ない・・・ ヒカルを無理やり連れてきたって・・・」
「確かに・・・一般的な伝承ではそうでしょう ファントゥームは優れた兵器生産能力を持ち、そして最終兵器のゴーレム・・・そこまでが記された真実 けど事実!!それじゃ解明できないことが沢山あった!! この建造物にはですねぇ!!もっと別の意味があったんですよぉ!!」
「別の意味・・・?どういうことだ・・・!ジオット!!」
「確かにゴーレムなどの兵器は素晴らしかった!! だがゴーレムでは先ほどのカメダ軍の機体を全て消し飛ばした説明は出来ない あくまでこれは陸戦用だからな、そこでこれなんだよ」
ジオットはヒカルの頭を掴み、今皆が居る部屋に飾る すると部屋がまるでヒカルに同調するように光り始め、ヒカルが光で包まれる。
「ヒカル・・・!!  ヒカルーーー!!!」
ヒカルを包み終えたファントゥームが大きな振動を始める、中に居る人たちでは何が起こってるのかは判断できなかった。


ファントゥームの異変は外に居るホエール号に居る人物から確認できた。
「な・・・何なんですかこれは・・・」
ファントゥームは形を変え・・まるで巨大な戦闘機のような姿に変えた。
「あれは・・・まさか・・・」


「ユウ・・・!ファントゥームは・・・ファントゥーム自体が巨大すぎる戦闘機だったみたいです・・・あんなサイズ・・・並みの戦闘機じゃ・・・」
「な・・・なんだって・・・?! ジオットの目的はそもそもそれだったっていうのか・・・」
「おそらく・・・ユウ・・・急いで避難してください・・・中はいずれ完全に戦闘機として構築される」
「け、けど・・・ヒカルが・・・!」
「あれを倒せれば救い出す手段はあるかもしれません!! 今はとにかく逃げて!!」
「くそ・・・・ごめん・・・ヒカル! 必ず助けにくるから・・・!」
ユウ達一同は急いでファントゥームから脱出すると、一度ホエール号に戻り作戦を練り直すために集まった。
「あ・・・あんなのどうやって倒すのよ・・・」
今までさまざまな機体を見てきたユイだが、現れた機体があまりにも規格外なのか、顔の色が青ざめている。
「策は・・・ひとつしかないでしょう・・・」
アケチが重い口を開く。
「他の機体が撹乱して少しでもあの機体の砲火を弱めている間に・・・一機が潜り込んであの機体の各部位を叩く・・・それしか・・・」
「だったら・・・それは僕が行くよ・・・」
当然のことのようにユウが名を上げる、それに対して他は
「ユウ・・・?! しかし・・・」
「僕が行かなくちゃいけないんだ・・・中に居るヒカルだって・・・助けなきゃいけないんだ・・・!」
「ユウ・・・分かりました ですが・・・必ず無事に戻ってきてくださいね・・・?」
「うん・・・分かった・・・行ってくる」
そう言ってユウは荒れる空にフィデール号と共に飛び出していった。


雷鳴り響く空、ジオットはファントゥームへ向かってくる一機の機体を見て笑みを零す。
もうこれは偶然などではない、昔ユウの父親を裏切り彼の機体を海に叩き落した瞬間からこの様な状況が来ることは想定できていた。
「さて・・・決着を点けましょうか・・・クロエ・ユウ・・・!!!」


【先史飛行兵器ファントゥームとの戦闘、副砲x2 両翼 主砲x2 本体との連続バトル】

【負けた場合】

「くそ・・・こんなときに・・・負けてる場合じゃないのに・・・」
遥か上空に浮かぶ大きな機体はまるでユウの努力をかき消すように砲台をフィデール号に向ける。
「はっはっは・・・どれだれやるかと思ったら・・・もういい・・・消えなさい」
ジオットがそういい終わると同時にファントゥームの砲台から光が放たれる。
その光がフィデール号を包み込むと同時に、彼の機体は消し飛び、残ったのは荒れた空だけだった。

-GAME OVER-


【勝った場合】

「勝った・・・?やったのか・・・? やるなら今しかない・・・!」
ファントゥームは勢いを落とし、高度を下げていく。
「まさか・・・ファントゥームが負けるとは・・・・ここまでですね・・・だがしかし・・・最後は美しく終わりにしましょう・・・ファントゥーム!!」
ジオットの叫びと共に再びファントゥームが光を上げ始める。
「最後はリミッターを外す・・・まだ全ての砲台が死んだわけじゃない・・・」
「ジオット・・・!!」
高度を下げたファントゥームに乗り込んだユウはジオットの居るメインシステムまでたどり着いていた。
「おや・・・クロエ・・・いつの間にここまで・・・」
「お前の野望もここまでだ・・! 大人しくしろ!」
「何だと・・・?」
「ファントゥームを暴走させた・・・もうこれで私の制御も受け付けない・・・」
「は・・・?な、何を言ってるんだ・・・ そんなことしたら!」
「ええ・・・確かに・・・世界は滅ぶでしょうねぇ・・・しかし!美しくないがそれもまた運命! 私はそれを見届けさせてもらう!!」
そう言ってジオットはメインシステムから立ち去ってく。
「おい・・・!くそ・・・どうすれば・・・」
一人残されたユウは成すすべも無く立ち尽くす。
「そうだ・・・ヒカル・・・ヒカルは大丈夫なのか・・・?」
そう言い、最初にヒカルが吸収されたはずの部屋まで足を運ぶ
内装は変形前と変わっており、ヒカルを包むようにいろいろな管が走り、中心に居るヒカルの顔には回路のような無数の光の線が浮かんでいた。
「ヒカル? ヒカル!!」
「ユ・・・ユ・・・ウく・・・ん?」
叫び声に反応したのか、ヒカルは擦れた声でユウに答える。
「ヒカル!助けに来たぞ! ファントゥームは倒した・・・もう大丈夫なんだ・・・」
嬉しそうにヒカルに言うユウを見ても、それに対比するようにヒカルの顔は残念そうだった。
「ありがとう・・・けどもう遅いみたいだ」
「遅いって・・・遅いってどういうことだよ!!おい!!」
「ファントゥームは生きてる・・・いずれまた僕を巻き込んで暴走を起こすだろう・・・」
「ああ・・・知ってる・・・ジオットが言ってた・・・けど・・・それはヒカルを助けてから・・・また考えればいい・・・」
「だめだよ、僕はもう鍵としての役割を終えたんだ・・・『モノ』として存在が固定されてしまった僕は・・・もう生きることはできないんだ・・・」
「そんなこと無い!ヒカルは仲間だ!! 『モノ』だなんて・・俺が絶対に認めない・・・!」
「君は・・・優しいね・・・」
「当たり前だ・・・俺は・・・俺はずっとお前のこと・・・」
「ありがとう・・・けど・・・もうその先は言わなくていい その言葉はもっと別の人に使ってあげるべきだ・・・」
「ヒカル・・・」
「ユウ君・・・君は生きて・・・僕に策がある」
「策・・?策って・・・ 俺はお前と逃げたいんだ 一人でなんて・・・」
「ファントゥームが暴走する前に・・・僕が回路を逆に暴走させる・・・そうすればファントゥームは膨大なエネルギーを処理できなくなって内部から消滅するはずだ」
「消滅って・・・ヒカルはどうするんだ・・・!」
最後まで信じたくないといったように、ユウは再びヒカルに問う。
「もう分かってるでしょ・・・君は本当に優しいね・・・」
「ヒカル・・・」
「『モノ』として生きてた僕を君は『ヒト』としてみてくれた・・・それだけで・・・君と出会えた価値は十分あったよ・・・」
「仲間だ・・・ヒカルが鍵を握る者だろうが・・・俺たちの大切な仲間なんだ!!」
「ありがと、ほら・・・もう行って・・・ここは広いから、早くしないと君まで巻き込まれちゃう・・・」
「ヒカル・・・最後に・・・・・一つだけ・・・」
ユウはヒカルに近づくと、もう動くこともできないヒカルに


最初で最後の口付けをした。



最初は驚いたヒカルだったが、すぐに普通の顔に戻り。
「ありがとう・・・じゃあね・・・ユウ君」
「ああ・・・ヒカル・・・俺は・・・」
そのままユウはメインシステムを去り、フィデール号と共にファントゥームから立ち去っていく。
メインシステムに一人だけ残されたヒカルは、最後に一粒『ヒト』として涙を流しながら。
「最後の最後まで・・・君は・・・君は本当にずるいなぁ・・・こんなんじゃ・・・こんなんじゃ分かれにくくなるじゃないか・・・・」
とポツリ呟いた、流れた涙はヒカル自身の熱によりすぐに消えそのまま見えなくなった。
「じゃあね・・・ユウ君  僕も・・・好きだった」
と彼は『ヒト』としての最後の機能を手放し、『モノ』としてファントゥームの一部になり始めた。



ユウが脱出した直後、ファントゥームは荒々しく光りその光りが止むと同時に爆発した。
ユウはそれに気がつきながらも、他の皆のために散った仲間のことを思いながらも決して振り向くことは無かった。



【ヒカルバッドアルバム:『モノ』として】


ファントゥームが消滅する直前、ヒカルは最後の最後にポツリポツリと最後にもう誰も聞くことのできないのに言葉を発していた。
「ユウ君・・・君は最初に会ったときから本当に素敵な人だった・・・」
あの人は上手く逃げてくれただろうか。
世界が平和になったあとあの人はどんな事を考えてすごすのだろうか。
あの人は時間がたっても自分を覚えていてくれるのだろうか。
そんなもう自分じゃ絶対に確認できないことを考え、そして最後に一言。
「もし僕が『ヒト』として生まれ変われたら・・・また君に会うことができるのかな・・・」
その言葉はファントゥームの消滅と共に掻き消えていった。





No.75

■「人形の真実」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/22(木) 02:50

ファントゥームに乗り込んだユウ達はカメダが居る最深部へと向かって進んでいく。
そのさなかテイルはファントゥームに上陸してからずっと謎の頭痛と眩暈に襲われていた。
頭の中に響く「失敗作」や謎の光景、今までと同じだが何かが違う未来の見え方をしていた。
その様子に心配したユイがテイルに話掛ける。
「大丈夫ですか・・・?ずっと調子悪そうですけど・・・」
「え・・? え、ええ・・・だ・・・大丈夫よ・・・」
自分を心配してくれるユイに少しでも負担を掛けないように前を向く。
「けど本当にここまで来たんですね私たち・・・後はカメダの野望を止めるだけ・・・」
「そうね・・・それがあなたたちの目標だったわね・・・私も・・・何かここで見つかるといいんだけど・・・」
と言って彼らが入った部屋は何かの実験施設のようだった。
「ここは・・・?まるで何かを作ってたみたいな・・・」
無数に走る管、謎の光を放つ棺などが並んでいた。
「一体・・・この部屋は何なんだ・・・?」
「ふふふ、その答えを教えてあげましょうか」
突如、ユウたちの背後の扉が閉まる・・・そして前方にはカメダの手下のジオットの姿があった。
「ジオット・・・!?カメダはどうした・・・」
「知らないですよ・・・あんな人 今頃必死になってゴーレムを探してるんじゃないですか?」
「何だと・・・? だったらお前は何をしに来た!」
「私は私でやりたいことがあるんですよ、ですが・・・それももう達成できました」
ジオットが言い終わると同時に脇の棺が開き中から一人の人・・・いや、人の形をした『バケモノ』が現れた。
「な・・・なんだあれは・・・」
「アガ・・・アガガ・・・・」
人の目では聞き取れない言葉を発しながら棺から出てきた『バケモノ』はユウ達を見ている。
「彼女はこのファントゥームで創られた戦闘用のホムンクルス・・・ハームレス 彼女はこの通り人の形をしているが、人としての機能をほとんど戦闘面に回したらこの様に非常に強くなってね、この子が唯一の成功例だ」
「ホムンクルス・・・? そんな人を作るような自然の摂理に反したようなことを・・・」
「おっと・・・」
ユウの言葉を遮るようにジオットは話を続ける。
「まあ・・・ここから先は彼女に聞いた方がいいんじゃないですかねぇ・・・ね?ネグロの科学者テイルウッド」
「へ・・・?」
いきなりジオットに話を振られたのか、テイルは驚きの声を上げる。
「あれ?お気づきじゃなかったんですか・・・? あなたは・・・このファントゥームで開発された戦闘用のホムンクルスの失敗作、効率を上げるために人型として作成したら、人としての自我が偶然生まれてしまい使い物にならなくなってしまい捨てられた一体なんですよ」
「うそ・・・うそよ・・・」
「だが捨ててから気がついたのはそのあなたの体には二つの能力が備えられていた、未来を見通す力と時を止める力・・・それが・・・それさえあればこのハームレスと共にゴーレムなんかに頼らなくたって征服ができる・・・!」
衝撃の事実をジオットに言われ、通常の思考ができなくなっているテイルを庇うようにユイが言葉を発する。
「ちょっと・・・!なんてこと言うのよ・・・」
「私はただ事実を述べただけです、他の人として行動できなかったホムンクルスは地上に降りてもすぐに処分された そういう意味では私は彼女を評価しているのですよ」
「だからって・・・」
「それに彼女だってずっと自分の謎を知りたがっていたでしょう?その望みが適ったのにそれを受け入れないなんてことは・・・」
「黙って・・!! テイルさんを責めるのは私がゆるさない・・・!!」
ユイは持っているレンチをジオットに向ける、しかしジオットは
「まったく・・・変に怨まれたものですね・・・仕方ない・・・彼女を手に入れるためなら多少の実力行使もかまわないでしょう・・・ハームレス!!」
ジオットの後ろに居た『バケモノ』が一瞬、動いたと思ったら次の瞬間にはユイの手に握られていたレンチが噛み砕かれる。
「へ・・・?」
その場に居た人がその瞬間を確認することはできなかった、不可能だったのだ 初めてテイルと会ったときに彼女が時を止め動いてたのとは違い、純粋に速さ 人としての機能を全て捨て兵器となった『バケモノ』の殺意が全てユイに向く。
「・・・・・っ!」
次の瞬間、誰もがユイを助けるのには間に合わないはずだった。
ただ一人・・・自分を『モノ』だと認め、親友を守るために力を振り絞った彼女以外は。
誰もが目視できない時が止まっている一瞬、その一瞬でテイルはユイの前に立つ、迫り来る『バケモノ』の攻撃をその身に受けて。
「うそ・・・テイルさん・・・?」
ユイが確認したのは庇われてなお身に降り掛かる大きな衝撃と、目の前で腕が吹き飛ぶテイルの姿だった。
「良かった・・・間に合ったみたいね・・・」
腕が吹き飛んで普通の人であれば倒れるほどの衝撃を受けてなお、彼女は普通に、いつも通りユイに話しかけるのだった。
「テ・・・テイルさん・・・腕が・・・」
「大丈夫よ・・・もう全部自覚した・・・ 私はホムンクルス・・・最初から最後までずっと『失敗作』と呼ばれ続けた哀れな女よ・・・」
「う・・・腕・・・」
ユイの目には自分を庇ったテイルの吹き飛ばされた体の一部分しか入ってないようだった。
「ふふ・・・相変わらずやさしいのね・・あなたは これくらいなら、私は大丈夫・・・」
そういうとテイルはハームレスの方に向き直り。
「行くわよ・・・『成功作』 人を守ろうとする心はどんな『モノ』にだって宿るって事を教えてあげるわ・・・!」



【戦闘用ホムンクルス「ハームレス」との戦闘イベント・戦闘勝利または数ターンユイが生存でイベント続行、なおこのイベントのテイルウッドとハームレスは能力最大値で戦闘】

【ユイが戦闘不能】

「きゃああああああああああああああああああ!!」
「しまった・・・! ユイちゃん・・・!!」
一瞬の隙でハームレスに飲み込まれたユイを能力ではなく目で追ってしまう。
「その人の事を思ってしまう心が・・・何よりの『失敗作』ということなんですけどねぇ・・・」
その一瞬の隙をハームレスは見逃さず、テイルを突き刺す
「・・・??!!!」
腕の時とは違い、テイルもその場に崩れ落ちる。
そして二度と立ち上がる事はできなかった。

-GAMEOVER-


【数ターン生存】

「はぁ・・・はぁ・・・」
テイルもユイも疲弊しきった状況で戦闘は硬直する。
向こうのハームレスは息一つ切らさず、再び二人に襲い掛かる。
「くっ・・・このバケモノ・・・」
「どうするんですか・・・テイルさん・・・?」
テイルは攻撃を防ぎながらも、最後の手段といった様子でユイに応答する。
「私の能力を使ってリミットを超えて時間を止める・・・その隙に・・・私があのバケモノに止めを刺すわ・・・」
「そ・・・それって・テイルさんは・・・」
「最悪・・・死ぬかもしれないわね・・・」
「へ・・・?」
「けどね・・・ユイさん 私は『モノ』だから、こんな私のことを『親友』って言ってくれたユイさんに感謝してるの・・・その言葉が無かったら・・・ずっと昔の私だったから・・・」
「そんな・・・テイルさん・・・」
「ありがと、じゃあね、ユイさん」
そうしてテイルは着ていた白衣をユイに渡すとハームレスの方を向いた。
「まっ・・・・」
ユイが声を出そうとした次の瞬間には決着が着いていた。
お互いにぶつかり合い砕け散る二つの人形、ユイが確認できたのはそこまでだった。


「くっ・・・まさか『成功作』が『失敗作』に潰されるとは・・・・予定が狂った・・・!」
ジオットは二つの影が消えるのを確認すると部屋から立ち去っていく。
「ユイさん・・・!!」
ユウ達は気絶したユイを抱えると、同じくその部屋を出た。


「あれ・・・?ここは・・・?」
ユイが目を覚ましたのは数時間後、安全な場所までたどり着いたときである。
「ユウ・・・? テイルさんは・・・?」
「っ・・・・」
なんともいえぬ悲しみに包まれたユウの表情を見てユイは全て起きたことを悟る。
「そうなんだ・・・テイルさん・・・私を守って・・・消えちゃったんだ・・・」
彼女が着ている白衣に涙が落ちる・・・その泣き声はしばらくその部屋に鳴り響いた。



【テイルウッドバッドエンド:悲しい人形】

決戦が終わってからも、時々ユイは遠くを見て考え込むようになってしまった。
貰った白衣はずっと着たままで「これは預かってるんだ」と言い聞かせるように呟く。
しばらくは前線から離れて学びたい事があるそうだ。
もう持ち主が居ない図書館に彼女は足を運び今日も彼女は調べ物を開始する。
開いた本は『ファントゥームの伝説』彼女にとって、その本が亡き彼女の面影を見出せる本なのだろう。
ユイ・・・それを読んだって・・・俺たちに学べる古代のホムンクルス練成方法なんて無いんだ・・・



【ハームレスを撃破】

「・・・・!??オオオォ・・・」
バケモノが動きを止める。
「やったの・・・?ねえテイルさん・・・」
「ええ・・・そうなのかな・・・!!」
安心したユウの表情見て、テイルは次の瞬間ユイを突き飛ばす
「・・・!?」
飛ぶユイが見たものがまだ意識が残っていたバケモノの最後の攻撃だった。
「うそ・・・?テイルさん・・・?」
その攻撃は正確に彼女の心臓を貫き、彼女を床に叩きつける。
「テイルさん・・・!!」
倒れた彼女にユイは駈け寄る。
「ユイちゃん・・・よかった・・・間に合ったんだ・・・」
「テイルさん・・・テイルさん・・・!」
消え行きそうな声で喋るテイルにユイは必死に声を掛ける。
「良かった・・・あなたが無事で・・・」
「私は大丈夫だから・・・しなないで・・・死なないでよテイルさん!!」
この光景は・・・いつか夢で見た光景だ・・・
ユイちゃんのあの涙は・・・私のために流してくれた涙だったんだ・・・
「あり・・・がと、ユイ・・・ちゃ・・ん あなたは・・・ほん・・とにやさしい・・・わね」
最後に彼女は『モノ』では無く『ヒト』として感謝の言葉を述べる。
そうして意識は途絶えた。

「そんな・・・うそだよ・・・・」
意識が無くなったテイルをずっと抱きしめ、ユイは涙を流す。
その姿に他の仲間は何も声をかけることができずに、ただ立ち尽くしていた。
「あ・・・そうだ・・・そうだよ・・・」
ユイは最後の希望といった表情で立ち上がる。
「この部屋がテイルさんの作られた部屋だとしたら・・・きっとこの部屋に何か・・・」
そう部屋を探し始めるユイとそれを手伝うようにユウ達が機材を集める。
「待っててね・・・テイルさん・・・」
そう呟くとユイは機械を起動し・・・出てくる古代の文字でさえ初めて見たようではないように操作していく。
「必ず・・・必ず成功させるから・・・きっと・・・」



数時間後、目を覚ました彼女は・・・前に立ち涙を流す彼女に向かってこういうのであった。


「そんな事で泣いてちゃ・・・一流の技師にはなれないわよ・・・? ユイちゃん?」


【テイルウッドハッピーエンド:幸せな人形】

決戦が終わった後、テイルさんはネグロの街へと戻っていった。
いろいろ嫌な思い出があったあの街だけど、今の彼女ならそれも何とかしてしまいそうだ。
少しづつだけど壁も消え、この街も変わり始めてる。
ユイは今でも彼女の家に技術を学びに行く。
「へへへ・・・テイルさん、今日もいろんなこと・・・教えてくれますよね?」
「まったく・・・もう私からあなたに教えられる事なんか無いわよ・・・それだけ暇ならファントゥームでも再現してみたらどうなの?」
「そ、それは・・・」
「冗談よ、冗談 じゃああの伝記の続きでも考えましょうか・・・きっと今なら幸せに終わる事ができそうよ?」
「そうですね・・! 物語は・・・美しくあるべきですよね!!」


「ところでアケチ、何で最後の最後でユイはあんな見た事も無い機械を当然のように動かして、テイルさんの欠けた一部分を練成することができたんだろう? まるであの場の人形全部がユイを選んだような・・・」
「さあ・・それは分かりませんけど・・・きっと、ユイさんがテイルさんを思う気持ちが、他の人形にも伝わったんじゃないんですかね」
「けどあんなバケモノは一体だけだった・・・きっと人の心や優しさを持つことができたテイルさんが一番の『成功作』だったんじゃないかな」
「おや・・・珍しくユウにしては難しい事を言いますね」
「うるさい」

遠いところで楽しく話すユイとテイルを見ながら、ユウとアケチは古代のホムンクルスについて解けない謎を話していた。

「じゃあ伝記の最後にこう書きましょうよテイルさん! 『ココロが欠けていた人形は崩れ、ココロが残った人形はその後ずっと、ココロを与えてくれた人物と楽しく平和に暮らしました』ってね」
「あら、じゃあユイちゃんはずっと私と居てくれるのかしら?」
「えっっと・・・ああ・・・ま・・・まあね・・・」
ユウの方をチラチラ見ながらユイは顔を赤くしてテイルの言葉に答える。
「ふふふ・・・いいのよ無理しなくて、私は今が一番幸せだから・・・だって・・・」
ユイの方を見て、彼女はこう言い放つ。
「もう私は『モノ』じゃなくて・・・胸を張って『ヒト』だと言えるんだもの」
最後に大切なものを手に入れた人形は、ずっとずっと幸せそうに微笑を浮かべていた。





No.76

■「最終決戦-決意とは-」 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/22(木) 02:50

ファントゥームへ攻める直前の夜、フェイは一人で夜の海の前に座り込んでいた。
もう少しで約束した時刻、確かめたい事を確かめるために一つ彼女は決心をしていた。
「なんや・・・こんな場所に呼び出して 話するんやったら・・・船の中でもよかったやろ?」
するとカズが現れる、ずっと彼女と共に盗賊をやってた大切な仲間。
「いや・・・ちょっとね・・・船じゃ話にくくて」
「あっそ・・・なら、ここで用件を聞かせてもらうかな」
と、カズは彼女の横に腰をかける
「うん・・・そうしてくれると・・・嬉しいかな」
「どうした? 調子でも悪いんか? 何か元気が無いなぁ、フェイらしくないで?」
カズはいつもの調子で、フェイの様子を心配する。
「うん、大丈夫・・だよ? あのさ・・・」
「ん? どうした」
「私たちがさ・・・盗賊を始めたのも・・・こんな星が見える夜だったよね・・・」
「・・・そうやな・・・ 二人で機体に乗って・・・」
「そこからさ・・・少しは騒がれるようになってさ、みんな私たちを見るだけで逃げるようになって・・・」
「それだけ力が付いたってことやろうな、フェイも・・・昔と違ってずいぶん変わったわ」
「カズもそうだよ、カズも変わった・・・」
「ん・・・? うちはそんなに変わってないとは思うけどな・・・」
「変わったよ・・・私はずっとカズのこと親友だと思ってる・・・カズも・・・そうだと信じたかった・・・」
「信じるも何も・・・うちもフェイは親友だと思ってるで・・・?」
「だったら・・・」
彼女は最後までなるべく口にしたくなかった言葉を口から吐き出す。
「どうして嘘付くの・・・? 何で・・なんでカズは私にも話せない裏を持ってたの・・・?」
「・・・・っ!!聞いてたんか・・・!!」
「うん・・・カズが・・・カズがユウのお父さんを裏切ったってほんとなの? 私と居るために・・・」
「・・・・・」
「なんとか・・・なんとか言ってよ・・・ねえ・・・カズ・・・」
「・・・・ああ、そうやな うちがユウの父親を殺した、利益を優先するためにな・・・」
自覚はしていたものの、やはりその言葉がショックだったのかフェイは最後まで否定してほしかったという表情を最後までしていた。
「そう・・・だったんだ・・・」
「だったらどうするんや? うちをユウと一緒に倒しでもするか?」
「いや・・・そうじゃなくて・・・」
「その話を知ってるって事はうちがシアンに軍隊に戻れって言われてる事も知ってるんやろ?」
「・・・うん・・・聞いたよ・・・」
「・・・そうか・・・聞いてしまったんやな・・・」
「私はずっと二人のこと親友だと思ってた・・・けど・・・二人はずっと私のことなんて邪魔者としか・・・」
「・・・・・」
「もう・・・否定もしてくれないの?」
「ああ・・・そうやな、確かにあんたは邪魔だった」
「・・・・!? え・・?」
「今思うと、くだらない事で縛られすぎたんやな、うちは 父親が居ないあんたに同情だけで付いて行ってた、けどそんなんやったらうちやシアンだって同じや 二人とも一人で生きてきた」
「・・・・・」
「一人で生きた時間が無くずっと周りが居たあんたなんかにうちらの気持ちなんて最初から分からんかったんやな」
「そんなこと・・・そんなことない・・・」
「で? いきなりそんな事を言い出した理由はなんや? まさか・・・ただ確認ってわけじゃないんやろ?」
「・・・うん、もう決心が付いた・・・ユウの手は煩わせない・・・私は・・・あなたを殺して一人で生きれるって証明する・・・」
「へぇ・・・あんたがうちをねぇ・・・」
「私だって最後までこんな事したくなかった・・・けど・・・もう私はあなたを怨む事しかできないの・・・!!」
「怨む・・ねぇ・・・」
「ええ・・・だから・・・私はあなたを殺す・・・私たちを仲間と受け入れてくれたユウには失礼だけどこれは私たちの問題・・・」
「そうやな・・・」
フェイは双剣をカズは槍を構え、二人の戦いが始まった。


フェイが剣を振ると、カズはそれを槍で受け流しそこから放たれる突きをフェイはもう片方で防ぐ。
夜の海に響く音と動く二つの赤い影。
その影は二つとも引くことなく、恨みの火花を散らせていった。
「フェイ・・・!!」
「カズ・・・・!!」
二人が睨み合い、殺しあっている間にホエール号から出てくるもう一つの影、その影は二人の影を確認すると焦るように走り出していった。

お互いに互角だと思われたその勝負。
その最後は一瞬で、儚く決着が着いた。





No.77

■鮮血の盗賊団 イベントアルバム集 投稿者:ペケ [URL] 投稿日:2012/03/22(木) 02:50

━━  【カズバッド】  ━━

一瞬の隙を突きカズの槍がフェイの心臓を貫いたのだ。
「え・・・?あ・・・?」
フェイの顔から血の気が引く、その光景は紛れも無く現実で・・・槍の先には彼女の血がベットリ付着していた。
「終わったな・・・結局、あんたは何も変わってなかった」
「う・・嘘・・・私は・・・私はぁぁぁ・・・」
涙を流しながら、フェイは砂浜に倒れ、砂を血で染める。
「最後に一つ教えてやろう、軍隊上がりのうちに・・・所詮元は一般人だったあんたが勝てる望みなんてなかったってことや」
最後に言葉を掛け、立ち去ろうとした直後、カズは近づいてくる人影に気がつく。
「誰や・・・・!!」
槍を向けたその先には焦った表情をするユウが居た。
「カ・・・カズさん・・・どうして・・・」
倒れているフェイを見てユウは驚いたような表情をする。
「簡単なことや・・・うちとフェイは仲間でも何でもなかった・・・それだけや」
「何で・・・二人で一緒に居る時は二人とも楽しそうだったじゃないか・・・・それを・・・なんで・・・!!」
もう動かないフェイを抱きかかえユウはカズに迫る。
「まあ確かに楽しいときはあった・・・それでも・・・意見の相違はあるってことや」
「なん・・・だと・・!」
「最後に一つだけ教えといてやろう、あんたの親父を裏切ったのはうちや、フェイは・・・その敵討ちも兼ねてうちに戦いを挑んだみたいやな」
「カズさんが父を裏切ったのは知ってた・・・」
その応答が予想外だったのか想定の範囲内だったのか分からないがカズはそのまま
「どうする?じゃあうちと戦いでもしてみるか? 仲良く天国に送ってやるで?」
「・・・・っ」
ユウは表情を歪め、そして。
「それはいい・・・今はフェイさんの方が先だ・・・」
「もうその動かない屍が父の敵より大事だと? そりゃあめでたい頭やでぇ・・・」
「違う・・・! フェイさんも・・・カズさんも僕は仲間だと思ってる・・・」
「ああ・・・そうかい 残念ながらうちはここに縛られる理由も無くなった、後は勝手にさせてもらうで」
「なっ・・・ちょっと待って・・・!!」
言い終える前にカズは姿を消す。
静かになった海に取り残されるユウともう動く事の無いフェイ、数十分後船に戻ったユウを向かえたのは「ファランクス」とカズが船内から消えたということ。
フェイが死んだ事についてはユウはカズのせいだと言い出せずに・・・ずっと心の中に残ったままだった。


-フェイ&カズがパーティから離脱しました-


【カズバットエンド:消滅】

ジパングに行っても、シアンさんやカズと会う事は二度とできなかった。
店は姿を消していたし、フェイさんに縛られてないカズさんの心は僕たちには到底理解できなかった。
カズさん・・・父の事よりも・・・・僕はあなたに会えたら言いたいことがあるんです・・・「今でも仲間です」って・・・


「しかしまさかだなぁ、君がそんな顔をするとはな」
「うちは表情を変えたつもりはないけどな」
「いやいや変わったよ、今の君は・・・本当に鬼のようだ」

どこかの地を二人は歩く、その中にあの子が居た証拠など・・・どこにもないようで。



━━  【フェイバッド】  ━━

フェイの剣がカズの槍を斬り飛ばし、もう片方が体を抉る。
「うっ・・・・?」
カズの赤い服は血が染みさらに黒く、フェイが剣を引き抜くと同時にカズの大きな身体は沈む。
「カズ・・・・」
「ふ・・・うちも甘かったな・・・まさかフェイにやられるなんてな・・・」
「そうね・・・」
と短い会話を交わすとフェイは一人呟く。
「なんだろう・・・この、空しさは・・・」
「フェイさん!!」
突然後ろからユウが話しかける。
「え? ああ・・・ユウか・・・」
「フェイさん・・・これは一体?」
「言ったでしょ? 決心したって・・・これが私なりの結論」
「だからって・・・カズさんを・・・!!」
「だからって?なんで?カズはユウのお父さんの仇なんだよ?」
「そうだけど・・・カズさんは・・・」
「仲間・・・とでも言うつもり?」
「うっ・・・」
「私は認めない、たとえそれがユウが言うことでもね」
「けど・・・」
「ふん・・・なら勝手に言ってればいいわ」
「な・・・」
「あなたがどう思ってようとカズは裏切り者だった、その事実は他のどの事を足してもプラスには覆らないわ」
「そんな・・・二人は・・・あんなに仲がよさそうだったじゃないか・・・」
「結局それも偽者だったってこと」
「・・・・・」
「じゃあ、私は船に戻るから・・・」
「ま・・待って・・・フェイ・・フェイさんは・・・ずっとここに居てくれるの?」
「・・・ごめんね、やりたい事ができたの・・・決戦が終わったら、私は居なくなるわ」
「そんな・・・嫌だよ・・・そんなの・・・」
「カズは死んだ・・・もう元には戻らないの」
「カズさん・・・」
「じゃあね、まあ短い間だけど・・・よろしく」
と言ってフェイはその場から立ち去る。

残されたユウは倒れてるカズに向かって。
「どうして・・・どうしてこんな事になっちゃったんだよ・・・カズさんは・・・」
ともう動かないカズに涙を流した。
それが父親の仇だということを差し引いても、ユウはカズを仲間としてみていたということである。


-カズがパーティから離脱した-


【フェイバッドアルバム:鮮血の盗賊】

最近また「鮮血の盗賊」という単語を聞くようになった。
「鮮血の盗賊」・・・おそらく離れていった彼女なんだろう。
フェイさん・・・次にまた会うとしたら・・・敵としてなんだね・・・
最初に会ったときを思い出しながら、ユウは涙を流した。

【シアンバッドアルバム:想定外】

「ああ・・・聞いたよ・・・カズが死んだんだってな」
シアンは自分の店で友の死を聞いていた。
「だがそれでも少しプランが狂ったくらいだ・・・修正は利くんじゃないかな」
と、話してると彼女の後ろに立つ一つの赤い影が。
「そうだな、もう少しみたいだ・・・」
と呟くと彼女は傍らにおいてある武器に手を伸ばした。



━━  【フェイビター】  ━━

カズの体を、フェイの二本の剣が切り裂いた。
「がっ・・・・なっ・・・・」
カズは吹っ飛び、周りを血で染める。
「どう・・・これでも・・・私が弱いなんて言える・・・?」
フェイはカズに近づき、トドメの一撃を振り下ろそうとした瞬間、カズは一言呟いた。
「確かに・・・本当に強くなったなぁ・・・フェイ」
「っ・・・!?」
いきなりカズの殺気が消えたせいか、フェイは手を止める。
「どうした・・?今ならうちを殺せる、殺したいんじゃなかったんか・・・?」
「なんで・・・なんでよ!!」
そう叫ぶフェイの目には涙が溜まっていた。
「何で急にそんな事言うのよ・・・なんで・・・」
「フェイ・・・」
「私だって・・・私だってカズを殺したくないよ・・・嫌だよ・・・そんなの・・・」
「・・・・・殺せ」
「え・・・?」
「殺せと言ったんや、どの道この傷ならうちは長くない・・・だったらうちはあんたに殺されたい」
「何で・・・カズ・・・なんでそんな事言うの・・・」
「うちはもう十分生きた・・・だからたくさん間違えも犯した・・・その間違いの少しでも・・・最後に親友に正してもらっただけでも・・・うちは幸せや・・・」
戦う前までずっと出なかった「親友」、その言葉は彼女に重くのしかかり、そして。
「ごめん・・・ごめんカズ・・・」
涙を流しながら、フェイはカズの胸に剣を突き刺した。
「あり・・・がと・・な・・・フェイ」
最後にカズはフェイの頭に手を置くとゆっくり・・・

今まで一度も表情を変えなかった彼女が、最後の最後にフェイに向かって微笑んだ。


「嘘・・・カズ・・・・なんで・・・なんで最後に笑うのよおおおおおおおおおおおおお!! 嘘・・・嫌・・・嫌だ・・・お願いだから戻って・・・殺したくない・・・殺し合いたくなんてなかった・・・」

フェイが嘆く姿をユウは遠くから見つめていた。
その叫びは本当に悲痛なもので、後悔の色しかもって居なかった。

「フェイさん・・・どうして・・・」
「ユ・・・ユウ・・・カズが・・・カズが・・・」
「カズさん・・・」
「私のせいだ・・・私がカズを信じてあげられなかったから・・・」
「・・・・」
「ごめん・・・ごめん・・・」
彼女はそう呟きながら立ち上がると・・船の方へと戻っていった。
ユウはその背中をずっと見つめていた。


-カズがパーティから離脱した-


【フェイビターアルバム:面影】

彼女は亡き親友の墓の前で祈りをささげている。
彼女は髪を伸ばし始めた、理由を前に聞いたら。
「こうしてれば、少しはあの人っぽいじゃない」
と笑いながら答えた。
けどその笑いの奥には悲しみの表情しかなく・・・
後悔しか見えていなかった。


━━  【ハッピーエンド】  ━━

二人の戦いはしばらく続く、暗い海に武器がぶつかり合う音が響く。
「フェイ・・・・!!」
「カズ・・・!!」
二人は一歩も譲らず、一進一退の戦いが続いていたと思われた。
しかしその均衡はいきなり崩れた、フェイがいきなりバランスを崩したのだ。
「あっ・・・・嫌っ・・・!」
砂浜に倒れたフェイにカズの槍の一撃が放たれる。
次の瞬間、砂浜に血しぶきが飛び散った。


両者何が起こったのか理解できてなかった。
フェイを突き刺すはずだった槍が刺しているのはユウ・・・二人の間にユウが割って入ったのだ。
「え・・?ユウ・・・?何で・・・?どうして私なんか・・・」
フェイが驚きの声を上げる、カズも驚きで動けなくなっているようだ。
「二人が・・・何をしてるのかと思ったら・・・何で・・・何で仲間同士で殺しあってるんだよ!!」
血を流しながらも二人を見据え、激を飛ばすユウ。
「ユウ・・・だって・・・カズは・・・」
「知ってるよ・・・確かにカズさんは父親の仇だ・・・けど・・・それ以上に僕の中では二人とも仲間なんだ・・・!!」
「仲間・・・やと・・・」
衝撃を受けているカズにユウは続ける。
「ああ・・・仲間だ・・・何があったって・・・一緒に旅をしてきた・・・なか・・ま・・・なんだ・・」
そのままユウは砂浜に倒れる。
「「ユウッ・・・!!!
二人の叫び声が聞こえた気がしたが、そこでユウの意識が途切れた。


「・・・・あれ・・・?ここは・・・?」
ユウは目を覚ます、どうやら船内のベットのようだ。
「生きてたんだ・・・僕・・・」
起き上がると、横に変な違和感を感じた。
ベットをめくるとそこには横になって同じく寝ているフェイの姿があった。
「えっ・・・?ええええええっ・・?!」
状況が理解できないのか、ユウは慌てる。
「ふにゃ・・・?あ・・・ユウ君・・・!起きたんだ・・・よかった・・・本当に・・・」
騒いで起きたのか、フェイは目を覚ますと同時に安心したのかユウに抱きつく。
「あ・・・フェイさん・・・良かった・・・フェイさんも無事だったんだ・・・」
「私は大丈夫だったけど・・・ユウ君・・・3日も寝てたんだよ・・?」
「ええっ・・・?! そ、その間・・・フェイちゃんが見ててくれたの・・・?」
「いや、違うよ 私も起きたばっかり  ユウ君を見ててくれたのはカズだよ?」
「へ・・・?カズさん・・・?」
「うん・・・ずっとカズも寝ないでユウ君の看病して・・・ユイちゃんが心配して変わるって言っても自分の責任だからって・・・」
「そうだったんだ・・・ねえ、カズさんが今どこに居るかわかる?」
「うーん・・・たぶん船の一番上の甲板じゃないかな、良くあそこに居るよ」
「ありがとう・・・!少しお礼言ってくるよ・・・」
フラフラと立ち上がりながらユウは甲板へと向かっていった。


甲板ではカズが一人、遠くを見ながら黄昏ていた。
「仲間・・・か・・・」
ユウはその後ろ姿に声をかける。
「カズさん!!」
「ん・・・?ああ・・・ユウか・・・」
「うん・・・看病してくれたお礼でも・・・って」
「お礼・・か・・・そんな事言われる筋合いはうちにはないわ」
「けど・・・」
「いくらあんたが仲間と言ってくれても所詮うちの中ではうちはずっと裏切り者、だからうちはそんな資格がないんよ」
「確かに父の事はショックだった・・・けどそれ以上にカズさんには助けられた・・・そう僕は思ってるんだ・・・」
「・・・そうか、ありがと・・・」
そして、ユウはしばらく考えた後・・・カズに気になってた事を聞いた。
「カズさんは・・・これからどうするの・・・?」
「うちか・・・うちは・・・そうやなぁ・・・盗賊はもうやめにして軍隊にでも戻ろうかな」
「へ・・・?じゃあフェイさんは・・・?」
「ふふ、ばぁか・・・一番フェイを任せられる場所を見つけたらから・・・うちは安心して元に戻れるんや・・・」
「へ・・・?一番任せられる場所・・?」
「いいから、ほら フェイのところに戻ってやれや あいつ・・・待ってるで」
「へ・・?けど質問が」
「いいんや、とにかくもううちはフェイと殺しあうつもりもない、それでいいやろ」
話を聞き終わる前にユウは甲板を追い出される。
甲板の出口ではフェイが
「あ・・・ユウ カズとの話は終わった・・・?」
「うん・・・終わったよ・・・カズさん・・・軍隊に戻るんだって」
「そうなんだ・・・そうだよね やっぱりカズは自分のために戦ってるのが一番かっこいいもん・・・仕方ないよ」
「フェイさんは・・・これからどうするの・・・?」
「え・・?私・・・?私はねぇ・・・」
そう勿体つけたように言うと彼女はユウに
「そういえばまだ助けてもらったお礼・・・してなかったよね・・・」
「え・・・?そうだけど・・・質問の答えは・・・?」
「いいから!目を閉じて・・!」
「へ・・・?う、うん・・・」
言われるままに目を閉じるユウ。
(う・・・うーん・・やると思ったら緊張するなぁ・・・け、けど自分の気持ちに嘘は付けないし・・・えいっ!)
フェイはユウに抱きつき、口付けを交わした。
「へ・・・?おおうっ・・・?!」
「へへへ、これが私の答え・・・どう?」
「そ、それって・・・」
「これ以上は言わせないの! 私は先に戻ってるからねー!」
「え、ちょっとフェイさん待ってよ!!」

こうして深い闇を持っていた鮮血の盗賊団はユウによって、しっかりちゃんとした道を歩むために進み始めたのである。


【カズハッピーアルバム:信頼と・・・】

カズさんは決戦の後軍隊に戻ったようだ。
僕にならフェイを任せられるらしい、カズさんほどしっかり纏められる自信はないけど、とにかく頑張るしかない。

「はぁ・・・あいつらしっかり元気にやってるかなぁ・・・しばらくしたらうちももう一度様子見に行くかなぁ・・・」
戦場で彼女はポツリと呟く。
「しかしなぁフェイ うちが譲ったんだからしっかりやるんやで」
と微笑んだ。


【フェイハッピーアルバム:最高の相方として】

フェイは決戦が終わった後も僕のそばに居て、一緒に空賊を続ける算段を立てている。
ただの賊じゃなくて悪を狩る義賊らしい。
「ね・・ねえフェイ この旗本当に機体に付けるの・・・?」
「あったりまえじゃない! 私たち二人が強いって事を示さないとだめなのよ! だっから派手に行きましょう」
「そ・・・そんなものなんだ・・・」
「夫婦最強」とでっかく赤文字で書かれた旗を機体に掲げようとしてるフェイを眺めながらため息をつく。
「ほらほら、元気出す! そんなんじゃカズの後釜は務まらないよー ほら・・・あなた・・・」
というわけで・・・彼女は今は僕の最高のパートナーだ。

「この呼び方恥ずかしいね・・・」
「じゃあユウって呼んでくれよ・・・」


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プロフィール

pwpkkmnriderdcd

Author:pwpkkmnriderdcd
パワポケスタジアムで行われた「パワポケ空族祭」の作品をまとめてあります。
管理人:BLUE

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