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空族祭SS みーやん


No.49

■非公式なお話 投稿者:みーやん 投稿日:2012/03/17(土) 17:42

ファッティホエール号。普段と変わらぬこの艦の中でのこと。


「おい、そこのチビ。邪魔だ」

 ヨツバが声をかけた先にちょこんといるのは、ぴょこぴょこと動き回
る少女の姿がある。

「ん、誰?」
 物怖じせず、むしろ好奇の眼差しを向けてくる少女を見て、ヨツバは
顔には出さないものの、

「……へえ、この艦のトップに喧嘩売った極悪人を知らねえとは、
…ハハ。舐められたもんだ」
 わずかな驚きと興味を持って返す。それもすぐさま頭から消えるが。

 いや、興味というもの即ち、ヨツバにとっては殺意でしかない。彼
女にとっては己以外のものは全て他人であり、標的でもあるのだから。 


「トップって、クロエのこと? ケンカしたの? へえー、へえー」
 なおもずいと身を乗り出して聞いてくる目の前のちんちくりんに、ヨ
ツバは徐々に苛立ちを募らせる。

「…んなこたぁどうでもいいんだよ、そんなことより、そこは俺の場所
だ。勝手にじろじろ見てんじゃねえ」

「場所って、この倉庫の隅っこ? あはは、ネズミみたいにここで暮ら
してるのかな。部屋があるんだからそこに行けばいいのに」

 このガキの言動はいちいち癇に障る。ヨツバの苛立ちは膨らみ、つい
にはいつものように標的を見据える仕事の表情に変わっていく。


「これが最後だぞ。今すぐ消えろ、俺は土足で踏み込まれるのが何より
大っ嫌えなんだ」

 少女は去らない。いちいちヨツバの言ったことを反芻し、ん? と首
をかしげている。それが、スイッチになりヨツバの全身を巡る。

 忠告はした。もうヨツバの中に我慢するという選択肢は無い。

 そして、いつも通りに…いや、いつもとは違い正面からではあるが。
 刃物を構えて、少女の首めがけて一閃する。

 頸動脈をかっ切れば即死だろう。自分の場所が血で汚れるから、ああ
また場所を移さねえとな、とのん気に考えていた。


 
 ぐしゃ。崩れ落ちていく。

 何が? 少女の身体、ではない。音を立てて崩れていったのは、仕掛
けたヨツバの持つ刃物だった。

「……!? な、錆びついて…崩れていく!?」
 ヨツバが言うように、刃物は一瞬のうちにボロボロと床に散らばって
いった。


 裏の世界で様々なことを経験して生きてきた、数々の追手や標的を始
末してきたヨツバにも、初めて出くわす事態に思わず息をのむ。

 少女は何もしない。ただ、右手をこちらに突き出したまま。先ほどの
ふざけた言動やイラつくほどの態度はなりをひそめ、不気味なほど静か
にこちらを見据えている。

「…もー、びっくりするなあ。いきなりそんなもの出してくるんだもん」
 と思うと、少女は手を下ろし、日向ぼっこするネコのように、ぐー
っと伸びをする。今の静けさはまるで嘘のように。


 こいつ、今何をしやがった…?

 確かに今、いつも通りの光景に意識が緩んでいたかもしれないが、かと
言って標的から目を離すような思い上がりはしないし、武器の手入れを怠
るようなヘマはしない。
 いや、今の今まで白銀の輝きを見せていた自分の武器が、3日ほど血の
海にでも漬け込んだかのように腐食し、錆びつき、チリと化してしまっ
たのだ。

 こいつは目の色も変えずに武器が崩れていくのをまるで始めから知って
いるように、こちらを見ていた。


「すごいね、速すぎて何にも見えなかった。けど、あたしは痛いのがキラ
イだから、そこはそれ、ていこうするもんね」
 少女はへらへら笑いながら殺されそうになったことを何とも思っていな
い。本当に、無邪気に笑っている。

 こちらが、じゃれついた程度にしか感じていない。それほど、こいつの
中には敵意という考え方が無いのだ。

 わずかに、恐怖が顔に浮かぶ。
 こいつは確かに、戦闘の技術も何も知らない。態度も軽い、隙だらけで
背後から襲いかかりでもしたら1秒で床に転がすことができるような雑魚。

 だが、ヨツバには逆にそれらが恐ろしく見えた。


「ねぇねぇ、どうして部屋に入らないの? 部屋が無いなら、あたしの部
屋広いから入っていいよ?」

 沈黙を破ったのは目の前の少女。本当に今、殺し殺されそうになった関
係とは思えないように。

「う、うるせえっ! 俺は一人でいるのが一番いいんだ。何でてめえなん
かと同じとこにぶち込まれなきゃならねえんだ」
 得体の知れない恐怖を振り払うように、ヨツバが声を荒げた。


「そう? でもいいなあー、ヨツバは。
 動きはすごいし、カッコいいし、あとキレイ」

「……は?」
 素っ頓狂な声を上げてしまう。
 顔も見たことない奴が自分の名前を知っているのもそうだが、こっちの
言ったことを意にも介さずまるで見当違いなことを言ってる。

 …ああ、こいつ、アレだ。バカなんだ。
 
 次第に毒気を抜かれたヨツバは、溜息まじりにその場を去ろうとして。
「…なぁ、お前なんで俺の名前知ってんだ?」

 ふと、思ったことをそのまま口にしてみる。ヨツバにしてみれば、それ
だけでもずいぶん珍しい。


「クロエに聞いたの。名前ってね、その人の人生にすごく関係するんだっ
て。あたしはみんながどういう人かすごく知りたいんだ。
 名前を知ることで、その人の生き方なんかも少しだけど見えるんだよ」

 良く分からないことをべらべらと並べたてる。自分の思ったような言葉が
出てこないことにまたイライラしそうになってきたヨツバは、話を切るよう
に最後の質問をする。


「分かった分かった。で、お前の名前は?」
 ヨツバからしたら、別に知りたくもないが話をさっさと終わらせたいと
適当にした質問だった。



「無いよ」
 返ってきたのは予想もしない答えだった。

「…無い?」

「うん、あたしは名前なんて持ってない。皆は肩書きを呼んでくれてる。
『タイム・キーパー』って」
 あくまで無邪気に、タイム・キーパーと名乗る少女は話す。


「タイム・キーパーって、おとぎ話に出てくるアレか? お前が?」
 
 タイム・キーパー。その名の通り、時間を意のままにすると言われる神の
領域に手を伸ばした者と伝えられる。
 時間を過去に戻し逆行させることも可能ならば、進行させて滅することも
また可能だ。

 合点がいった。先ほど自分の武器をボロボロにしたのは、こいつの持つ、
時間を進めるチカラによるものだったのだ。

 しかし、ヨツバの意識はそんなことには向かなかった。
 

「生まれて来た時から名前がねえのか? 親は?」

「知らない。あたしは気がついたら森の洞窟の中にいた。
 気がついた時から、自分がタイム・キーパーだってことを知ってた。ただ
それだけ」 

 明るい態度は崩さない。しかし、何となくこの少女は不遇な生き方をして
きたのだと、ヨツバは思う。


「…………。
 恨めしいし憎たらしいなぁ。お前、強ぇよ」

「? 何が?」

 ヨツバですら、己の名前には歪んではいるものの、愛着を持っている。こ
いつはそれを一切持っていないから、個人として扱われることもないのに。
 
 世の中を恨み、人を疑い、自分以外を突っぱねた自分とは違い、目の前の
少女は何よりも人を好きでいる。それがヨツバには不思議と好ましい。


「殺してやりてえくらいに、なぁ」

 だがヨツバはあくまで一人の道を行く。誰かと相入れるなんてもっての外
なのだから。
 踵を返し、今度こそヨツバはそこを去る。


「イツキ…ってのはどうだ?」

「イツキ? 何それ?」


「お前の名前だよ。長ったらしい名前なんざ言いにくくて仕方ねえ。
物影で小さくなってる俺はヨツバ、でんとでっかく構えてるお前は樹だ。

 だからイツキ。気に入らねえなら別にいいけどな」



 すたすたと出口に向かうヨツバが、突然背後に気配を感じた。
 がば、とキーパーが抱きついてきたのだった。


「…な!?」
 あまりにも突拍子がない行動に、さすがのヨツバも慌てる。

「あたしに名前つけてくれるの!? ありがとうヨツバ!」
 ぎゅー、とあまりにも無防備に身体を押し付けてくる。

「て、おい! 離せてめえ! 殺すぞ!」
 げしげしと蹴りを入れながら、ヨツバが引き離そうとするも、全く背
中に回した手を解こうとしない。


 しまいにはクロエやユイ、艦のあらゆるメンバーがその騒ぎように驚
いて倉庫にまで止めにくる始末。


 その後しばらく、ヨツバは所構わず殺意のこもった眼でクルーたちを
睨みつける日が続いた。


 イツキと名付けられたキーパーはより一層はしゃぐようになり、クロ
エの頭痛の種となっている。とほほ。





No.79

■「水がまた流れた」 投稿者:みーやん 投稿日:2012/03/22(木) 17:05



「ごほっ!!」

 大きな咳き込みと同時に、びしゃっと生々しい液体音が室内に響く。
 暗闇の中でむくりと起きたら、背中をまた一筋、汗が伝った。

 暗闇に目が慣れない。手探りで置時計を探し出す。驚くほど体がふら
つきながらも、何とか見つけだす。薄く光る時計の針をぼんやりと眺め
た。

「……3時…?」
 か細い声を発する喉は鉄の味がする。一度眠りに入ったら朝までぐっ
すりという自分がこんな時間に起きたなんて珍しい。

 ベッドの横にあるスイッチを入れる。部屋の明かりがパッとつくと、
自分の右手と掛け布団は血まみれだった。さっきの吐血だろう。


 ファッティホエール号が静かに飛行する夜半、イツキは身体の異常に
苛まれていた。

「っ……、アタマが、痛い……」

 喉も乾き切り、声は掠れきっている。また、両手は小刻みに痙攣して
おり、視界はぼやけておりチカチカしている。こんなことは今まで初め
てだった。

 ひとまずベットを降り、船医のシンドウのもとに向かうことにした。
 自分では病気のことは分からない。が、この虚脱感はこのままにして
おいてはまずいということだけはよく分かった。


 体はいつもの何倍も重かった。足が上手く前に出てくれず、壁にもた
れかからなくては立っていることすら出来ない。
 その上、一歩一歩踏みしめるだけで、足から身体にかけて痛みの電流
が駆け巡る。


「どうしたんだろ、あたし…」
 昨日までは何ともなかった。いつものようにクロエや仲間たちに遊び
をせがんだり、調理場にいるテネジーにじゃれたり。

 いつも通りの日を過ごしていたのに。



 ようやく扉の前に辿り着いたころには、窓から見た空がうっすらと明
け始めている。自分の部屋から医務室まで、どれほどの時間が経ったの
だろう。
 
 インターホンを鳴らすが、シンドウは出ない。扉に背を向けながら、
続けてイツキはボタンを押した。全く反応はない。

 時間を考えても、シンドウはもう自室で休んでいるのではないか。し
かし、もう一度引き返して彼の部屋を訪ねる気力は、残っていなかっ
た。





「……?」

 気がつくと、自分の目に天井が入ってきた。チラと視線を動かすと、
布団がかけられている。どうやら、いつの間にかベッドにいたらしい。

 が、どこでどうして、自分はベッドに戻ってきていたのだろうか。
 見渡す限りでは、医務室ではないようだった。


 と。ドアが開くセンサー音がした。
「あ、起きた? 大丈夫?」

 声の主はこの艦の技師でもあるユイだった。手にはタオルやら着替
えやらを持っている。

「……ユイ、ここどこ?」

「私の部屋。ほら、起きちゃダメよ。
 整備から戻ってきたら、イツキちゃんが医務室前で倒れてたから、
ホントにびっくりたわ。

 ユウ君にここまで運んでもらったのよ」

 そうか。シンドウがいないと知って、そのまま自分は気を失ってし
まったらしい。頭を打ったのか、こめかみがズキズキと痛む。


「ありがとう。…ごめん。ユイも眠いのにベッド使っちゃって」

「そんなこと気にしなくていいわよ。それより、どうしてあんなとこ
ろで倒れていたの? 
あ、ほら、まだ寝てなきゃ。ここに運んでもらった時、あなたの身体
すごく冷たくなってたんだから」

 と、外側からブザーが鳴る。誰か来たらしい。


「イツキちゃん、大丈夫? はい、テネジーさんに身体が暖まるもの
作ってもらってきたよ」
 ユイが扉を開き、今度はクロエが器を抱えて入ってきた。




「…身体がだるくなった? それで薬を探そうとしたのかい?」
 クロエが呆気にとられたように返す。


 テネジーの作ってくれたスープを身体に入れ、イツキは二人にこ
こまでの経緯を話す。自分の身体の異常をなるべく伏せたままで。

(……病気だって思われたら、遊んでくれなくなるもんね)
 と、ずいぶん気楽に考えていたが。

「で、医務室に行ったら誰もいないの。シンドウはもう寝ちゃった
のかなあ? やっぱり」

 ぽつり、と呟いた一言にユイは目を丸くした。


「…ええ? 何言ってるの? イツキちゃん。
 シンドウさんはこの1週間、ご家族のお墓参りで一旦チーガオに
降りてるって、イツキちゃんが私たちに言ってたでしょ?」

 頭が凍りつく。

「そうだよね。ああ、今日の午後2時ごろに、チーガオに降りるよ。
シンドウさんを迎えにいくから」


 クロエの言葉も耳に入ってはいたが、頭には入っていなかった。

 確かに自分は出まかせで迂闊な発言も多いが、自分の言ったこと
を忘れているなどという事も今までなかった。
 
 忘れていたというよりも、はじめからそんな事実が自分の頭から
消え去っていたということに、言い知れぬ不安がよぎる。


―――記憶が、無くなってる……?

 頭が真っ白になり、その後、二人が何を言っていたかも、自分が
どのようにして部屋に帰って来ていたかも、思いだせなかった。
 




 目を覚ます。時計を見ると、午前11時を回っていた。

 夜中ほどではないものの、やはりだるさと熱に浮かされたような
感覚は消えていない。

 とにかく、ベッドから降りて、部屋を出ようとしたら、足に違和
感を感じる。


 見ると、サンダルのベルトが切れている。昨日倒れた時にでも、
千切れてしまったのだろうか。
 あまり深く考えず、イツキは右手に意識を集中させた。


 ベルトの時間を逆光させていく。ぐぐぐ、と革が繋がり始めてい
く。その時だった。


「……、っ……!?」
 
 心臓がひときわ強く、どくん。と音をたてた。眼の前が虹色に見
え、額に汗がにじみ出てくる。

 体を踏ん張れず、そのまま床に突っ伏してしまった。どうしたと
いうのだろう。能力を使おうとした途端、明け方以上に激しく体を
襲う激痛。

 痙攣する手を押さえて、イツキはよろよろと立ちあがってベッド
に倒れ込んだ。


 痛い。腕がまるでセメントで固められたかのように動かせない。
 だというのに震えだけは止まらず、眼の中に光がチカチカと舞っ
ている。



 ようやく、震えが落ち着いたころ時計は既に昼の1時にさしかかっ
ている。同時に、自分の身体の異常をはっきりとイツキは理解した。


 タイム・キーパー。彼女がヨツバによって名づけられた“イツキ"
という名の前にあった名である。

 時間を操るというその人智を超えたチカラには、身体に大きな
負担をかけるリスクも背負っていた。恐らく自分の異常の原因は、
酷使したことによる反動がモロにきたのだ。


 乗り込んでからというもの、様々な戦いを経たファッティホエ
ール号。損壊の修復や様々な雑務にまで、自分の能力を使用し続け
ていた。
 体中の細胞が大きなダメージを受けているのであれば、これ以上
時間を操るのは即ち、生命の危険を伴うことになる。


「……あたし、もうずっとこのままなのかな……」

 汗を拭いながら、イツキは部屋を出る。とにかく、一人でここに
いるのが怖かった。

 とにかく、元気を装ってでも、みんなと一緒にいよう。医務室で
一人ぼっちになるのは嫌だ。



 少しではあるが、歩くのは楽になっている。比較的軽い足取りで
イツキはクルーたちがいそうな所へとてとてと歩き出す。

 いい天気だった。いつきは雲を追い抜いていく青々とした空を、
清々しい気持ちで眺め、歩きだす。






「あ、モモカだ」
 格納庫のところまで来たら、モモカがファランクスの塗装をし直
していた。

「ん? あれ、イツキじゃない。ちょっと待ってね。あと少しで
終わるから」

 丹念に塗装を繰り返すモモカの表情は普段のそれとは段違いにた
くましく、凛々しい。と思うのは自分だけだろうか。

 ふう、と息をついて、リフトから降りてきたモモカは先ほどとは
違って、年相応の笑顔を見せてくる。


「なんか用?」

「ううん。いつも通り、遊びにきてるの。モモカがお仕事してるの
見ると、カッコいいから」

 頬をぽりぽりと掻き、モモカも照れを含んだ笑いを飛ばす。


「あ…だったらイツキ。よかったらさ、ちょっと野暮用を頼みたい
んだけど、いいかな?」 

「ん? なに、なに?」

 と、モモカがバケツを取り出してきた。中にはスプレー缶がどか
どかと積まれている。
 嫌な予感が頭をよぎった。
 

「いや…あのさ、スプレー缶の中の塗料が、固まっちゃって。
 空気に触れてると、ペンキって固まっちゃうんだ。イツキ、これ
直せないかな? 固まる前に戻すってのは」

「…………やだ」
 モモカが言い終わる前に、イツキは話を切った。


「……え」

「あ、あたしそんなことしたくない! ……もう行く」

 モモカのきょとんとした表情が、いつまでも頭に重く残る。
 どうせ頭が朦朧としているなら、こんなものも忘れてしまいたい。





 格納庫を走り去ったいつきは、食道に行った。
 喉が渇いたので、水でも貰おうと厨房に向かおうとした時、

「ああ、イツキ。丁度よかったわ」
 と、艦の料理人でもあるテネジーに呼び止められた。

「どしたの? テネジー」
 基本的には人懐こいイツキは、ぴょこぴょことテネジーのもとに。


「うん、ちょっと食材が傷みかけててね。6日前にチーガオで買ったもの
で、皆に作ろうと買い込んだんだけど……」

 ぞわ、とイツキの背筋に冷たいものが走る。いつもならば喜んで受ける
言葉なのに、今はそれが死刑宣告のように冷たく胸に響くのだった。


「イツキなら、新鮮なくらいにまで戻せるわよね? お願いしたいん
だけど」

「い、嫌だ! やだ! 絶対、やだ!」

 あまりにも突っぱねる様子に、テネジーが怪訝な顔をする。

「イツキ? どうしたの、いつもなら喜んでやってくれるのに。
 お願い、ね? 皆に美味しいもの作ってあげたいから」

「やだったら、やだ! ダメにしちゃったんなら、捨てちゃえばいいよ!
 あたしそんなの、食べたくない!」

 パァン、とイツキの頬が音を立てる。テネジーが顔を打ったのだ。


「……イツキ! 食料は今の私たちには大事なものなの。粗末にすること
は絶対に出来ないのよ。捨てるなんてこと、二度と言っちゃ駄目。

 今の状態でも身体には問題はないけど、あなたがご飯を食べると元気が
出るように、美味しいものを食べてもらって、皆に元気を出してもらいた
いの」

 子供を叱る母親のように、テネジーはイツキを見据える。自分だって、
手伝えることなら、皆が自分を褒めてくれるなら手伝いでもなんでもした
いとは思う。

 しかし、直立するだけでも困難な今、イツキの足は疲労からか、再び小
刻みに痙攣を始めていた。そんな様子を、おびえて震えていると取ったか、

「でも嫌なら無理にとは言わないわ、ありがとう。ごめんね、痛かった?」
 と、頭を撫でてくれた。
 そのテネジーの優しい言葉は、イツキにどうしようもないやるせなさと、
申し訳なさを駆り立てる。



「……ふーんだ! テネジーのばーか! アケチと遊んで来るもん!」
 その気持ちを悟られないように、必死に普段の自分を装って、イツキは
厨房を去る。

「んな! こらイツキ、あんたまた先生の所に…! 待ちなさい!」






「ええ、そうなんですよ、イツキ。この間手に入れた古文書のようなもの
なんですが、ファントゥームに何か関わりが!?
 と思ったのですが、ここ。この部分がかすれてて読めないんです、そこ
でイツキ! 是非あなたにお願いしま」

「嫌だ!!!」

 今度はアケチの顔も見ずに、扉を開けて部屋を飛び出す。

 すれ違う廊下、休憩所、様々なところでクルーがイツキを呼びとめる。
 そのことごとく、振り切って駆け抜けた。


 何で、どうして、誰もが自分に何かを頼もうとするのか。
 どうして、落ち着いていさせようとしてくれないのか。
  

「みんな、みんなあたしなんかどうでもいいんだ!
 あたしの持ってるチカラだけがあれば、それでいいんだ……!!」

 誰もいないところに行きたい。一人になりたい。
 どこに向かっているかも分からず、イツキはひたすら人を避け続けて
艦の中を走り回った。




「さて、そろそろチーガオだな」

 クロエがクルーに指示を出していたころ、ユイがやってきた。


「……ユウ君。今艦内を回ってきたんだけど、イツキちゃんが急に駄々を
こねて、皆を困らせてるっていうの」

「え? なにそれ。どういうこと?」



 モモカ、テネジー、アケチ。他多数のクルーの話がしばらくユイの口から
語られる。クロエは頭を掻きながら、難しい顔をして聞いていた。




「ううん…イタズラ好きだしなぁ。わざと意地悪してるのか?
 そういえば、昨日も夜中にあんなところにいたし…」

「でも、身体がだるいって言ってたし、現に医務室の前にいたのよ?」

「でもさ、シンドウさんがいないってのはイツキちゃん自身が言ったんだから、
わざわざ医務室に行くなんて、変だろ? もしかしたら、あれも俺たちに
構ってもらいたくてやったんじゃないのかな」


 クロエが溜息まじりに話す。ユイも首をかしげ、肩を落とした。



「クルーに必要以上に親しくするのも示しがつかないから、注意した方が
いいかなとは思っていたけど…こういう手を使うとなると考えものね……」





 ずん、と静かに着水する衝撃が艦内に響く。

 こと細かな指示をクルーに残し、クロエとユイが出口に向かおうとした時、
一人のクルーが駆け込んできた。


「大変だ、クロエ!」

「あ、あれ? イシナカさん。何ですか、やけに急いで」
 入ってきたのは、汗を軽くにじませたイシナカだった。








「どこだったかな? 以前に会った洞穴にいると思うけど…」

 それから30分ほどしてクロエとユイは、チーガオの森の中に入っていた。
 イシナカの報告は、イツキのことだった。

 港とホエール号が連結し、シャッターが開いた瞬間、イツキは艦を飛び出
して行方不明になった。


 イシナカが急いで追ったものの、慣れない土地の勝手が分からず、見失っ
たのだという。

 話を聞いたユイが「きっとあそこよ」と示したのが、初めてイツキと出会
った森の中の洞穴である。


「……戦いが続いたから、寂しい思いをしてたのかしら…」
 ユイの言葉は、誰に拾われることもなく大自然に溶けていく。

 クロエは己の知らないところでクルーたちの確執が芽生えてしまったことに
軽いショックと責任を感じながらも、頭から振り払うようにすたすたと歩き続
けた。
 
 川を渡る。数日前まで雨続きだったらしく、川の勢いは凄まじい。
 遠くに見えるダムも水を叩きつけられて激しいしぶきを上げている。




「……あった。あれだよ」

 山のふもとにぽつ、と空いた小さな穴がある。クロエはライトをつけて、
水が滴る洞穴の中に入っていく。


「イツキちゃん…!」

 ユイが声を響かせる。イツキは洞穴の最奥で一人、うずくまっていた。
 いつも元気に振る舞っていた彼女の面影も感じられない。


「……う」
 クロエとユイを見たイツキは、怯えた目で二人を見つめる。
 


「どうしたの? 急にいなくなるんだから、びっくりするじゃないか」

「シンドウさんも戻ってきたし、そろそろ出発よ。さ、こんなとこにいないで、
帰ろ?」

 クロエとユイが声をかけたが、イツキはずっと震えている。

「…い、いや…。もうあたし、あそこにいたくないよ…! 皆もう、あたしの
ことキライになったんだ…!」

 頭を抱えたまま首を振るイツキ。

 そんなイツキを、ぎゅ、とユイが抱きしめる。


「…! ……」
 びく、と一瞬驚いたが、頭を撫でながらイツキのそばにいるユイに、躊躇い
がちにイツキもゆっくりと身体を寄せる。

「イツキちゃん、誰もキライになったりなんてしないわ。今は戦っているから、
皆も心が落ち着かない。色々なことがあったかもしれないけど、心から人を好き
でいるあなたを本心から嫌う人なんて、どこにもいない」

 ユイの言葉が、イツキの心に少しずつ響く。


「艦に戻ったら、みんなで一日さ。パーティでもしようか。俺達も戦いばっかり
頭にあって、疲れてるかもしれないしね」

 クロエの言葉に、こらえていたものが溢れてきた。


「ぅ…うう…うわぁーーーんっ」

 今度はイツキからユイに抱きつき、泣き続けた。ユイは静かにイツキを抱き、
背中をさすり続ける。




「さぁ、そろそろ時間だ。夕暮れには出発するから、行こう」

 クロエの言葉で、3人は洞穴を後にした。

 もう、隠しごとをするのはやめにしよう。シンドウにすべて話して、正直に
皆に自分の今の状態を話そう。イツキはそう思った。



 空は赤みがさし、日はチーガオの山に少しずつかかろうとしている。

 橋を渡り、森を抜けようという時だった。





 とたんに、ダムが崩壊し激流が押し寄せてきたのだ。

「ユウ君!」
 ユイが声を張り上げ、二人も水流に気づいた。

「くっ! 橋の向こうまで走るぞ!」 
 イツキの手を引き、クロエとユイが走り出す。だが水は連日の雨で勢いを
増しており、クロエたちをあざ笑うかのように迫ってくる。
 

 ここにあって、思ったより冷静だった。流れがスローモーションに見える
くらい。身体の重さが感じなくなるくらい、気持ちは落ち着いていた。

 イツキは、クロエの手を振り払った。



「イツキ、何してるんだ! 早く、こっちに!」


「……クロエ、ユイ。
 あたし悪い子だから。やっぱり、戻らない」

 イツキの右手は、今までとは比べ物にならないほど輝く。




「…っ、」

 ビシ、と身体中に取り返しのつかない崩壊が始まる。足、腰、続いて腕。
 次々に力が抜けていき、膝を橋に落としながらも、右手だけは下ろさない。


「…そうか…! 時間を遡らせて、水の流れそのものを…」
 クロエが言っている間にも、次第に水の流れは緩やかになりはじめ、激流は
比較的早い流れ程度にまで落ち着いてきた。


「イツキちゃん…!」

 ユイがほっと胸をなでおろした。クロエも汗をぬぐって、


「さあ、行こう。イツキちゃんも、早く…!」

 そう言った時、イツキが見たこともない顔でこちらを見た。子供のような
あどけない表情ではなく、神々しさを持った顔で。 




「クロエ、ユイ。あたしね、今まで自分のチカラと役割を深く考えたことなんて
無かったんだ」



 水は速度をゆるめ、普段となんら変わらぬ流れに戻って行った。


「時間を戻すっていうのは、自然に逆らっていることなんだよね。人は皆、取り
返せない流れの中で頑張って生きている。
 あたしのしてきたことは、人から頑張るっていうことを取り上げてしまうこと
だった。
 
 だから、あたしはもうクロエたちに手は貸せない。それは皆のこれまでの努力
を踏みにじることになるから」


「そんな……」
 クロエは口にしながらも、イツキの神秘的な様子に手が出せないでいた。
 儚いながらも、その眼には確かな意思が宿っている。


「あたしはここでまた、静かに暮らしてく。皆の行く末はあたしが決めるんじゃな
くて、船長のクロエとユイで決めなきゃ」


「……分かった。イツキちゃんがそう言うなら、俺達も自分たちの力で戦う。
 また必ず、会いに来るよ。その時は、アケチも、テネジーも、みんなも一緒に」

 にこ、とイツキはいつもの無邪気な笑みに戻り、
 



「うん、待ってる」




 ―――そうして、クロエとユイは去って行った。
 最後まで我儘言ってしまったけど、何も言わないで聞きいれてくれたのが嬉し
かった。
 

 おかげで、自分の最期は見られないで済むだろう。


「…ごめんね、ホントはもっと、みんなといっしょに、いたかった…のに…」

 右手の光が消える。



 徐々に流れは再び強くなっていき、
 次第に激流と化した川の流れがイツキを飲みこみ、橋ごと叩き潰した。


 


「さあ、出発!」

 その日の暮れ、ファッティホエール号はチーガオを離れた。


「…ユウ君、静かね」
 ユイがぽつり、と寂しそうにつぶやく。


「うん。…何だか、太陽が消えたみたいだ」
 クロエも少し、沈みがちだった。
 
「あたし達をずっと助けてくれてたもんね。ホントに、あたしたちにとっての
太陽だったのかもしれない」

 チーガオの街がだんだん小さくなっていく。それを眺めながら、二人は残った
一人の少女を思う。



「…うん。神様の思し召しだ、俺達は自分の力でカメダ軍団に勝とう。
 全部終わったあと、晴れた空の下で暮らしてるイツキちゃんに会いに行こう」


「うんっ」


 ファッティホエール号は、静かに黒い空に溶け込んでいく。
 雄々しく、美しく。大いなる運命を背負って。

空族祭SS クロル


No.59

■イベント「どういう関係?」 投稿者:クロル 投稿日:2012/03/19(月) 03:13

IMG_000323.png

モモコは、パラダイス・カフェへ来た途端にクロエの仲間の座っているテーブルへと連れて行かれた。
そこには女性しかおらず、他の客とは異なった雰囲気を放っている。状況が飲み込めず、
顔をしかめていたモモコに言葉をかけたのは、サクラだった。
「うにゅー、モモコちゃんってぇ、ヒカリ君とはずばりどういう関係なの?」
「…は?」
思いも寄らぬ質問に、戸惑うモモコ。
そんな彼女とは裏腹に、余裕の笑みを浮かべ、返答を今か今かと待ちわびているサクラ。
両者激しい攻防戦を繰り広げたあげく、
「バカ者!」
と言い残し、その場を後にするモモコ。
「うにゅー…失敗しちゃったなぁ☆」
と天使のような微笑を浮かべる悪魔…もといサクラ。

それから数日、モモコはカフェに来なかったらしい…




No.69

■イベント「どういう関係?2」 投稿者:クロル 投稿日:2012/03/19(月) 03:13

IMG_000323.png

走り去って行くモモコの背中を見ながら、ユイは呟いた。
「恋、なのかなぁ…」
思いのほか声が大きかったらしく、テーブルにいたメンバーの視線は一斉にユイの方へ。
ユイがその事気付いた時にはすでに遅く、サクラはユイにたずねた。
「うにゅー…そんな事言っちゃって、自分こそどうなのぉ?…クロエ君の事、好きなんじゃないの?」
「そ、そんなんじゃないよ!クロエ君とは…その、付き合いが長いだけで、好き…とか、そういうのじゃないから…」
「純朴系幼馴染か、…負けないからね!」
ユイの発言とは裏腹に、敵意を燃やすサクラ。ユイは訂正を願い出るが、彼女の言葉は耳に入っていないらしく、
早速、アピールをしにクロエの元へと向かって行くサクラ。
楽しそうに話をしている二人を見て、ユイは少しだけ胸が痛んだ。 そして、先程よりも小さな声で、もう一度、呟いた。
「恋…なのかなぁ…」





No.82

■モモコED「わたしの宝物」 投稿者:クロル 投稿日:2012/03/22(木) 23:57

IMG_000323.png

サクラに妙な質問をされてから数日…モモコは、久しぶりにカフェへと姿を現した。決して、体調が悪かったから来れなかったのではない。
―ヒカリ君とは、どういう関係なの?
その言葉の答えを、ずっと、考えていたのだ。しかし、どんなに考えても明確な答えは見えてこない。
そんな中、本人に会えば少しは答えが出てくるのではないかと思い、カフェへと足を運ぶことにしたのである。
今日はサクラ達もいなかったので、安心していつものようにヒカリの元へと歩いていった。
モモコに気が付いたヒカリは、そっと本を閉じて、彼女に微笑みかける。
ヒカリは、優しい人間である。モモコは、そう思った。
モモコが本で読んだ事しか知らない外の事を、ヒカリは話してくれる。病気の容態も、しばらくカフェに来なかった理由も、今までにヒカリに聞かれたことは無い。
話しても、きっと、全てを受け入れてくれるであろう。…そういう人なのだ。
そんな事を考えながら、モモコは気が付いた。 これが、恋というものなのか、と。
まだ、確信は持てない。…そんな感情は、初めて抱くものだったから。
「…どうかした?」
じっと立ったままでいたモモコに、ヒカリは不思議そうに言葉をかける。
なんでもないぞ、と言ってモモコはいつものように座った。

代わり映えのない、平穏な日々。
みんなの笑顔、みんなの笑い声。そして、小さな想い。 全てが、宝物なんだ。
こんな時が、少しでも長く続きますように―


空族祭SS ルナ


No.57

■ソネットとツチのイベント集② 投稿者:ルナ 投稿日:2012/03/19(月) 00:59

【ブランシェ連続イベント①】
・パリヴァール、チーガオ、ジパングでのランダムイベントを見ていること。
・ブランシェでうろつくと見ることが出来る。

ツ「よお。ユウ。」

主「ツチじゃないか。ブランシェに帰ってたのか。」

ツ「おう。まあ実はここにいないはずなんだがな…」

主「どういう意味だ?」

ツ「実は今日はネグロに行くはずだったんだがな…帰ってきてから次の派遣先はネグロって言うのを聞いたソネットさんが嫌がってな。無しになっちまった」

主「ネグロ…?ソネットさんが?」

ツ「理由はわからんが…まあ嫌なんだと」

主「ソネットさんらしくないな」

ツ「だろー?俺調子狂っちゃうよ」

主「(…ネグロ…?…まさか、あの手の包帯は…)」

ツ「ん?どうしたんだよユウ」

主「いや、なんでも…(…もしかして…)」

【ブランシェ連続イベント②】
・ブランシェ連続イベントの①を見ていること。
・前回のイベントを見た後にうろつくを選択した後「軍に行く」という選択肢が出るので、それを選ぶ。

(軍)
主「こんにちはー」

ツ「あれ?ユウじゃないか!お前から来るなんて珍しいな!」

主「ああ、うん。…ソネットさんは?」

ツ「ソネットさんなら部屋だ。何だ、なんか用事か?」

主「ま、そんなところかな」

ツ「何があるのかは知らんが…じゃあなー」


主「…(コンコン」

ソ「…はい」

主「あ、ソネットさんですか?ユウです。」

ソ「…どうぞ」

主「失礼します」

(ソネットの部屋)
ソ「…」

主「あの…いきなり来てすみません。実は…」

ソ「…わかったんですね。私の正体」

主「!」

ソ「貴方のその様子を見るとわかりますとも・・・」

主「…じゃあ、ソネットさんは…」

ソ「ええ…この右手の包帯の下には…ネグロの奴隷市場でつけられた奴隷の証がございますとも」

主「…」

ソ「・・・何故私がこの軍にいるのか。元奴隷の私がここにいるのか。話せば長くなります・・・」

「…私はネグロ出身です。ですが、元々の家も、親の顔も、何も覚えておりません。気がついたときには奴隷市場で売られていましたから…それにあの頃の私には名前も無かった・・・ただの人形・・・いや、人形のほうがマシかもしれませんね…綺麗な服を着せられて、ただ立っているだけで満足される。羨ましいですよ。本当にね。」

「そして売られた頃、私は…まだ9歳ほどだった気がします…。奴隷の頃の話は思い出したくもありません…毎日死にたがっていたぐらいしか…どうして自分はこんな運命を辿っているのか…といつも自分自身を呪っていました…」

「…でも、結局は生きたかったんでしょうね私は。ある日、売られたところの家の奴らがパーティか何かで丁度家から出てるときに隙を見て逃げ出したんです。子供ながら必死に逃げ出しましたよ」

「そして逃げて逃げて…私は見知らぬ場所で倒れこみ、体力が底を尽きたらしく、そのまま気を失ってしまいました…」

「…目を覚ますと、そこはどこかの部屋の中でした。寝ている私の横には男の方が座っておりました。目覚めた私を見て彼は喜んでいました。私はその方に助けられたそうなのです。」

「…彼には感謝しています。もう、あまり記憶はないけれど…でも、私のこのソネットと言う名前も彼が付けてくれたものなのです…。それから私は…軍にずっといるのです」

主「…そうだったん…ですか…」

ソ「…嬉しかった…人間として扱ってもらえるのが…そして、私のこの手が彼らの役に立てていたのが…ね…」

主「…ソネット、さん…」

主「(そんなに、ソネットさんはこの軍が…)」

ソ「…でも、でも…」

主「え…?」

ソ「私は…この軍の皆さんや、ツチや…たくさんの方々に癒されている、ハズなのに…なのに…奴隷時代のあの過去が私をいつまでたっても放さないんですよっ…!時々、夢にも出る…!この右手、どうして包帯してるかわかります?奴隷時代に付けられたあの奴隷の証を見ると…それをえぐりたくなるから…!ナイフでも何でもいい、とにかくえぐって、それを無かったものにしてしまいたい…そんな、そんな感情が…!」

主「…!」

ソ「…はは、安心してください…本当にはまだやったことないですから…それにやると、ツチにすぐにばれてしまうでしょうしねえ…」

(ガタッガタガタガタッガタンッ)

主&ソ「!?」

ソ「な…どなたですか!扉を揺らしているのは!」

主「お、俺が出ます…!」

(ガチャッ)

ツ「ソネットさああああああんっ!!」

主「ちょ、ツ、ツチ!?なんでここに…!」

ソ「…まさか…貴方…最初から聞いて…!」

ツ「す、すみません…ユウが妙に暗い顔してたから…ソネットさんに何かあったのかと…」

ソ「貴方は…」

ツ「盗み聞きしてすみません…お、俺…」

ソ「別にいいです…まあ、たとえ聞かれたとしても、これから生活が変わるわけではない…」

ツ「…そん、な……おい、ユウ!」

主「えっ、な、なに?」

ツ「お前、さ…空族、だろ!?お前、いつかネグロの奴隷市場を潰す気無いか…!?」

主「なっ…」

ソ「な、何言ってるんですかツチ!」

ツ「もし、潰す気があるのなら…俺も連れて行ってくれ!」

主「ツ、ツチを!?」

ソ「…ツチ」

ツ「…さっきまでの話を聞いてて黙ってられるか…!絶対、絶対に…!」

主「ツチ、お前…」

ソ「…ツチ」

ツ「ソネットさんが夜中、悪夢にうなされてるの、俺知ってたんだ…時々声が聞こえて、一体なんなのか俺はわからなかった…俺はソネットさんにたくさん世話になった!だからこそ、ソネットさんのその呪縛を壊したいんだよ…!」

ソ「…ツチッ!黙りなさいっ!」

ツ「黙りませんよ今日は…!俺は今日は強気です…!」

ソ「黙りなさい…黙れ…黙れっ!」

ツ「ソネットさん…!」

ソ「あんたに何がわかる…!この、何年も繋がれているこの鎖の強さが!どれだけ切ろうとしても絶対に切れない…この苦しみがっ!」

ツ「…っ」

主「…ソネットさん、俺から、いいですか」

ソ「…なんですか」

主「俺は…」

ツチを連れて行きます←
ツチを連れて行きません

主「ツチを…連れて行きたい…!」

ソ「な…」

ツ「…ユウ…」

主「ソネットさん、出来ることなら、貴方も連れて行きたい…」

ツ「えっ!」

ソ「…へえ、私も…?」

主「ソネットさん…貴方の鎖の重さは俺にはわかりません。強度もわかりません。ですが…その鎖を断ち切ることを諦めていては、いけないと思うんです…!」

ソ「…私は、諦めていないっ!」

主「いいえ、諦めているっ!あんたは!自分の鎖の重さに諦めている!…鎖というものは、段々と錆びていく…確かに鎖は脆くなっているんです!今こそ、その鎖を、断ち切るべきだと思うんです…!」

ソ「…断ち切れるんですか…あいつらを潰すことによって、鎖が…」

主「…やってみなくちゃ、わからないじゃないですか」

ツ「ソネットさん…あの…」

ソ「…くく」

ツ「ソネットさん…?」

ソ「…くくっ…はは、ははは、はははははははっ!」

ツ「ソ、ソネットさん!?どうしたんですか!」

ソ「そうですか。それが貴方の主張、貴方の正義…くくくっ…」

主「…」

ソ「いいでしょう…私とツチ、両方とも、その奴隷市場を潰すときに貴方達を助けましょう」

ツ「!」

主「…いいんですか?」

ソ「…ただし、私はオススメしませんよ。私はいつだって自分の正義にしたがって動く。今奴隷市場はカメダ軍団とやらも関っているそうじゃないですか」

主「…!」

ソ「もし、私がその場でカメダ軍団の方々と出会ったとき、あの方々が私に合っていたら…私はそちらに付くかもしれませんよ」

ツ「ソネットさん!なんてこと…」

ソ「貴方は黙ってなさい…!…どうします?私がその場で裏切ったら…」

主「俺は…」

その時は貴方を止めてみせる
それが貴方の正義ならば止めない←

主「それが貴方の正義だと思ったのなら…俺は止めません」

ツ「ユウっ!?」

ソ「…ふぅん…」

主「貴方を今俺の味方にしたい、というのも俺の正義を貴方に押し付けているだけだ。…どちらが正義だと思い、ついていくかは、貴方が決めることだ」

ソ「…貴方のこと、ますます気に入りましたよ。これは…もっと念を入れて貴方の飛行艇のチェック、しなくては」

ツ「ソネットさん…じゃ、じゃあ…」

ソ「…好きになさい。私も好きにします」

ツ「や、やったー!やったぞユウ!」

主「はは、ツチ喜びすぎ…」

ソ「…なんですかこれは、まるで私が悪者みたいじゃないですか」

ツ「へへ、でも嬉しいです。なんかソネットさんのことが知れた分、仲良くなれた気がするし」

ソ「…気持ち悪いですよ貴方…」

ツ「ちょっと!どうして後ずさりするんですか!変な意味じゃないですよー!」

主「…仲いいなあ…(苦笑」

(ツチとソネットが仲間になった!)





No.83

■ソネットとツチの本当のラストイベント 投稿者:ルナ 投稿日:2012/03/22(木) 23:57

【ソネット最終イベント】
・奴隷解放クエストをクリアしていること
・クリア後、パライソに行くとイベントが発生
ソ「あの、ユウ君」

主「あ、はいなんでしょうかソネットさん」

ソ「…ここって…ミソラさんがいる工場があるところ、ですよね…?」

主「そうですよ。あの工場です」

ソ「あれが…」

主「…ひょっとして、ミソラさんのこと気になってます?」

ソ「う、そ、そういうわけでは…」

ツ「ん?おいユウ、どうしたんだ?」

主「ソネットさんがミソラさんに会いに行きたいって」

ソ「そ、そんなこと言ってませんよっ!」

ツ「あー…はいはいなるほどー…じゃあ俺も付き添ってあげますから行きましょうかお父さん♪」

ソ「……(チャキ」

ツ「嘘です嘘です銃構えないでください」

主「じゃあ俺もついでに行っていいですか?修理とか点検も兼ねて…」

ソ「…だから私はそもそも行くなんて言ってな」

ユ「あれ?ミソラちゃんのところに行くの?あたしも行くー!」

ソ「・・・・・・」

ツ「引き返せなくなりましたねえソネットさん」

ソ「…行きますよ!もう!」

主「(やれやれ」

(工場)
ユ「おーい!ミソラちゃーん!」

ミ「あ、ユイお姉さん!」

ユ「ユウとかツチさんとか、後ソネットさんも一緒だよ!」

ミ「え…あ、ソネットさん!(パアッ」

ツ「ちょっとソネットさん俺の後ろに隠れないでくださいよははは」

ソ「・・・・・・その、お久しぶりです…」

主「また修理お願いしていいかなミソラさん。」

ミ「はいー!わかりましたっ!今すぐに!あ、待ってる間近くで休んでて大丈夫ですよ?」

主「いやいや、俺たちだけ休むのもあれだと思って…」

ツ「まあ俺たちはなんかやることあったら言ってくれ的な」

ユ「じゃあ、私たちは修理のお手伝いね!」

ソ「え、私もですか」

ユ「勿論ソネットさんもですよー」

ソ「…はいはい」

(・・・・・・)

ミ「…(ジー」

ソ「…どうしたんですか?」

ミ「いや、本当にソネットさんのその手、凄いなあって」

ソ「…はあ、ありがとうございます」

ミ「いつから技師やってるんですか?」

ソ「そうですね…10歳ぐらいから…?まあ、軍に入ってしばらくしてからはもうずっと…」

ミ「10歳…凄いです。熟練ってことですね!」

ソ「そこまで言えるものじゃないですよ…;」


ツ「はは、ソネットさんとミソラちゃん、本当に親子みたいだな」

主「だなぁ。」

ツ「…あの人も丸くなったもんだな。」

主「ツチ?」

ツ「…元々、あそこから出たせいか、性格結構きつくてさ、ソネットさん。それでよく色々陰口言われてたもんだよ。俺同僚によくあいつと仲良く出来るなって言われてた。まあ、仲良くしてるとか言われても実感わかないけどな。」

主「でも、本当にツチとソネットさんは仲いいと思うな。」

ツ「そうか?でもよく喧嘩もするぜ?性格全然違うし」

主「まあ、ツチは大雑把だからなあ…」

ツ「うるせえ。まあでも正反対だからこそいいのかもな…ここまで、やってこれたの」

主「ツチ…」

ツ「…ソネットさんさ、お前達のおかげかはわからないけど、夜中うなされることなくなったみたいなんだ」

主「そ、そうなのか?」

ツ「ありがとな。あの人を救ってくれて」

主「…俺たちはただ、きっかけを作っただけだよ。ツチっていういい相棒がいたり、ミソラちゃんっていう教え子がいたり、色んなものがあったからこそ、あの人は今生きている」

ツ「…そうだな…」


ソ「何話こんでるんです」

ツ「うおうっ!?」

ソ「…驚きすぎでしょう!ほら、終わりましたよ」

ユ「ソネットさんのお陰でぱっぱと終わっちゃったよー」

ミ「ソネットさん流石です!」

ソ「…貴方方は私を評価しすぎです…!まったく…」

ツ「はは、ソネットさん女の子にもてもてですねー」

ソ「…(スチャッ」

ツ「ちょっとスパナ構えないでくださいひい俺にだけなんで厳しいんですかソネットさぁん!」

ソ「…ふん、冗談です」

ミ「あはは、本当になんだかお父さんとお母さんって感じですねー」

ソ「ちょ、ミソラさんもやめてくださいよ…!私こんな人と夫婦なんていやです!」

ツ「まさかの全否定…じゃあなんですか誰とがいいんですか」

ソ「誰とでもないですよ…!」

ユ「えっ…じゃあ姉妹二人をお父さんだけで養っていくなんて…かっこいい!」

ソ「…あーもう!あんたたちいい加減にしろっ!」

主「ははは…」

ツ「ははは、ソネットさん照れてる」

ソ「あんまり老人をからかわないでくださいっ!」

主「(ソネットさん、困ってるように見えるけど、結構楽しそうだな)」

ソ「ああ、もう…知りません!(ダッ」

ツ「ソネットさん、待ってくださいよー!俺も行きます!」

ツ「あ、そうだユイちゃん、ユウ、ミソラちゃん。…ありがとうなー!」


主「行っちゃったな」

ユ「そうね。あたしたちも行かないと」

ミ「そうですね。それじゃあまた今度…!」


ツ「ソネットさん!待って…ん?あれ?ソネットさん?」

ソ「…クス」

ツ「…ソネットさんが笑ってる…!?」

ソ「うわっ!?ツチ!?あんたいたんですか!?」

ツ「う、うわあ!明日は槍が降るぞ!おい!やだ怖い!超怖い!」

ソ「人がせっかく笑ったのになんですかその反応ー!」

ツ「冗談ですよー。ねぇソネットさん」

ソ「…はい?」

ツ「…幸せですか?今」

ソ「…幸せ、というものを私は感じたことはないものでね。今幸せかどうか、まだわかりませんけど…楽しいといえば、楽しいです」

ツ「はは、そりゃよかった!じゃあ戻りましょうかー!」

ソ「ちょっと!置いていかないでください!もう…!」

(アルバム登録完了)

【アルバムの文】
あの後、軍で技師の養成学校を作ったらしく、そこでソネットさんはこれから技師を目指す者達に教えているらしい。
そこの生徒達には最初は厳しく感じるが、慣れてくるといい先生だ、という感想が多く、とても高評価を貰っている。
ミソラさんに教えていたように、彼は元々先生の才能があるかもしれなかった。
一方、ツチの方はその養成学校の護衛職についているらしい。
その職に就きながらもソネットに会いに行き、よく生徒たちの前でわいわい前のようにやっているそうだ。
その姿はどう見ても親友…それ以上の何かがあるのかもしれない。
それくらい彼らは仲がいいのだろう、彼らは共にいるのだろう。
これから先、彼らの噂を聞くのが楽しみだ。

「…俺たち仲良しですもんねーお父さん♪」
「・・・・・・あーはいはい、そうですねー…お母さん…」
「うわあまさか返してくるとは思いませんでしたよ」
「ふん、貴方だけがいうとでも思いましたか大馬鹿。わかったら馬鹿なりに私の護衛をずっとしてなさい。」

空族祭SS usuki


No.25

■捏造祭り連続イベント「古代遺跡の真相(2)」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/12(月) 22:04

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カ「……今日集まってもらったのは他でもない、我等の目指すファントゥームについてでやんす」
バ「かつて、我等の文明より以前に、遥かに高度な科学技術を擁した古代文明が存在した……そういう解釈でしたね」
ス「ハッ、もったいぶるなよハカセ。一体何が言いたいんだい?」
ジ「今回、さまざまな遺跡や古代文明のかけらなんかを解析した結果、その解釈を改める必要が出てきたんだよね」
バ「ええ。古代文明の終焉は我等の求める『不死身のゴーレム』による文明破壊と考えられてきましたが――」

「――それ以前に、世界は既に滅亡していたのです!」

カ「な、なんでやんすとぉー!?」
ヨ「うるさいわよ団長。……ババヤガン、どういうこと?」
バ「フム。言うなれば、今我々が成立させた文明を『三巡目の世界』とでもしましょうかね」
バ「ファントゥームに眠る『不死身のゴーレム』による文明滅亡が起こったのが『二巡目の世界』」
ジ「……つまり、このファントゥームなる浮遊都市は、『不死身のゴーレム』による文明破壊、
 それ以前の『一巡目の世界』で作られた、ということでいいのかな?」
バ「その通り……もっとも、一巡目、とも限りませんがね」
ヨ「……まさか。この世界が、何度も何度もやり直されてるって言うの?」
カ「あ、頭がこんがらがってきたでやんす……」
ス「ヘイ、ヘイ、ハカセ。そいつはちょっと話がブッ飛びすぎじゃないのかい?」
バ「あなたの鳥頭ほどトンじゃいませんがね。ジオットに集めてもらった遺物も用意してきたのですが、
 まあそれは後ほどとして……とりあえず、こちらの石版をご覧下さい」
ヨ「ええと……空飛ぶ島が浮かんでる?」
カ「地面は竜巻、洪水になってるでやんすね。刻まれた古代文字は……」
ジ「『女神』『天変地異』……『方舟』……」
ス「それくらいオレでも知ってるぜ。方舟伝説、だろう?天にまします我等が父を讃える連中のよく唱える文句さ」
バ「それが、事実……『一巡目の世界』で起こった文明破壊の可能性があるとすれば?」
ス「……マジかよ?」
ヨ「なるほど。神話のベースとなった出来事があってもおかしくはない、と」
バ「そういうことです。文明破壊をその方舟――空中都市は遺産を乗せたまま生き延びた。
 しかし、何がしかの理由で、再びそこも遺棄され、遺跡と化した――」
ヨ「そして、『二巡目の世界』に至るわけね。で、また人間がその空中都市に足を踏み入れたと」
バ「……では、こちらの資料をご覧下さい」
ス「ヒューッ……こいつぁ、タマゲタぜ」
ジ「空に舞う要塞。戦闘機と、竜……それに対して、地上の……球体の異形の戦争?」
バ「これがおそらく『二巡目の世界』で起こった出来事。そのクライマックスが――」
ヨ「ゴーレムの出現……!」
バ「そういうことです。後は、数多ある伝承の通り、ゴーレムが世界を焼き払い……」
ジ「我々のいる『三巡目の世界』がやってきた、というわけだね」
バ「そして、これは推測になりますが――ゴーレムは『二巡目の世界』の兵器群を跡形も無く抹消したことになりますね」
ス「それがどうかしたのかよ?」
カ「……なるほど。文明を破壊できるほどの超兵器が、途端に現れるのも妙な話でやんすね」
バ「はい。おそらく、『ゴーレム』は何かの脅威に備え、空中都市にもとから封じられていたモノと考えられます」
ジ「つまり、ゴーレムは『一巡目の世界』の産物ってところなのかな?」
バ「……と考えるのが自然でしょう。まあ、一体何に備えてそんな超兵器を建造したのか――
 実に、興味深いところではありますが、ね」
ヨ(ゴーレムの力……世界を灰燼に帰すような力で対峙しなければならない『敵』って、一体――)

■設定補足
10裏の某ラスボスのセリフが元ネタの展開。
古代遺跡ファントゥームは竜族の産物でも、古代人の手になるものでもなく、
そのさらに以前から存在する、超々古代文明によるものであるらしい。





No.46

■捏造祭りイベント「星に願いを」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/16(金) 23:41

夜のファッティホエール号。
海上に停泊した我等が母船のデッキの上に、俺――クロエ・ユウは顔を出していた。
警備も兼ねて船内をぶらついていたわけなのだが……

「ん……明かりもつけずに、デッキの上に誰かいるぞ? あれは――」

見覚えのある人影。こんな変哲な場所で出会うヤツと言えば――

「なにやってんだ。夜風は身体に毒だぞ、エンゼル」

潮風に髪の房を揺らしながら、夜の帳を見上げていた少女が振り返る。
……あんまり驚いた風がないのは、耳がいいからか、それとも勘が鋭いからなのか。

「あ、クロエ? へへー、運が良いね」

俺を認めるなり、まんまるな笑みを浮かべたエンゼルが指で天上を指し示してくる。

「へ? なにがだ?」
「ほら、空見てごらんよ、空」
「?」

導かれるように見上げた夜天は、さしあたってどこも変わり映えなどないように見えたが――
ふいに、視界の端を掠めた柔らかな光に、目が吸い寄せられていた。

「――さぁさ、その眼で篤とご覧あれ!」
「……!」

並び立つエンゼルの喝采のもと。
闇に瞬く星々の間をすり抜けるように、夜天を滑る幾重もの光の文目。
切れ目無く絶え間なく、闇の彼方より降り注ぐその光の名は――

「……流星――か」
「うん。西の空、双子座の向こうから流星群が来るってね。いつか、その日取りを教わったような気がしてさ」
「凄いな。星読みの術まで心得てるのか」
「まあね。色々、英才教育で叩き込まれましたから……」

微妙に渋い顔でぼやくエンゼルは、そのままついと星空に視線を飛ばしてしまう。
なんだか突っ込むのも気が引けて、しばらく黙ったまま、俺も流れる星々の競演を眺めていた。
……二人の間に横たわる沈黙。けれど、それは決して気まずいこともなく。
むしろ、不思議と心地良い時間なのだった。

「さって、これだけ星が来てると、願い事し放題だねっ!」
「願い事?」
「あれ、やらないの?流星が流れるまでに三度願いを唱えられたら、それが叶うってヤツ」
「……いや、俺は初耳なんだが」

きょとん、とした表情でしばし見つめあってしまう。
むしろ、俺にとっては流れ星は死者の象徴とか、そっち系のイメージのほうが強いのであるが。
どうも、エンゼルにはまた違うファクターを示すもののようだ。

「? ……あっそうか、これは極東のほうのまじないだったっけか」
「へえ……そんな風習もあるんだ。ホント、エンゼルは物知りだな」
「そ、そお?えへへ……」
「んじゃ、オレもやって見るとするかな――」

……とりあえず、適当な願いを選定して、脳内で反復。
よし、ならばいざ――来た、星来たッ!

「――って、うわ! ム、ムリだろこれ!?」
「そりゃそうさ。あんまり欲深いと、お星様に見放されるよ?」

唸る俺にニヤニヤと、エンゼルが笑みを零してくる。む……なんだか思考を見透かされた気がします。

「……つーか、それじゃ大したお願いもできないんじゃないか?」
「あはは。ま、そう思うよね。確かに至難の技なんだけど……
 難しいからこそ、本当にできたなら、願いがかなえてもらえそうじゃない?」
「……そういわれれば、まあそうなんだろうけど……よし、もう一回……!」

………
……


「くあーっ!全然ムリじゃねえかー!!」

夜空のバカヤロー!のノリで、絶叫をあげてみる。
試行錯誤を繰り返すものの、まるで上手く行きゃしないのである。

「……ムキになるもんでもないと思うけどなー」

苦笑しながら肩を竦めるエンゼルの所作も、もはや俺を煽る結果にしかなっていない。

「くっそー!」

我知らず熱くなっていたのか。思わず、デッキを蹴って夜空に向かって跳躍し――流星に向かって大きく手を伸ばしていた。
ほんの一瞬の無重力。精一杯伸ばしたその腕が、流れ行く輝きに重なり――けれどその手は何にも届くことなく、夜風をかいて。
掌をすりぬけた流星は、まるであかんべーをするように最後の煌きを見せて、無音の闇へと解けていった。

「……なにやってんのさ?手ぇブンブン振り回して」
「いやな。この手で逃げてく星をふん掴まえて、その間に願いを唱えるとかできないかなー、ってさ」

と、割合本気にぼやいてみれば。

「…………」

あんぐりと。エンゼルが、俺のことを見やっていた。
……俺、そんなにヘンな事しただろうか。

「……エンゼル?どうした?」
「……ああ、いやね。ヒトにはそういう発想もあるんだなー、って、関心してただけ」
「む。ガキっぽいとか思ってないか?」
「ううん。あたしには思いつかなかったからさ、ホント」

エンゼルの面差しに、食ってかかるような気勢も、いつの間にか削がれていた。
眉根を寄せて、うっすら苦笑い。その顔が――本当に悩んでいるような、そんな表情だったから。

「そうか?」
「うん………なんていうかさ。困るじゃない」
「困る?」
「そ。もしこの手を伸ばして、星に手が届いてしまったら――
 次からは、一体何に願いをかけたらいいんだろう、ってね」

1331908743470.png

「エンゼル……」

……なんとなく、言いたいことはわかる。欲して届かないから宝物。
幻想は触れられないからこそ美しく、神秘たりえるモノ……
だから、決して触れてはいけないものだと。そう、エンゼルは思っているのだろう。
古風というか、信心深いというか。いや……そういう領域の話じゃないのかもしれない。
彼女に言わせれば、それは――

「つまるところ……ロマンがない、ってか?」
「! そう……そうだね。そんなカンジかな」

その刹那に、彼女の顔に去来した表情はなんだったのか。
すぐにいつもの笑顔に溶け込んでしまって、よくわからなかったけれど。
なぜだか、それが――ひどく、胸をざわつかせていた。

「心配しなくたって、星に手は届かないって。あの星たちだって、ホントは宇宙の彼方にあるんだし」
「………あらら。もうちょっとロマンチックなお答えを期待したんだけどなー」

……む、我ながら、確かにちと失敗だったかなと思う。
やりなおしー、と言わんばかりに、エンゼルが何かを思いついたようなイタズラっぽい表情を浮かべてきた。

「じゃあさ。その星はどうやって輝いてるか、知ってる?」
「う……そ、それは」
「ふふん。それじゃああたしが一つ、お話をしてあげましょう!」

くるり、と裾を翻し、流星雨の下でエンゼルが諸手を上げる。
決して届かないハズのその一条の光が、まるでその掌に吸い寄せられるように瞬き――

「こうやってさ。夜空にかけた無数の願いを、流星に運んでもらうんだ。遠く、天の果てにさ」

……思わず息を呑む。見開かれた瞳――細く薄い瞳孔を閃かせる、青き双眸が孕んだ魔力ゆえか。
語るその表情は透徹として穏やかで……それでいて、まるで知らぬ誰かの語りを聞いているようで。

「世界中の人たちの願いを、星は連れて夜天を翔ける。その願いが、また次の願いを連れていく」

釣られるように見上げた夜空のしじまに、瞬く無数の星たちの囁きを聴く。
――無論錯覚だ。だけど……今はそれも、全てが当たり前のように感じられた。
呑まれているのだろう。エンゼルの語る物語……彼女の生きる世界《ロマン》に。

「……だから、夜空はこんなにも美しい。沢山の誰かのした、輝くばかりの願い事で溢れかえってるんだから――」

ゆるやかな所作で、つい、とエンゼルが俺に視線を滑らせてくる。
はにかむように形作られた何時も通りの表情に。ふっと、その厳粛な雰囲気が霧散した――気がした。

「……なーんてね。どうかな?」
「……ああ、面白い解釈だな。なるほど、確かに――綺麗なわけだ」

……敵わない、そう思う。こと、この子の世界を見る目の澄んでいることといったら。
それこそもう、感嘆のため息しか出ないほどに。でも、そうであるのなら――

「なぁ、エンゼル」
「なーに?」
「おまえは……あの星に、何の願いを託したんだ?」

何気ない風を装った俺の問いに一瞬だけ、それとない間を置いて。

「…………家族……故郷のこと、かな。うん、そんなとこだね」

エンゼルは、なんて事もないように、そう返してきた。……その言葉に、多分偽りはないのだろう。
即ち――それが、彼女の届かない宝物。切実な、叶えられることのない想いの吐露。
それをどう受け取ったものかと思案するひとときの間に。

「……そろそろ、おしまいだね」
「ん……」

名残惜しむようなエンゼルの言葉に、流星群の終わりを悟る。
タイミングを逸した疑問は、ただ漠然と胸の内に溶かすにまかせておいた……いささかの、消化不良ではあったけれど。

言葉は交わさず、俺達はただ並び立って――夜天のショーの閉幕までのわずかな時間を、共に過ごしたのだった。





No.55
■捏造祭り連続イベント「古代遺跡の真相(4)」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/18(日) 19:45

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鋼鉄の翼――ギリュウによって空を翔ける力を得た青年は、
もう一つの願望をかなえる機会をも得ていました……かつて離れた、地上の様子を知ることです。
彼の『祖国』は、隣接していた巨大軍事国家『帝国』によって征服され、
青年自身は近海の同盟国に亡命する最中、海難事故にあったのでした――以来十数年。
地上の情報は、一切彼には届いていませんでした。

十数年の間に、地上では『帝国』が世界最大最強の統治国となっていました。
その統治法を見て、青年は慄然とします。併呑した属国を次々に植民地と化し、現地の民を奴隷の如く管理していたのです。
……当然。美しき彼の『祖国』も、帝国の蹂躙を免れませんでした。
自然は切り拓かれ、老若男女問わず、労働力として馬車馬のように使い殺されていました。

空中都市に戻った青年は、少女に懇願します。「仲間を救いたい」と。
最後まで難色を示していた少女でしたが、青年の再三の願いについに折れ、条件をつけて彼の願いに応えました。
青年はまず、民を取り戻す『力』を備えることにしました。
ギリュウを改装し幾許かの武器を設え、自律駆動する機体を建造。度々、地上にゲリラ的な攻撃を仕掛けてまわります。
こうして青年は、虐げられていた同胞を少しずつ天上の都市に招き入れ、空中都市の外縁部に住まわせるようになりました。
救世主として帰って来た智謀の青年……かつての王子を、民は畏敬の念を籠めて『王』と呼ぶようになったのです。

『王』は一部の民に自身と同じ《知恵》を授けます。
青年がかつて少女に受けたソレのように、身体に遺跡への接続ポイント――呪紋を刻み、
遺跡の膨大な知恵や技術を自由に検索することが出来るようになった人々……偉大なる古代の叡智を繰る『碩学』(せきがく)を生んでいきました。

『王』を中心とした、超古代文明の知恵を継承する空中都市国家・ファントゥーム。
その繁栄は凄まじく、成立から僅か十数年で、地上の文明を遥かに凌ぐ高度な科学技術を有するに至っていました。
彼を尊敬する沢山の人々に囲まれた『王』の傍らには変わらず、美しき『姫』の姿がありました。
二人は民に祝福され、楽園で仲睦まじく暮らしたということです――


エンゼル「めでたしめでたし……とまあ、さわりだけですが。こんなお話だったのさ。」
アケチ「ふむ。東洋のほうに伝わる、天女の伝説にも通じるところはありますね」
エ「あるいは竜宮城とかね。うん、あれも良い話だよねー」
クロエ「……難しい話はいいけどさ。それが、エンゼルの里に伝わってた伝承なんだ」
エ「あたしもお父さんに聞いた話だからね。代々、語り継がれて来たって話だけど……」
ク「レッドさんにか……」
ア「クロエくん、どうしました?」
ク「……ああいや。なんでもないよ。ありがとうエンゼル」
(なんだか、違和感があるな。
 ……レッドさんなら、何か知っているのかな?)


■ランダムイベント・語り部レッド

ク「レッドさん。釣れてますか?」
レ「おお、少年。外道ばっかりだけどな。……今日はどうした?オレの出番か?」
ク「ああ、いや。大した事じゃないんですけど……
 エンゼルから、レッドさんがしてくれたっていうファントゥームにまつわる御伽噺を聞いたんですよ」
レ「……ああ、アイツはあの話が大好きでね。今お前さんたちに同行してるのも、それが原因だろう」
ク「ええ、そりゃ熱心に語ってくれました。……で、ちょっと気になったんですよ」
レ「なんだ?」
ク「あのおはなし……あそこで終わってるんですか?」
レ「………どうして、そう思うんだ?」
ク「いや、なんというか。ロマンはありますけど、なんだかあっさり終わりすぎてるような感じがして」
レ「………鋭いな、少年。親心ってヤツかな。……ことに、アイツにはこの続きは聞かせたくはないんだ」
ク「……?というと?」
レ「御伽噺ってヤツはな。美しい幕引きはあっても――幸せには終わらない、ってことさ」
ク「! ……グリム童話とかみたいに、ですか?」
レ「ああ、そんなところだ。もともとが、何かの教訓を子供にも判りやすいように伝えるためのモンだから、当然っちゃあ当然なんだがな」
ク「教えてもらえませんか、その続きを。一つでも、手がかりが欲しいんです」
レ「……いいだろう。その話はな。こう続くのさ――」



……ですが。平穏は長くは続きませんでした。
発展した技術は、人の欲望をも肥大させるものです。
虐げられていた民の行き場のない憤怒は、一つの願いとなって結実します。

――かつて奪われた祖国を取り戻す。

空中都市の民達からそんな声が出てくるのも、当然の帰結でした。
……王は悩みます。姫は表情を曇らせています。戦いを望んでいないことなど明らかでした。
しかし……青年は、既に王だったのです。臣民の声を無下には出来ず、祖国を取り戻すための行動に打って出ました。

先ずは交渉。先進的な技術を武器に、帝国に割譲を迫る――
武力衝突をしないで済むならそれに越した事はない、という判断でしたが……帝国は、これを拒否。

頑なに開戦を拒み続ける姫に対する罪悪感に蓋をして――王はついに決断します。
ギリュウ飛行戦隊を旧祖国領に投入、大々的な奇襲攻撃を敢行したのです。
その戦果は絶大。瞬く間に祖国の主要都市のほぼ全ての奪回に成功しました。

ですが、帝国も無策で矛を交えた訳ではありませんでした。
地上の遺跡から発掘された機械人形……『システム』を、不完全ながらも運用していたのです!
ギリュウは空陸において優秀な兵器ではありましたが、こと陸戦においては、頑強なシステムに分がありました。
そしてなにより……配備された機体数に、大きな開きがあったのです。
結果、粘り強い陣地防衛戦、歩兵同士の会戦では、帝国側の優勢という事態も少なからず起こっていました。

いつしか、戦況は膠着していましたが……実の所は、両者ともに逼迫した状況にありました。
空中都市は資源に乏しく、生産力に問題を抱えており……
対する帝国側は、空中都市のさらなる超兵器に対する恐れを捨てきれませんでした。

均衡を破る切り札を、両者ともが模索する中――
王には、塞ぎ込んでいる少女を慮る余裕は既になくなっていました。
他の碩学達と共に、探索し尽くした蔵知を再び走査している時――今まで、遺跡内部で踏み込んだ事のない領域があることに気づきます。
それは遺跡中枢の一角……物理的、電子的、魔術的と三重に張り巡らされたプロテクトによって、外部からのアクセスを拒み続けた施設。
王は、その施設の解析に取り組みますが――その最中、えも言われぬ違和感に囚われます。
その施設に注ぎ込まれるエネルギー分配量や資材が、あからさまに過剰なのです。
まるで、その小さな一角の為に、この空中都市全て存在しているかのようだ――
そう王は訝り、より遺跡を知悉する姫に、その施設について問いかけます。
……返答は簡潔でした。

それに触れてはならない……「禁忌」である、と。

姫の鬼気迫る雰囲気に、さしもの王とて、その施設の解析を差し止めざるを得ません。

そんなある日。空中都市に、衝撃が走りました。祖国一帯が、帝国の放った秘密兵器によって壊滅したというのです!
調査に出たギリュウが捉えたのは、一面の荒漠たる大地。もうもうと降り注ぐ灰に、歪に枯れ果てた植物に奇形化した動物――
遺跡の蔵知が、その惨劇の元凶を王に教えます。

……反応弾。

それが祖国を焼き尽くし、向こう一世紀間、草一本生えない死の大地に変えた悪魔の兵器の正体でした――



■都市外縁プレート

都市の外側に位置した浮島。都市を囲うように配列していたらしい。
自然に満ち溢れ、無数の動植物が住まっている。下から移住してきた人間を受け容れた空間。
現在、伝わっている都市の伝説からは確認できない部分。





No.66
■捏造祭り連続イベント「古代遺跡の真相(5)」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/20(火) 20:48

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多くの碩学の分析の結果――
祖国を焼き払った反応弾は、火を吹きながら自発的に空を翔け、狙った所で爆発する。
そのような砲弾であることが明らかになりました。その意味するところに、民に動揺が走ります。
この高空にある空中都市すら、その兵器は射程に収めているのではないか……
そのような恐怖が、じわじわと民の間に広がっていきます。

民の帝国への恐怖が、王に救済を求める一方――それより何よりも、王の憤怒は激しかったのです。
王は力を欲し……その執念が、再びあの『禁忌』とされた施設の解析に向かいます。
憑かれたように試行錯誤を繰り返し――ついに、その鍵の開錠に成功したのです!

一人、遺跡の最深部に向かう王。それを、止めようとする者がいます。
姫でした。あの件から人が変わったような王を、必死に留めようとします。
「それは大いなる災いを呼ぶ」――と。
ですが……それも敵いませんでした。
王は完全に掌握下においた遺跡の機能を以って、姫を閉じ込めてしまいました。

やがてその施設に足を踏み入れた王は、目を見張りました。
真新しい一体の巨大な機械人形が、何かを待つように鎮座していたのです。
これこそが空中都市の本丸……人型封神兵器『ゴーレム』の威容でした。

操縦法も装備も何も解りません。ですが、王は直感します。
ゴーレムに手をかざし、念じました。「時は来た」――と。
すると――何かの繋がる感覚とともに、ゆっくりとゴーレムが目蓋を開きました。
王の憤怒と、憎悪に応えたゴーレムが、永き眠りから目覚めたのです!

……その起動と同時。
莫大なエネルギーがゴーレムに注ぎ込まれ、空中都市の大部分が機能を停止した事も――
その影響で多くの人々が暮らす外縁プレートがことごとく滑落した事も――
王の意識にはもう情報として入ってきてはいません。
機械を通し、王とゴーレムは一体化を果たしていたのです。その中枢に刻まれた、根源命令もそのままに。

《作戦:『最終戦争』。その大地もろともに、全ての『敵』を撃滅せよ――》

崩落する空中都市から虚空にその身を躍らせたゴーレムは、その全身から光とも稲妻ともつかないものを次々に奔らせました。
滑らかな弧を描き、その一つ一つが大地に降り注ぐたび――ひとつの国が滅びます。
まさに神が如き――あるいは、悪魔が如き力でした。
ゴーレムに導かれるまま、王は破壊を繰り返し――世界を、瞬く間に火の海に変えてしまいました。
滅び行く文明、燃え尽きる世界を見やっても、王になんの感慨もありません。
もはや王の意識はそこにありません。ゴーレムの核として取り込まれた彼は、ただの部品に過ぎないのです。

……そんな王=ゴーレムの前に、一つの影が立ち塞がります。空中都市から舞い降りた、一体の白い竜。
白雲を思わせるその美しい姿。怒っているような泣いているような、悲痛な咆哮が、天を震わせます。

眼前の全てを破壊しようとするゴーレムの動きが、明らかに鈍りました。
王=ゴーレムは識っているのです。彼女が――その竜が、一体誰なのかを。
ですが、ゴーレムは止まりません。その腕を振り上げ、稲妻を放ち、眼前の脅威を撃ち砕こうとします。
……その一瞬の躊躇いで十分でした。白い竜が、その顎でもって、王の収まったゴーレムの喉元に食らいつくには。

世界を塗りつぶすかのような、眩い光が走ります――

一刹那の後。至近距離で放たれた雷弧は、白竜の半身を焼き。
同時、王は、噛み千切られた部品と共に、ゴーレムから引き剥がされていました。

破られた逆鱗、血の涙を流しながら――もはや白竜は、飛ぶことも敵いません。
薄れ行く意識の中。彼女は、奪い返した彼を、やわらかく抱きしめました。
……ごめんね、と。ただ、それだけを思いながら。

彼にも、まだ意識はありました。ゴーレムに力を抜き取られ、もう、身体も満足に動かなかったけれど。
包み込むような熱を逃すまいと、能う限りの力で強く、その温もりを抱きしめました。
……すまなかった、と。ただ、それだけが伝わるように。

落ちる落ちる二人。永い永い一瞬の意志の疎通。
全てを包む空から追放されるように――深い海に、二人の姿は、消えて行きました。

……その様を、冷たい機械の双眸で見送って。
ゴーレムはそれ以上の行動を止め、遺跡へと帰っていきました。
その姿に何かを思ったのか――それとも、標的が無くなっただけなのか。それは誰にも、わかりません。

かくして世界は灰と還り……孤島は未だ空を舞い続けます。
これが、初めてのことだったのでしょうか。それとも……
それも誰にもわかりません。
けれども、その空中都市は、今でも空の何処かで、やがて訪れる誰かを待っているのです――

…………
………
……



レ「……っていう話だったのさ、本来はな。それを、オレがアレンジした」
ク「………哀しい、話ですね。エンゼルがこれ聞いたら、どう思うのか……」
レ「それは―――そこに隠れてるのに、直接聞いてみたほうが速いだろうさ」
エ「!…………」
ク「え、エンゼル?」
エ「……ごめん、クロエ。こそこそ出かけていったから、後をつけてったの」
レ「……いい機会だったろう、どら娘。おまえが目指すファントゥームってのは理想郷じゃない。
  もっと、剣呑ないわくのある場所なのさ」
エ「………でも、あたしは行くよ。ううん、なおさら行かなきゃなんなくなった」
レ「なぜだ?」
エ「そのゴーレムってヤツは放っておけないしね。それになにより――二人が、どういう関係だったのかわからないし!」
ク「二人って……王様と、竜が?」
エ「そ。もとから疑問だったのはそこなのさ。それを突き止めないことには、夜も眠れないしね」
レ「やれやれ……その妙なところをほじくり返すその好奇心はどこから湧いて出るのかね」
エ「さあねー?誰かに似ましたから。それじゃあね、父さん。 クロエ、帰ろう!」
ク「あ、ああ。って、待てよエンゼル!」
レ「――少年」
ク「はい?」
レ「うちのどら娘――エンゼルを、よろしく頼む」
ク「………はい! じゃあ、また!」
レ「おう、人手が必要ならまた来るといい――」
レ「…………」


レ「……… 二人……竜と人間が、同じ世界を分かち合うことができた楽園、か――」



・補足


■反応弾
『帝国』が発掘した最終兵器。
……ようするに弾道核ミサイル(ICBM)。
純粋水爆には程遠く、爆心から範囲数十キロは凄まじい放射能汚染に見舞われる。

■ギリュウ
地上……奪回した『祖国』にも前線基地が構築され、ギリュウやその他先進設備が設けられていた。
反応弾によって吹き飛ばされなかったものはそのまま残り、三巡目の世界の遺跡となった。


■なんで遺跡からシステムが出てこない?
システムはそもそも『ガンダー』が破壊しようとしていた組織のもの。
ゆえにサーチ&デストロイされてしまった。
ギリュウはガンダーからは一応友軍識別されていたため、広範囲攻撃の巻き添えをくらったもの以外は逃げ延びている。

■崩落する空中都市
地上から逃れてきた多数の人間が暮らしていた外縁プレートが、ガンダー起動の余波で崩落。
空中都市に残っていた人間は、崩落しなかった中心部――ファントゥームに残っていた碩学らのみとなった。
……もっとも、肝心要の中枢がほぼ機能停止していたのではあるが。

■呪紋
……ファントゥームにアクセスしその蔵知を探索するために、『王』が同胞に刻んだ紋様。
王亡き後はその技法は失われたが、女系遺伝をするものだということが発覚。
生き延びた碩学たちはその後地上に散り、今で言う『鍵を握るもの』となった。






No.73
■捏造祭りイベント「ヒーローは遅れてやってくる」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/21(水) 22:55

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レ「そうだな。おまえの妄念、おまえの憤怒は正しく――
 その苛烈さゆえに、己が身と世界を灼く。無関係の人々を巻き込んでな」
ジ「もとよりそれが望みだ。ボクの命ひとつで世界が変えられるなら、安い物さ」
レ「……変わらんさ」
ジ「なに?」
レ「長いこと生きていると、色々見えてくるものだ。人はどうしようもなく愚かしく、
  同じ事を何度も何度も繰り返す。とてもこの星の未来を担えるとは思えない」
レ「だけども、同じくらい人は美しい。流れ行く人波の中で、星屑の如く生まれては消える願いと夢、そして……愛を見てきた」
ジ「……ああ、同感だ。確かに人は美しい。だから、美しいままに終わるべきなんだ。
  つまらない拘泥をするから、世界は腐爛し、美しきものは皆、亡者と化してしまう」
レ「亡者とはおまえのことだ。今に干渉できるのは、今を生きる者のみ……死者は、引っ込んでいればいい」
ジ「面白いことを言うね。……だが、やめないよ。ボクが、この世界を終わらせてみせる……!」
レ「……だろうな。走り出した狂気は、止まることを知らぬゆえに狂気たりえる」
レ「然らば、腕づくで止めるしかあるまいな。あの少年にはいささか荷が重い。おまえの相手は――オレの役目だ」

レ「――変身」

ジ「!!」
?『この身に鎧うは血の紅――今なおオレを灼く、煉獄と罪の色』
ジ「真紅鱗の……竜人……!?」
?『ヒトから出でし悪鬼羅刹よ。その心がけは真に天晴れだが――残念だな。そこは、オレがもう五百年前に通った道だ』
ジ「まさかキミは……いや、あなたは……!」
?『そうとも。我は伝承に死せる大悪……あかがねの悪竜。かつて『魔王』と呼ばれた厄災――』
ジ「く、くく……いや、なんとも業の深い話だね。こんなところで『大先輩』と出逢うとはさ」
?『ああ、まったくだ……歯ぁ食い縛れや青二才。キッツイ灸を据えてやるよ……!』

■捕捉

・変身!

負担の大きい全身変化から、コンパクトにまとめ変身継続時間に重きを置いた、レッド独自の竜変化。
(……過去の一件から、彼自身が本物の竜変化を嫌っているフシもある)
彼曰く、ただの変装。ただし、体表面に纏う紅の竜鱗(スケイルアーマー)は紛れもなく本物で、
そのあまりの硬度は、現代兵器で貫くことを許さない鉄壁の守りを誇る。
マナを爆縮させ、エーテルの風に乗り軽やかに翔けるこの埒外の生物は、
このサイズの生命体としては異常なほどのパワーとスピードを以って、敵を蹂躙する。

・魔王

ジオットが昔妹に読んで聞かせた、この世界ではポピュラーな御伽噺に登場する『あかがねの悪竜』。
姫をさらって世界を征服しかけるが、やって来た勇者に討伐された、という筋書きのよくある話。
……そんな簡単に、竜が死ぬわけもないのではあるが。
古代遺跡の一件以降、竜種は基本的にヒトとの関わりを断つ事になるが、
例外的にこのような人類社会に対する義憤から人類種に牙を剥く竜種がいないわけではなかったようだ。





No.95

■捏造祭りイベント「ロマンは此処に」 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/23(金) 23:53

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(ファントゥーム最深部)

「だいぶ奥まで来たけど……ううん、方向感覚が狂っちゃって、よくわかんないなー……っと!」
(ズドン!)←殴打音
「鬱陶しいなあ、護衛ロボット……あーぁ。折角頑丈に作ったのに、薬箱、歪んじゃったじゃない」
(グラグラグラ……)
「……上は上で相当派手にやってるみたいだし。クロエたち、大丈夫かな……」
(ズドォン!!)
「きゃ……っととと!?危ない危ない……って、あれ?」
「崩れた壁の隙間に……部屋?ここは……なんだろ、銀行の巨大な扉みたいな?」

(ガコン……)

「……術式施錠? パスワード……んー……もしかして!」

《――ア・イ》

「……開いた!やっぱり……」
(まるで……竜の卵……方舟……揺籠みたい?)
「中に居るのは……男の子?」
「…………」
(生きてる……というか、甦ってる!?)
「…………眠い。うう、コールドスリープは身体に堪えるな……」
「竜……違う、人……でもない。まさか……」
「……姉ちゃんか、オレを起こしたの」
「あ、え、えっと。キミは……」
「ん?オレは……『ソウ』」
「ええと。ソウくん……は、なんでここで?」
「大きな戦がはじまるから……って、母さんに言われてさ。それからずっと、眠ってたんだけど……」
(……ってことは……あの伝承の時代から、ずっと冬眠してたっていうの!?)
「ところで姉ちゃん、ここに来るまでに、誰かと会わなかった?」
「!……もう、ここに……この都市に、ずっと、人は誰も居ないんだ」
「そっか……」
「ソウくん……」
「……わかってたさ。だからこそ、母さんはオレをこの『クレイドル』で永い眠りにつかせたんだから」
(ああ……なるほどね。これが……伝説にある、あらゆる災厄から逃れるためのシェルターなんだ……)
「あ、あのさ、ソウくん」
「ん?なんだよ?」
「キミのご両親って……」
「ああ。父さんは偉くて賢い王様なんだ。で、母さんは、優しくて大きな――白竜、だよ」
「…………!!……そっか! やっぱり……あははは!そうなんだ!」
「ね、姉ちゃん……どうしたの?」
「これが浮かれずにいられますかっての!ああ――そこにロマンは、あったんだ!」
「……意味わかんないんだけど」
「ああ、平気平気、こっちの話だから。ごめん、ちょっとテンション上がっちゃってさ」
「なんでもいいけどさ。……こっちに名乗らせといて、そっちは紹介もなしなのかよ?」
「あ、ごめんごめん。あたしは……竜族の末。天より舞い降りた白翼の天使竜――エンゼル」
「……竜族!じゃあ、母さんの仲間か!」
「ま、そんなところだねー……さって、知りたかったこともわかったことだし。
 後は――上で暴れてる、全ての元凶を片付けるだけかな……キミのためにも、ね」
「……よくわかんないけど。オレも行くよ。
 なんだか……今起こってることを見届けなくちゃいけない、そんな風に思うんだ」
「男の子はそうでなくっちゃね……さぁ、行こう!
 伝説を越える……新たなロマンを創るのも、悪くない!」

(――天使竜エンゼルが戦線に加わりました!)



No.96

■アルバム 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/23(金) 23:53

■エンゼルノーマルEND
条件:エンゼルの御伽噺イベントを進行させていない状態でクリア


人が空を制するようになり、また一つ、不思議(ロマン)は駆逐される。

獣を追い立て野山を切り拓き、夜の闇を制御された稲光が照らし、大洋に鋼殻を鎧う船を沈め……
広がり続ける筈だった世界が円を結び、電信が彼我の距離を喪失させた。
(ロマン)
 未知を次々と貪り尽くしたこの世界に、ヒトを奮い立たせる幻想などもう何処にもない、と。
そんな『現実』に疲れた大人たちはうそぶくのだ。

……本当にそうだろうか?
人の子よ、大空を見上げてみるがいい。

微かな煌きを残し、雲間に消えた、小さな影。
不可思議な軌跡を描き、蒼穹を翔け抜けた"それ"に、子どもたちは息を呑んだ。

「い、今の……」
「なにあれ?」
「すっげー!!」

感じるだろう。その胸の高鳴りを。その高らかなる息吹を……
最後の『夢』は、まだ生き続ける。



■エンゼルトゥルーEND
条件:ソウを発見し、クリア

エンゼルはしばらくしてファッティホエール号を降り、再び世界を巡る旅に出た。
今日も彼女は流れ行く人波に乗り、空を翔る風を切って、様々な人々の営みを見つめている。
……なんのために?

「んー、人の笑顔を見たいからかな?」

ケガをした子どもの手当てをしてあげる。病で困っている人に薬を出してあげる。
大したことじゃなく、ちょっと困っている人の手助けをする。そんなことが今の彼女の生きがいだ。
……かつて、彼女を育てた『誰か』の想いを汲むかのように、彼女は人とともに在り、人と共に笑うのだ。

「あたしの家族は、もう殆どいなくなっちゃったけど。
 ……でもね、ソウくんがちゃあんと教えてくれたよ」

かつて追いかけた伝承の、本当の意味。人と人ならざるモノが、共に歩み、同じ未来を目指した。
その奇跡を起こした源が何かを、彼女はもう知っているから。

「さって。久しぶりに、あの空族くんのところにでも顔を出そうかな?」

その胸の高鳴りが、いかなる感情から生じているのか……
今の彼女には、確かに言い切れるだろう。

「……言葉にするのは野暮だね。ま、そうだねえ……ロマン、とでも言っておこうか♪」



■レッド・アルバム
条件:最終決戦でレッドが変身した&エンゼルがソウを発見し、クリア

「……すっげー、すっげーよレッドおじさん!今の、もっかいやって!」
「いいだろう、よく見ておけよ――」

あのあと、何故だか竜族の新たな希望であるソウは、なぜだかレッドの手に預けられ、ともに世界を巡ることとなった。
本来はソウを見出したエンゼルの役目なのだろうが、「まだまだ若輩ですしー」とそれを固辞。
「もっと相応しい人がいるじゃないですか」との彼女の推挙で、彼の下にやってきたのだった。
……ようは、体のいいベビーシッターなのであった。まあ、本人は満更でもなさそうなのではあるが。

「オレもおじさんみたいに、強くてカッコイイ男になる!
 それで、いつかおじさんに挑戦するんだ!」

まっすぐなその眼差しを帽子で遮り、男はふっと息を吐く。
竜と人。そのどちらでもあり、どちらでもない眼前の少年は――
果たして、どのように育ち、彼らの種族の未来をどう変えてゆくのだろうか。

(やれやれ、責任重大じゃないか。まあ――あんなドラ娘を育てたオレに対する報いかね?)

脳裏に浮かぶ能天気な笑顔に肩をすくめ、期待に目を輝かす少年の頭に、男はぽんと手を置いた。

「はは、そいつは楽しみだ……
 じゃあまずは、しっかりメシを食って、背を伸ばすところからだな!」
「でもおじさん、さっき『ぶしはくわねどたかようじ』とか言ってなかった?」
「…………」





No.103
■捏造祭りイベント『語る者無き英雄譚』 投稿者:usuki 投稿日:2012/03/26(月) 20:33

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※ジオット裏切り、ゴーレム起動後――


(航空母艦・デスフライヤ艦橋)

*「ゴーレムが無差別攻撃を……第一、第三、第四航空隊、応答ありません!」
*「――ファントゥーム突入部隊からも定期連絡なし!」
コウサカ「ば、ババヤガン様、カメダ団長が!」
ババヤガン「落ち着いてくださいコウサカくん。……あーはいはい。じゃ、現時点の最高位官として指令を出しますよ。」
      これ以上の戦いは無意味です。連絡が取れる部隊から撤収させてください――
      といっても、既に逃げてる小賢しい連中もいるでしょうけどね」
コ「り、了解……!ババヤガン様、どちらに?」
バ「ああ、ここはお任せしますよコウサカくん。ちょっと、後始末に行ってきますから」
コ「りょうか――え、ちょ!?ば、ババヤガン様ー!?」

…………
………
……


?「……どこに行く?マッドサイエンティスト」
バ「おや、無事だったんですか、双炎のお二人」
赤「…………ッ!」
青「……落ち着け赤炎。暗殺に失敗したのは事実だ。俺達に反駁の余地もない」
バ「その謙虚な所は好きですよ。なあに、あなた方はまだ若い。機会など、これからいくらでもあるでしょう」
青「同情なぞいらん。それよりも、戻ってきて見れば……一体なんだ?このザマは」
バ「……いや全く。ジオットくんにしてやられましたかね」
赤「姿が見えないけれど……あの御飾り団長はどうしたのよ」
バ「一目散に逃げましたよ。……いやしかし、あんなお飾りでも、烏合の衆を束ねるのには必要な人材でした。
  おかげさまで、組織の屋台骨は完全にへし折られましたね。いやはや、終わるときは呆気ないものです」
青「あんたのご自慢の”夜鷹”の群れも、あっさり返り討たれたようだしな」
バ「これは手厳しい。後学のために、しっかり分析はしておきますよ」
赤「他の幹部の面々は?」
バ「ヨミチは負傷でベッドにくくりつけてありますよ。スカイは……いの一番に戦場に飛び込んでいきましたけど、多分死んでないでしょう。
  あなたがたも早いところ、身の振り方を考えたほうがいいですよ?」
青「あんたこそ、早いところケツまくって逃げたほうがいいんじゃないか?」
バ「御冗談を。逃げるわけないじゃないですか。これだけの大きな闘争なんです。
  自分の目で、肌で感じない道理はないでしょう――」

「あぁ……今日は、実に多くを学べそうだ――」

青「……アンタも、やはりイカれてるな。あのジオットって奴と同じくらい」
バ「あんなのと比べられるとは心外ですね。私のほうが、より健全ですよ」
赤「どっちが――むしろ、アンタのほうが数倍タチが悪いような気がするわ」
バ「ふん。しかし……あのゴーレムとやらがジオットくんの制御下にあるのは、些か具合が悪い。
  冗談抜きで伝承が再現されてしまいますねえ。アレは、世界を終わらすことしか考えていませんから」
赤「……止めるつもり?あの化け物を?」
バ「私に迎合しない世界に興味はありませんが、世界なくして私の探求もありえませんからね」
青「……並みの戦闘挺では、あのゴーレム相手には通用しないようだが?」
バ「ふふん、私を誰だと思っているんですか?こんなこともあろうかと、きちんと準備はしておいたのですよ」
青「なんだと……?」
バ「では御機嫌よう、復讐鬼のお二人。……いずれまた、見えるときを楽しみにしていますよ」

…………
………
……


(航空母艦・カタパルトデッキ内)

「……チャンション。残存部隊の指揮はいいのですか?」
「敗残の軍に統率も何もありはせん。私の役目は、もう終わったのだ」
「そうですか……しかし貴方も物好きですね。私が言うのもなんですが」
「なに、艇が一機余っているというのでな。どうせ身体も空いていることだ……貴殿に手を貸すのもやぶさかではないさ」
「まあ、感謝はしておきますよ。さて、操縦法はマニュアルの通りです。
 貴方なら問題ないでしょうが……何か質問はありますか?」
「一つだけ。ババヤガン……こいつは、本当に飛べるのだろうな?」
「……請け負いましょう。この新型動力の実験にて殉職した、数多の英霊に誓って」
「いいだろう。では、行くとしよう」
「ええ。人の叡智の結晶――ブラックヘイズ号の初陣ですね」

…………
………
……



(ファントゥーム近郊空域・離脱中のファッティホエール号)


ヘルガ《――カメダ軍団の旗艦が撤退を始めた。我々は残存戦力をかき集めて追撃に向かう!
    各機関に応援を要請しろ。絶好の機会だ、ここで一網打尽にしてやれ!》

ツチ「ってことらしいですが……どうします?」
ソネット「……我々の今の足回りの状態と、損耗した航空戦力では、どうにもなりませんね。
     追撃は、彼らに任せることになるでしょう。むろん、艦長がそれを良しとするかはわかりませんがね」
サーヤ「……やっと……終わったのね…………あれ?」
レン「どうしたの、サーヤ?」
サーヤ「……今、何かが、物凄いスピードで空へ飛んでいったような……?」
レン「え?でも、電探には何も……?」
ピン「おいおい、まぁたワイルドハントとやらじゃねえだろうな?」
ソネット「……それはないでしょう。……やもすれば、もっと厄介なシロモノだったかもわかりませんが」


…………
………
……



「……ファッティホエール号、射程圏外へ――いいのか?」
「ええ。別にもう廃れた組織に忠を尽くすつもりもありませんし。私の予測を越えたイレギュラー、実に興味深いですしね」
「……全く、度し難い。まあ――私としても、彼らの前途には期待をしているのだがな」
「おや。ドライなあなたらしくもないですね」
「ふん。しかし――この機体。もし実戦投入が速ければ、彼奴等などあっという間に殲滅できていただろうな。
 ……現に、今ならば確実に撃墜できた」
「策士たる貴方らしくもない。所詮は『機運』の問題ですよ……正面からかち合えば、勝負などどう転ぶかわかりません」
「それを差し引いても、だ。ジェットエンジンによる音速に迫る最高速度と、フルステルス構造による電探欺瞞……
 あらゆる面で現行の戦闘艇を遥かに上回る性能だ。まさに、あのホーンドオウル号の後継にふさわしい」
「ま、おかげでコストが半端じゃなくなりましたがね。一機で国の財政が傾きますよ」
「それでもコイツを欲しがる国などごまんとある。……まったく、恐ろしいものを作ってくれたものだ」



◆ブラックヘイズ号

ババヤガンが、持ち前の技術力と、カメダ軍団の予算と人員をフル活用(悉く使い潰して)完成させた超々高性能機。
水上艇ではなく、車輪を備えた陸上機。
曲面を中心としたデザイン、レーダー電波を撹乱する特殊材質を利用し、高いステルス性を持つ。
さらに、低非探知レーダーの実用化により、レーダーを使用しても逆探知されにくい特質を持つ。
さらに度重なる(人体)実験によって急ピッチで実用化されたジェットエンジンを二基搭載しており、最大速度はおそらく超音速に至る。
そのため、専用にあつらえた『対Gスーツ』の着用なしでは、操縦することもままならない。
まだこの世界には『空対空誘導ミサイル』が存在しないため、事実上この速力の戦闘機を捉えることは不可能に近い。
例外があるとすれば、フルスペックのギリュウや、サージュ号に搭載されたレーザー兵器くらいのものであろう。
ジェットエンジンの利点である高速性、そして高高度飛行能力は現行の水上艇を遥かに凌ぎ、
まさしく空の王者と言うに相応しいスペックを誇っている。
……ただし、生産コストは尋常なレベルではなく、二機を試作しただけで危うくカメダ軍団の資金繰りを頓挫させかけた。
(技術力の粋を駆使すれば、採算さえ無視できればなんでもできる、ってことらしいです)

武装:内装20mmガトリング砲×2、内装空対空ロケット、そして――



「ま、ここまでのオーバースペックでなくば、今こうして浮上中の遺跡を追いかけることはできなかったわけで。
 不幸中の幸い、とでもいったところでしょうかね」
「たしかに、レシプロ機ではこんな高空まで舞い上がることは不可能だっただろう。
 ……しかし、なぜこの期に及んでファントゥームを追う? まさか、遺跡の住人にでもなる気か?」
「まさか。……いやね。なぜ、あのゴーレムが『不死身』と冠されるか、気になりませんか?」
「伝承でのことだろう。神仏にも等しい力を持っているが故に不敗であると、そういう意味ではないのか?」
「それはそれでロマンがありますが……実の所、もっと現実的な路線かもしれません。
 とある筋から聞き入れた伝承が確かならば、あのマシンは――」
「……!! 視認した。そうか……そういうことか……!」
「ええ……『自律修復機能』とでも申しましょうか。原理はわかりようもありませんが……」
「……だが、あれは既に操縦座を破壊されていると聞いたが?」
「……自己修復する機械が、その程度で止まるわけがないでしょう。……ほぉら、動き出しましたよ!」
「ッ――なんて、非常識な!」
「……素晴らしい。たとえ操縦者を失っても――自律駆動で戦いを続ける。兵器としては最高の一品ですね」
「ふん?また随分と含みのある言い回しだな?」
「思うところがありましてね。あのゴーレムとやらは……なぜ自律駆動ができるのに、搭乗者を必要とするのでしょう?」
「……そうだな。言われてみれば、何故………ババヤガン、貴殿の意見は?」
「仮説ですがね。あんな巨大な機械を自律駆動させ、空に巨大な空中都市を浮かばす……
 そこまで進んだ科学力を擁した者達も、こう判断したと考えるのが自然でしょう――」

「――機械では人間に勝てない、と」

「ま、そりゃ当然ですよね。如何に高度に発展しようとも、所詮機械は機械。
 ……霊長を騙る人の『叡智』が、そんなものに遅れを取るわけにはいきません」
「…………ッ、フハハッ」
「どうしました?」
「いや……なんだ。貴殿は、随分と人類を買っているのだな」
「当たり前ですよ。無能で無知で自堕落な輩は大嫌いですが」
「……フ、なかなかに手厳しい。それで?標的はあからさまに、起動体制に入ってるみたいだが?」
「一回駆動すると、任務終了まで止まらないようになってるんでしょうね。くわばらくわばら」
「動きそのものは鈍っているようだな……やはり、搭乗者なしでは、フルスペックとはいかないわけか。
 さて――では、我等の『秘密兵器』の出番かな?」
「ええ。……自律誘導飛翔兵器『反応弾』スタンバイ。古代文明の遺産は、古代文明の遺産で片付けるとしましょう」
「……ゴーレムが飛翔を開始。遺跡から離れたぞ――だが、未だ半信半疑だな。
 この弾頭たった一発で、一国に大打撃を与えた、というのは」
「なぁに、団長が提示したスペック通りなら、ヤツを消し飛ばすくらいはなんとかなるでしょう」
「しかし、いいのか?あの機体も、貴殿にとっては貴重な情報の集積だろう?」
「全壊にしたってデータは取れます。さて、いささかガラではありませんが――」



「愛する我等が人類種でも、救ってみるとしますかね――」



(ズ……ドォ―――ン!)




■補足

・ガンダーゴーレム再起動

……ババヤガンの推論は半分正しく、半分間違っている。
ガンダーの『起動』には人の介入を必要とするが、『駆動』においてはその限りではない。
かの破壊兵器の炉心に火を入れるには、誰がしかの強烈な感情をくべ、火種としなくてはならない。
この兵器のある種の安全装置として働いているシステム。
一旦起動すれば、あとは自己修復を繰り返し、課せられた根源命令の完全遂行まで破壊を続行する。


・自律誘導飛翔兵器『反応弾』

……要するに高度なファイア・アンド・フォーゲット能力を持った空対空核ミサイル。
本来はガンダーの備えた迎撃機構や、物性バリアにより威力が減衰されるシロモノだったが、
超人な誰かさんや命知らずな誰かさんのおかげでバリア発振機や迎撃システムに支障を来たしていたため、
上手いこと撃墜に成功した模様。ちなみにこちらの弾頭は伝承のものと異なり、
純粋水爆に近いものでほとんど汚染は無かったようだ。



■ババヤガン・アルバム
条件:ナイトレイダーを撃退してクリア

その後、地下に潜った彼女は再び、表舞台へと舞い戻ることになる。
彼女が招聘されたのは、某超大国が主催した、かつて彼女自身が用いた『反応弾』についての研究計画。
それが後に、世界じゅうを巻き込んだ大戦に終止符を打つことになる『ある爆弾』の開発に結びつくことになる。

その実験の最中……原料物質に触れすぎた彼女自身も身体を蝕まれ、細胞の変質による不治の病を患ってしまう。
だが、それでも彼女はめげなかった。余命を宣告されながらなお、自らの身体を被験体とした、治療薬の研究に勤しみ……
最後の最後まで、その存在の全てを科学の発展に捧げた人生に、幕を引いた。

多くを殺し、多くを救い、そしてさらに多くの人に科学による利器と豊かさをもたらした鬼才。
その功罪は、果たして同じ人の身に計りきれるものではないのだろう。
……ちなみに。彼女がその技術開発で成した莫大な財は、
現在もなお、先進的な知見と技術を見出した科学者に報奨として贈られている――


空族祭SS 狂路


No.42

■捏造祭り イベント「クローバー畑で相見え(あいまみえ)」 投稿者:狂路 投稿日:2012/03/16(金) 18:41

挿絵あり

(イベント発生条件・ヨツバを雇っていて信頼度高以上、ヨツバ関連イベントを複数種見ている、パライソにいる
 イベント中の分岐選択肢は結果に影響なし・文章が変わるだけ)
《パライソを適当にうろついていたら迷ってしまったクロエ。留まっていてもしょうがない、と歩き続け、気づけばそこは大きく開けた草原だった》


クロエ「ふわー、こんな場所があったんだなぁ。すごいや、青と緑しかない。
    風が気持ちいい・・・。空とはやっぱり違うな。こういうのも悪くないや」
ヨツバ「・・・・・・」
クロエ「ちょっと昼寝でもしようかな。(ぽすん)・・・・・・って、うわぁっ!?ヨツバ!?」
ヨツバ「ッ! ・・・・・・。クロエ、か」
クロエ「え、あ、ハイ。うーびっくりした。まさかこんなところで寝っ転がってるなんて・・・いつものピリピリしたカンジからは想像つかないね。
    人が来たらすぐ反応するのに、今オレが来たの気づいてなかったみたいだし」
ヨツバ「生憎俺は貴様に負ける程度にゃ弱者よ。弱者は神経張り詰めなきゃすぐに死ぬ。だが弱者だから限界もある。
    ここには何もねー。一人いるだけじゃいい的だ。でも何故か焼かれも踏み抜かれもしねえ。休むにゃ最適よ」
クロエ「へえ。 いい場所だよね。田舎の風景も悪くないけど、こんな風に一面緑ってのも、心が休まるよ。
    あー、草がいいクッションになって気持ちいい・・・。いいなぁこんないい場所知ってたなんて」
ヨツバ「休める時間まで貴様といたら俺の精神が風化するわ。それにわざわざ荒らされたくねーんだよ。
    ・・・ここは軍隊も近くの雑魚共も入りこまねえ、迷いこむ奴もいねえ。ずっとこのままだ。なんでだと思う?」
クロエ「え? なんでって・・・」

  A.隠れた土地だから知られてない
  B.もしかしてここ、保護地域?
 →C.単に運が良かったとか
  D.守り神でもいたりして!
  E.・・・分からないよ

ヨツバ「・・・。やっぱりシャレにならん野郎だ」
クロエ「なんかオレさらっと酷いこと言われてない?逆だったらそれはそれで怖いけど」
ヨツバ「クローバー。運。つったら世のメスとオスの8割は四ツ葉のクローバーを挙げるんだろうよ。見てみな」
クロエ「オスとメスって・・・。あ!四ツ葉のクローバーがたくさんある!うわもっと多いのも!!普通の三つ葉のを探すほうが大変なくらいだ。
    こういうので冠とか作れるんだろうなぁ。オレはよく分からないけど」
ヨツバ「貴様、星型は好きか?」
クロエ「星型?特に考えたことはないけど・・・別に嫌いじゃないし、まあ好きかな」
ヨツバ「・・・。星は五つ葉。五つ葉は金運。金なんぞ生きる分だけありゃあいい。貴様にくれてやるさ」
  (五つ葉のクローバーの束を放り投げる)
クロエ「わぷっ!?あ、ありがとう。
    (この人ってこんなキャラだったっけ? なんだかいつもと違うような)」
ヨツバ「その分四つ葉を俺によこしな。四つ葉は幸運。強者が長く在るために、弱者が強者を喰らうために要るモノだ。
    強者の貴様が持つなぞ俺からしてみりゃ最悪の事態だ」
  (ユウが摘んでいた四葉のクローバーを奪う)
クロエ「うわっとと。 ・・・ヨツバ、なんだかいつもと違うね。
    いつもなら実力主義を掲げてて、こんな女の子が考えることなんて見向きもしない気がするのに。」
ヨツバ「ははははは。笑えるねぇ、実に笑える。俺でもそう思うんだよ。
    だがお生憎様ご愁傷様、俺の名は何の因果かヨツバなんだよ。なんでこれかは知らねーがな。
    どうしてかこうしてか花屋を焼こうが草の根を踏みつぶそうが、これだけは無視できねぇ性分さ。面倒くせえ。
    ・・・・・・。ついでにこれもくれてやろうじゃないの、レアすぎて普通な二つ葉よ。」
クロエ「・・・二つ葉のクローバーって・・・単に双葉の植物みたいだね。聞いたこともないんだから珍しいんだろうけど」
ヨツバ「貴様らの飛行艇と同じ形だな。二つ葉は不幸。これだから羽付きはろくでもねえ。
    んで五つ葉も所により不幸のち失恋。ははは、金儲け思考とつるんでるビッチとどうしようもねえ不運と一緒に堕ちちまえクソが」
クロエ「随分言いたい放題言ってない!?というか縁起でもないもの押し付けられてるような気が!!」
ヨツバ「強者の癖にバカか。それ以外に何の意味があんだ」
クロエ「酷いよ!?いやまあ貰っておくけどさ!」
ヨツバ「・・・、・・・・・・。一応聞く。クロエ、貴様はここを知って来た?」
クロエ「? いや、うろついてみたら偶然来ただけだよ。そしたらこんなにいい所で珍しい人に会えたけどね」
ヨツバ「ここのことは言いふらすんじゃねー。もし言いやがったら死んでも貴様の眼球食ってやる。分かったか」
クロエ「せめて心臓ってストレートに言ってくれた方がスッキリするんだけどなあ・・・」
ヨツバ「それは返事じゃねーんだよ。答えろ。」

 →A.分かった。
  B.隠しておくなんてもったいない
  C.どうしよっかなー?

ヨツバ「・・・。ここは・・・・・・四つ葉の畑。しあわせなんて温くない、幸運の場所」
クロエ「?」
ヨツバ「生憎貴様にやる幸運なんぞない。ここは俺の『故郷』だ。二度と入ってくんな。これは強者への懇願じゃねえ。脅迫だあね」
クロエ「・・・まあ、言いふらすなって所から想像はしてたけどね。うん、分かってる。
    こんなにいい場所なのに少しもったいないけど、さ。そう言うんなら、もうこないよ。
    嫌がってるのに無理に来たりなんかしたらお互いのためにならないしね」
ヨツバ「分かってくれるたぁ嬉しくて嬉しくて血の涙が出るねぇ。・・・。・・・・・・。
    俺ぁな、貴様が怖い。他人を信じてもいいと思わせる貴様が怖い。
    契約なんざ破り捨てて、近寄りたくもねぇ、殺さなきゃいけねぇ貴様をなんでこうしなきゃいけないんだろうねぇ俺の本能よ。
    まったく訳がわからねえ。樹海でもないのに狂いやがって畜生が。
    ・・・俺がやるのは信頼じゃねぇ、ただの原始的な因数分解よ。そう、だからそうなんさ。
    さあ、とっとと人間どもの巣に帰りな。願わくば海のど真ん中で翼もげろ」
クロエ「結局それなんだよね。でも、オレはまだまだ終わる気はないよ。
     ・・・まいっか。えぇと、この二つ葉と五つ葉は持ってかなきゃ・・・」
ヨツバ「・・・・・・」
クロエ「・・・ダメなんだよね、やっぱり。」
ヨツバ「おうおう、俺にゃいらねえ不幸と一緒に消えろ。二度と俺の幸運を踏みにじるな」
クロエ「はいはい。じゃあ、またね」


(その後)


ユイ「ユウ君おかえりー、どこ行ってたの?
   ってわあ何これ!?外で草むしりでもしてた!?すっごい量じゃないそれ!!」
クロエ「違うって! いや、どこに置こうか迷ってたら持って帰ってきちゃってて・・・」
アケチ「・・・ほう、これは五つ葉のシロツメクサですね!また随分珍しいものを・・・・・・あ、二つ葉まである!
    これ、全部この二種類ですね。一体何をどうやったらこうなるんですか」
クロエ「んー、まあいろいろあってね。」
ユイ「あれ?ねえ、そのペンダントみたいなもの、何?」
クロエ「ペンダント?うわ、いつの間に?あ、コレって・・・・・・」
ユイ「わぁ、四つ葉のクローバー入りとかおしゃれじゃない!どうしたの?どっかで売ってたなら私も欲しいなー」
アケチ「これはかなり荒い手作りですね。売り物というより・・・誰かから貰いました?」
クロエ「・・・・・・・・・。うん、貰ったよ。とっても不幸で幸運な人からね。」





No.88
■メリッサ「夜空にぶちこわせ」 投稿者:狂路 投稿日:2012/03/23(金) 19:59
挿絵あり

メリッサ遭遇イベント
メンバー/クロエ・アロー・レン・メダチ・パーシヴァル


ざわざわ・・・ざわ・・・・・・

クロエ「ん? 人だかりが出来てるけど・・・何かイベントでもあるのかな?」
アロー「いや、イベントなんて、それこそ安売りなんてのもないわよ。そんなものはないはずだけど。
    ていうかこんな所に人がいるってのも不思議なような」
クロエ「じゃあなんだろう? 見に行ってみる?」
パーシヴァル「おっ、オレも賛成ー。まー行ってみようぜ?何でも無かったらそれでいいし」
レン「なによりも面白そうですしね! さぁレッツゴーですよー!!」
アロー「野次馬ねぇ・・・まぁ分からなくもないわ。行ってみましょうか」

♪~~♪♪~~~・・・・・・

パーシヴァル「おっ誰か歌ってるのか?」
アロー「・・・歌?」
レン「結構上手じゃないですか? はっきりとは聞こえませんけど」
クロエ「確かに聞こえるね。パフォーマンスかな」
メダチ「パフォーマンスと聞いたら! このエンターテイナー、メダチが黙っていられるかあああああ!!」
クロエ「ちょ、待っ!?」
(ダダダダダダ・・・・・・)





―――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「みんなーありがとー!!」
「メリッサちゃんサイコー!!」
「メリッサかわいいよメリッサー!」
「めりりんー俺だー結婚してくれー!!」
「「「( ゚∀゚)o彡゚めりりん!めりりん!( ゚∀゚)o彡゚めりりん!めりりん!
   ( ゚∀゚)o彡゚めりりん!めりりん!( ゚∀゚)o彡゚めりりん!めりりん!」」」
「ありがとー! めりりんも、みんなのことだぁいすきだよ~!!」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!






クロエ「・・・・・・なんだ、コレ」
パーシヴァル「うひゃーよく分からんけどすげーなー。真ん中の女の子、すんごいひらひらの服着てるぜ」
レン「いいですねーこういうのってなんだか心が踊りますよ」
メダチ「ぬうぅ、こんなに目立っているとは・・・!」
アロー「ん? 確かライブって・・・・・・」

メリッサ「それじゃあ次の曲いっくよー! ラブラブ☆ビッグバン!」

♪♪♪♪~♪♪~~♪♪♪~♪♪~

メリッサ「ラブ?」
信者共「ラブ!」
「「「「ビッグバァアアアアアアアアアアアアン!!!」」」」
パーシヴァル「うおお蜂にも勝る統率性だなこりゃ。凄まじいなー」
レン「この熱気と一体感・・・素晴らしいですー」
クロエ「いやこれ・・・なんていうか・・・・・・」

メリッサ「まだまだいくよー!!

     ♪知ってるの こころ聞こえてる 我慢できない お互いのミステリー♪
     ♪右手でぽこぽこ 左手でぽこぽこ  みんなでぽこぽこ ぶち壊せ♪
♪ハートのスカート スターのイヤリング つけて歌うのよ そう! わたしは可・愛・いのよ!♪
     ♪ホワイト☆スターシューティング! 優しい音色 声を上げて叫んだって 構わない♪
     ♪全部愛して欲しいの♪ キミの弾道上げて欲しいの♪ いっぱいキスをして欲しいの♪
      お願いわたしと 結婚し・て・よ・ねっ!♪

ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「メリッサちゃ~ん!!」
メリッサ「あ、バルちゃん!」
バル「やっほーだニャミ★ またデュエットするニャ~!」
メリッサ「うん、いいよー!やろうやろう!」
信者「おいてめーなんなんだ!?」
信者「またお前かよバル!」
信者「おーやれやれー!!」
メリッサ「バルちゃんとのデュエットする時は、やっぱりこれだよね!」
(カチューシャを外して猫耳装備)
メリッサ・バル「「ねこみみもーどだにゃん☆」」
信者共「「「うおおおおおおおおおお!!!」」」
♪♪♪
メリッサ・バル「「♪キミのこと ぬっこぬこに してやるにゃん♪」」
メリッサ「♪キスはまだね まだ待ってて♪」
メリッサ・バル「「♪ぬっこぬこに してにゃんよ♪」」
バル「♪だからちょっと 待ち構えてるにゃ~♪」
メリッサ・バル「「にゃん♪」」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!


アロー「おっ、思い出した! あれって最近出てるっていう『洗脳少女』よ!!
    確か歌で人を洗脳していいように操ってるって聞いた事が・・・・・・」
パーシヴァル「うおおおおおおおお!めりりいいいいいいいいいん!!」
レン「あぁっなんて素敵な歌声なんでしょうか・・・・・・ほわわん」
アロー「って遅かったああああ!? しかも洗脳されるのってほぼ男って聞いてたのにレンさーん!?
    そうだ、クロエとメダチは・・・・・・」
クロエ「・・・・・・ッ!・・・・・・・・・ッッ!!」
アロー「まさか、あんたも・・・・・・」
クロエ「あっ・・・・・・頭が、耳が痛いッ・・・・・・ぐあああああ!!?」
アロー「クロエ!? 洗脳はされてないけどなんかヤバげ・・・・・・」
メダチ「うおおおおおおお負けてられるかああああああ!!
♪おーっれーはメダチーっ えんたーぁていなーぁあ~!!♪」
信者「うっせーぞそこの奴!!」
信者「黙れ!すっこめ!消え失せろ!!」
信者「メリッサちゃんのライブを邪魔すんじゃねえ!」
信者「緑髪の空賊は殺せ!!」
クロエ「ちょ、おまっ・・・!!やめろ!殺されるぞ!!」
メダチ「一番目立つのはこの俺だああああああ!!」
クロエ「だあああああああ!!とにかく逃げろおおおおおお!!」
アロー「あっ、あの猫耳まさか・・・・・・ってちょ!?待ってよー!!」



クロエ「はぁ・・・はぁ・・・。少しは場面を考えてくれよメダチ・・・・・・。
    しかしレンとパーシヴァルはあの様子からじゃ完全に洗脳されてるな。というかもう馴染んでたし。
    どうするか・・・・・・」
アロー「あいつっなんでバルがあんなところに!!」
クロエ「アロー、そのバルって子は知り合いなの?」
アロー「知り合いもなにも、アエロスミスのメンバーよ!あたしの演奏仲間!!」
クロエ「え・・・・・・ええぇ!? げほっげほっ」
アロー「あんな音楽性の欠片も無いモノになんであんなに入れ込んでるのよアイツは・・・!! ・・・バルのフルート、すごく上手なのに。
    アエロスミス、どうなっちゃうのかしら・・・・・・」




(その後・・・・・・)


クロエ「・・・あの女の子を『討伐』しろ!?」
役人A「そうです。 兼ねてから奴の悪行は広域に迷惑をもたらしています。特にブランシェが多いですが、他の地域でも。
    自分を崇め奉ように様に民衆を洗脳して自分の良いように使うのですよ。
    しかも洗脳された人々はそのように変わりこそすれ自分の事を異常だとは微塵も思わない有様で・・・・・・。
    このような非人道的な行為を許すわけにはいきませんので」
クロエ「いや、それにしても注意勧告とかそういうのは・・・・・・」
役人B「情けないことだが、うちの内部にも洗脳された奴が出てな。
   《教祖様》に不利益になるような行動をしようとするともみ消しが起こるのだよ。
    他の管理団体や各地の責任者もイカレた事をする輩が増えてきていてな・・・・・・しかもほとんどが黒ときた。
    まず他人を簡単に洗脳するなんて人業じゃない、おかしなモノに手をつけているなら処分すればいい、
    そうでなくとも相応の事をやってきたのだからそれなりの処罰を受ける必要がある、というのがほぼ全員の意見でな。
    かく言う俺もその内のひとりだ」
クロエ「じゃあ何故僕が・・・?」
役人A「あなたは奴の洗脳現場に居合わせながら洗脳されなかった、という噂はそれを追っている者の中ではかなり広まっていますよ。
    女子供は洗脳されない人も多かったですけどほとんどがそこに住んでいる一般人です。
    ですがあなたは空族としても名を挙げている。
    ・・・・・・誰が洗脳されて誰がされないかがわからず討伐班が組めない中で、あなたはとても貴重な存在なのですよ」
クロエ「・・・・・・・・・」
役人A「まあダメージは受けたとも聞いていますが・・・・・・申し訳ありませんが我慢して下さい。
    あなたの働きに相応しいように謝礼は用意させていただきます。
    ですがそれ以上に、人々の間に洗脳という名の汚染を止める、という事を覚えて頂きたい。
    こちらも正式な依頼である以上、あなた方には期待していますよ」
役人B「まあ行かないっていうんならこっちで圧力かけてやってもいいんだぜ?
    褒められた事じゃあないがそれくらい切羽詰まってるんだ」

(新しいクエストが追加されました!)

=======================================================


(クエスト・夜空にぶちこわせ アローを連れていると会話イベント発生)


クロエ「討伐・・・か・・・・・・。つまり殺せってことだよな。
    確かにあれは異常な光景だったけど、でも、あんな女の子を?
    ・・・・・・・・・
    とにかく会って、ちゃんと話してから考えよう。
    そういえばどこにいるんだっけ? 点々としてるって役人さんたちも言ってたし。
    あのライブ現場にでも行ってみようかな」

*****


アロー「・・・ライブ始まるのは夕方頃って聞いておきながら朝にいったあたし達もあたし達だけど・・・・・・・・・
    なんでもう明らかに信者っぽいのが集まってるのよ」
クロエ「ま、まあ誰もいないよりは手がかりが分かりそうだけど。 すいません」
信者「およ?君たちもめりりんに会えるのを待ちきれずにきちゃったヒト達ナリか?」
信者「見ない奴だな、さては新人か!」
クロエ「(ただ道を聞きに来た人だとかとは思わないのかな?)」
アロー「(そういうのを洗脳って言うんじゃないの・・・)」
クロエ「えっと、今メリッサってどこにいるか、知ってますか? どうしても会いたいんですけど」
アロー「(いやちょ、そんなん教えてくれたらこいつら今ここにいないんじゃっ)」
信者「メリッサちゃんに会いたいぃ? ほうほう、これはふぁんとしてのマナーを叩き込まないといかんようだなぁ?」
信者「常にめりりんの傍にいることを許されるのはほんのひと握りのふぁんのみ!
   それは決して金でも地位でも決められるものではなく、そう、今までにめりりんに注いだ愛!
   愛を多く持つ者のみがめりりんといっしょにご飯を食べたり、服を買ってあげたり・・・・・・くそう羨ましい!!」
信者「・・・・・・そういえばチミ達からはめりりんに対する愛が感じられないでゴワス。
   本当にふぁんなのでおじゃるか?りありー?」
クロエ「え、は、はい」
信者「そーいや俺こいつら昨日のライブでちらっと見た気すんなー。なんだったかは覚えてねーけど。
   よぅし、なら昨日メリッサちゃんが歌ってた曲のタイトル挙げてみろよ」
クロエ「え、えぇ!? えっと、ラブラブ・・・」
信者「もちろん常識なそれは除外安定だろjk」
アロー「(うわ、ヤバ・・・)」


 →A.恋は空戦
  B.only my masergun
  C.恋色プラズマカノン
  D.ホワイト☆スターシューティング(正解)
  E.アンチトリニトロトルエン
  F.少女帰葬曲
  G.UNDER THE SUNSET
  H.めりりん☆ブレイズハッピーナイト
(選択肢は一つだけ正解のランダム。正解を選んでも不正解を選んでも流れが少し変わるだけで本筋には影響なし。)


信者「昨日の曲は『あなたのこころとわたしのココロ』『めりりんハンマー』『キャラメル・メルト』『ホワイト☆スターシューティング』
        『結婚しなさいっ!』『ぬっこぬこにしてあげる』だったじょー」
信者「ほうほうほう・・・・・・さぁ、先輩からのありがたぁい洗礼をくれてやらんとなぁ」
クロエ「い、いやまっ・・・・・・」
レン「あぁああああ!!クロエさんじゃないですか!!
   もうっなんであんなに素晴らしいライブだったのに途中で帰っちゃうんですか!」
パーシヴァル「よっと」
クロエ「うわっ!?」
アロー「きゃ!?」
パーシヴァル「・・・・・・へぇ・・・・・・洗脳少女?ってのはよくわかんねーけど・・・・・・メリッサの『討伐』依頼だって?」
クロエ「なっ!?依頼書が・・・!」
アロー「あああああこれだから契約って問題があるのよね!!」
信者「メリッサちゃんを討伐だと?」
信者「ちょwwwこいつ頭やべぇだろwwwwうぇっうぇwww」
信者「! ・・・これ、ガチの依頼書だぞ!?しかも軍からの!!」
信者「なん・・・だと・・・・・・」
信者「3行で」
信者「訳わからんガキ二人が
   突然俺たちから
   めりりんを奪おうとしてる」
信者「冗談でも許されん!!殺せ!!」
信者「てめぇらいい度胸してんじゃねえか、あぁ!?」
信者「ヒャッハー!異端者は消毒だー!!」
パーシヴァル「そうだな。 ちょっと・・・・・・痛い目見てもらおうか!!」
バル「誰かと思ったらアローなのニャ!一体何をしてるのニャ?」
アロー「! あんた、前見たときもこんなとこにいたけど・・・・・・アエロスミスはどうしたのよ?」
バル「にゃははっ! アエロスミスなんかよりもメリッサちゃんの音楽の方が楽しいニャミ★
   アローだって抜けてるしおあいこだニャ」
アロー「・・・もう、根っこから腐ってるみたいね。 あんな訳のわからない、音楽性の欠片もない曲に夢中になるなんて・・・・・・
    覚悟しなさい、今その根性叩き直してやるわ!」
バル「ふ~ん。確かにアローは賞金稼ぎもやってるし、空ではとっても強いニャ。
   でもケンカは普通の女の子と変わらないのくらいはもう知ってるニャ!
   それでもやるって言うなら、やれるもんなら・・・・・・やってみろやゴルァアアアアアア!!」
クロエ「くっ!? こうなったらやるしかない!!」

(陸戦3連戦。ザコ2連+中ボスクラスとの戦闘。
 陸戦可能な味方が洗脳されていると最後の戦いで敵に加わる。今回はパーシヴァルが該当。
 メリッサとの遭遇イベントでアローがパーティにおり、またクエスト中もパーティにいる場合は更にバルが敵に加わる。
 高威力の連続乱れ引っかき攻撃とか勘弁してください。
 アケチとかが洗脳されてたらテネジーさんがどうなるかみもnげふんげふん。
 あとパーシヴァル、マリンさんに殴られろ。)

パーシヴァル「ぐっ・・・・・・」
バル「にゃお~ん・・・・・・ミ★」(バタッ)
アロー「ったく、強い奴が洗脳されてるとっ・・・こういうことが困るのよね・・・・・・!!」
クロエ「ふう。とりあえず凌げたかな」
レン「!!?パーシヴァルさん! くっ・・・こうなったら、少し早いけれどもあの計画をっ!
   こちらナンバー0322!メリッサちゃんを狙う悪質な輩が現れました!
   本当にメリッサちゃんを殺そうとしているようです!!一刻も早くあの計画を!!」
クロエ「!? レン、あの計画ってなんだ!!」
レン「敵のクロエさん達に言う必要はありません!!」
 (ダダダダダダダッ)
クロエ「レン!?待て!!ってもういない!?足早っ!!」 





メリッサ「うーん、このマカロンおいしー☆ めりりんしあわせ~」
信者「そうでありますか!それはとてもよろしい事であります!」
信者「メリッサちゃんがしあわせなら僕もしあわせ~・・・・・・ぐひょひょひょ」
レン「皆さん、大変です!!」
メリッサ「うにゃ!? レンちゃん?」
信者「こら新入り!新入りの分際でオフのめりりんに会いに来るとはいい度胸だな!」
信者「3ケタのくせになまいきだ!」
レン「そんなこと言ってる場合じゃありません! かくかくしかじか・・・・・・・・」
信者「それマジで?」
レン「マジですよ! このままだとメリッサちゃんが危ないです!
   ちょっとリスクは上がるかもしれませんが、早くあの計画を実行したほうがいいですよ!」
メリッサ「・・・・・・そっ、か。 ・・・・・・・・。
     うん、わかった。 よし、じゃあ少し早いけどやろっか。」
信者「お、おおお・・・・・・あれをやってしまうのか、めりりん!!」
メリッサ「そう・・・・・・『私の歌を聴け』作戦を!!」







パーシヴァル「と、いうことなんだけど」
アロー「名前はふざけてるけど、空から洗脳効果のある声を撒き散らすって・・・・・・ある意味絨毯爆撃より怖いわ。
    しかし結構あっさり洗脳解けたわね。全員やっちゃう?」
パーシヴァル「一般人は脳漿撒き散らす事になりそうだからなそれ?俺もキツかったぞ?」
クロエ「とにかくそれをやめさせないと、被害者が激増するってことか・・・・・・」
パーシヴァル「・・・・・・んー。
       確かに洗脳されてたけど、被害者っていうのはなんかなあ。
       またああいうことになるのは勘弁願いたいけど・・・・・・結構、楽しかったぞ?
       ほんの少しの間だったけど、あの子も周りの人間を大事にしてるの分かったし」
アロー「そんなこといってもねえ・・・じゃあ何?世界のみなさん全員仲良く洗脳されましょうっての?
    それは皆死ねば苦しむことはないとか、そういうものと同じ理屈よ」
クロエ「とにかく早く止めなきゃいけない。またやられるかもしれないからパーシヴァルは待ってて―――」
パーシヴァル「・・・・・・! 待て!もう始まってる!?」
クロエ「え、えぇ?」
パーシヴァル「ちょうど今出た、あの飛行艇で空中ライブをするんだって昨日言ってたし、信者たちに見せてたぞ!!」
アロー「・・・・・・あたしの目がおかしくなかったら、すんごいまっピンクに見えるんだけど・・・・・・この距離でもはっきりわかるくらい」
クロエ「こうなったら、もう空戦で決着させるしかない、か」
アロー「ていうかなんで昨日今日なのにあんなに組織に組み込まれてるのかしら、レン・・・・・・」



レン「皆さん、周囲の飛行艇に気を配ってください! 万が一メリッサちゃんを狙うような動きがあれば」
信者共「「「我が身を盾に!我が身を弾にしてでも守りきる!!」」」
レン「おっけーですね! ・・・・・・さっそくクロエさん達が来たみたいですよ! 
   いいですか、最低でも準備が全部整うまで、この機体・・・・・・『ラブリーハートストライク号』を守りきるんですよ!!」
信者共「「「おおおおおおおおおおお!!!」」」
メリッサ「・・・・・・みんな・・・・・・」





(空戦1戦目。一定時間内にメリッサの乗っている『ラブリーハートストライク号』を撃墜することがクリア条件。超ピンク。
 空戦可能な仲間が洗脳されていると敵として出てくる。また、レンのようなサポートメンバーが洗脳されていると敵の強さが上昇。
 敵機体は性能も種類もバラバラだが、とにかく防御をかなぐり捨てた自爆特攻をかけてくる。弾幕激突どんとこい。信者怖ぇ。
 メダチがいると目立ちたい為かいつもの10割増しの攪乱をかけてかなりの助けになってくれる。
 全部撃ち落とせば本丸は武装ないんで蹂躙できますが。
 一定時間を過ぎるとライブの用意ができてしまいゲームオーバー。
 一定時間内に撃墜させると・・・・・・・・・)





メリッサ「きゃぁああああああーーーー!?」
レン「く・・・・・・もうダメージが・・・・・・!!」
信者「ダメだ、もう持たない! 直に墜落する!!」
信者「くそっあいつらよくも・・・!!」
信者「とにかく、メリッサちゃんだけでも安全なところに避難させるぞ!」
信者「メリッサちゃん安心して! 全滅したって、俺達が絶対守ってみせるから!」
信者「めりりんの為ならたとえ火の中水の中草の中森の中土の中雲の中!! 防御力6の肉壁大盤振る舞いだぜ!!」
メリッサ「だ、ダメだよ! みんな死んじゃダメっ、またライブでみんな一緒に歌って、一緒に笑うの!!(メキッ)え?」
信者「!! 危ない、メリッサちゃん!!」(ドン!)
 (バキバキ―――ガラガラガラ!! グシャッッ!!)
メリッサ「え、あ・・・・・・。ぁ・・・・・・・・・っ」
レン「――――――ッ!!」
信者「!! レン、お前はメリッサちゃんを誘導しろ!! いいか、俺達の犠牲を無駄にするなよ!!」
信者「絶対にめりりんを守ってやるぁああああああ!!」
信者「俺・・・・・・生まれ変わったら、メリッサちゃんのイヤリングになるんだ・・・・・・!」
信者共「「「だああああああああ!!」」」
レン「ぅ・・・・・・く。 め、りっさ、ちゃん。早くこっちに・・・・・・!」
メリッサ「・・・・・・・・・」
クロエ「レーーーン!!助けに来たぞー!!」
レン「クロエ、さ・・・・・・」
アロー「いいーーー!? 腹立つけど、一応そのピンク髪も、一緒に移しなさいよーーーーー!!」
レン「もちろ、ん・・・・・・? っ。く、メリッサちゃん、早く、」
メリッサ「・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 (バッ!
    ヒュウウゥゥゥ・・・・・・)

レン「えっ」
パーシヴァル「ちょ、おま!!」
アロー「・・・・・・飛び降りた・・・・・・!?」
クロエ「!? っレン!早く!!」
レン「なん、で? メリッサ・・・・・・・・・メリッサちゃあああああああああん!!!!」










(ヒュゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・)
メリッサ「(なんで・・・・・・どうして、こうなっちゃうの?
      わたしはただ、みんなといたかったのに。
      なのに、なのになのになのになのに!!
      こんなの嫌だよ、なんにも変わってない!
      誰もしあわせになんかなれないよ!!
      結局わたしは、あ、ぁ、あああああああああああああああああああああああ)
     イヤああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




『ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーー!!』






(ファッティホエール艦内)

レン「はぁ、は、ぁあっぁ、はっ」
パーシヴァル「なんとかレンは助けたが・・・・・・あの子はもう、無理だな。
       むしろ向こうから弾き返そうだ」
アロー「レン、言っとくけど後追って飛び降りなんてさせないからね」
レン「大、丈夫です・・・・・・多分洗脳、解けました」
アロー「自己申告は怪しいんだけどねぇ。まいっか」
クロエ「・・・・・・」
パーシヴァル「そういえばあの依頼ってやった証拠に何か持ち帰んなきゃダメなんじゃなかったか?」
クロエ「流石に今から漁ろうなんて気にはなれないよ。
    それに・・・・・・もし落ちなかったら、僕達が直接、あの子を」
『キィイイイイイイイイィイイイイイイイイィイイィイイィイイイイイイイイィィイイイ!!』
「「「「!!?」」」」
レン「な、何ですかこの(イイイイイイイイイイ!!!)ぐっ!?」
アロー「金切り声・・・!? あああ脳みそ引っかかれてるみたいぃいやああああ!!」
クロエ「! みんな、そこに何かいる!!」

灰色の鳥(?)「・・・・・・・・・」

アロー「と・・・・・・鳥? にしては大きすぎるわよ、ね?」
クロエ「というか下手な飛行艇より大きいぞあれ!!」
パーシヴァル「? どっかで見たような・・・?」
灰色の鳥『ピィイイイイイイイイイイイ!!!』
クロエ「ぐぁああああああああ頭があああああああ!!?」
レン・パーシヴァル「「・・・・・・メリッサ(ちゃん)・・・・・・?」」
アロー「は、ぁあ!? 二人とも、洗脳とアレでとうとう頭ぶっ壊れた!?」
レン「い、いえ・・・・・・なんとなく、そんな気がして・・・・・・?」
パーシヴァル「思い出したっ!!」
アロー「うひゃあっ!? な、なんなのよっ」
パーシヴァル「あれだよ、あの鳥! 確かベルデンで見た『伝説の生き物図鑑』で見たことがある!!」
クロエ「で、伝説の生き物図鑑って・・・・・・」
アロー「やっぱ頭ぶっ壊れてるんじゃないの?」
パーシヴァル「あれは・・・・・・そう、『死の歌姫』っていうモンスターだ!!
       確かすっごく昔にベルデンに『魔王』が現れたときに手下として出てきたんだっけか?
       女性の霊が集まって誕生したとかなんとかで、『魔王』を討伐しにきた『勇者』を恐ろしい声ですくみ上がらせたとか」
アロー「・・・・・・馬鹿馬鹿しいって言いたいけど、間違ってなさそうで怖いのよね・・・・・・。魔王はともかく、合ってるし」
レン「と、とにかく。 よく分かりませんけど、被害が出るかもしれませんし、撃墜させないといけません・・・・・・よね・・・・・・?」
クロエ「・・・・・・。あれがメリッサかどうかは分からないけど、放っておく訳にはいかない。
    みんな!もう一度出撃の準備だ!!」



(空戦2戦目。 本性を現したメリッサ、『死の歌姫』との戦闘。結構でかい。
 攻撃力は低く、攻撃方法もせいぜい体当たりや翼のはたき落し程度。
 だが頻繁に広範囲に音波を発生させ、まともに食らうと意志とは関係なく問題行動を強制発動される。
 例としては・味方を攻撃する・攻撃行動ができなくなる・操作ができなくなり落下する などなど。
 また砲撃の直線上から逃げるように飛行するため回避能力もそこそこある為、ほぼ持久戦の様相を呈す。うへー。
 ちなみに戦闘中は鬱曲やシリアスな曲を歌ってくれます。素敵。
 『死の歌姫』を撃墜すればクエストクリア。
 失敗してしまった場合、一定時間を基準として特殊エンディングが発生する。)



戦闘中の歌
 ♪だいきらいだ 死んでしまえ! 頭を引き抜かれて 一瞬で!
  降りかかれ 負の呪いよ 血の雨浴びて 嗤ってやる!!♪
 ♪緑のチョコが おいしそう  食べて血を吐く 大人たち♪
 ♪生きるのが怖い みんなの目が目が 私を見る見る
   消えたい!消えたい!死にたい!死にたい! どうせ生きても しょうがない!♪
 ♪彼女が唄う旋律は もはや最期には 聞くも堪えないモノへと 堕ちてしまった
   楽しいわずかな時間も 悲しいあの時間も 泡沫に過ぎないと 絶望を見るのだ
    知ってた わかっていた でも コ コ ロ が ク ル シ イ !!♪





メイン曲♪リッパードール


♪異 常 な 思考 回路ノ イズを
 人類(ヒト)は そ う それを「愛」 と まだ呼 んでいる
 そ の「愛」を生みな がら愛し 合 う世界 では
 「 愛 が 与 え ら れ な い 者 は い な い 」 と♪

♪狂 った不確 定動力を
 人類(ヒト)は そう それ を「生 命」と ま だ呼んでい る
 その命 を守り な がら  奪 い合う 世 界では
 「 涙 流 し て 嘆 く 者 は い な い 」と 信じ て…♪

♪「愛」を持つ生 命を
 人類は そう それを「ヒト」とま だ呼ん でいる
 そ の 「人類」を守り ながら殺 し合う世界で は
 「 涙 流 し て 嘆 く 者 は い な い 」と♪

♪異常 な 思考回 路ノイ ズを
 人類 は そう それ を「神」と まだ呼ん で いる
 その「神」 を信じな がら 救  われる世 界では
 「 声 を 枯 ら し て 嘆 く 者 は い な い 」 と  信 じ て・・・ ♪






『ピィイイィ キィ イイィィ・・・・・・』

アロー「や、やった・・・・・・!」
パーシヴァル「そうだ、な」
クロエ「あ、身体が・・・!?」
 
(サラサラ・・・・・・サラ・・・)


(♪~・・・・・・・・ ♪♪・・・・・・~♪・・・・・・・・・



  ♪  救 わ れな い   魂  は  壊 さ  れ   て    消 え   て   く  ・・・ ♪



パーシヴァル「・・・ははは。あれがメリッサかどうかは確かめようがねーけど、死骸も残さないようなモンスターを倒したって言えば
       かなりの報酬が貰えるぞ?」
クロエ「・・・・・・そうだね。じゃあ皆、戻ろうか」
レン「・・・・・・はい。(カサッ)? っ、これは・・・・・・
   メリッサ、ちゃんの、カチューシャ・・・・・・」








役人B「・・・『洗脳少女』は海に飛び降りて消息不明、か。正式に片付けられるかはわからんが・・・・・・
    謎のバケモノを討伐したことは確かに評価しよう。目撃例も多数上がっている。
    契約以上の報酬は約束するぞ」
役人A「では、その服飾品は証拠品としてこちらで預かっておきましょう。
    これなら上に対しても融通がきくかもしれません」
レン「・・・・・・あの、返していただくことは・・・・・・」
役人A「申し訳ありませんが、難しいでしょう。
   目撃情報が完全にやんだと判断されればその限りではありませんが、しばらくは」
レン「・・・わかりました。では、お願いします」
役人A「はい、確かに受け取りました。
   討伐お疲れ様です、そしてありがとうございました。
   我ら一同が敬意を持って感謝の意を表します」
クロエ「・・・・・・・・・。」



(クエストクリア!!)



=======================================================



メリッサ「描写しきれなかった設定とかだよ! ところで描写ってどう読むの?」
アロー「バカだ!バカがいる!!」


洗脳に対する耐性は
メダチ>>>>アロー>>>(身体、心に影響を及ぼすライン)>>>主人公>>>(洗脳ライン)>>レン=パーシヴァル=多くの男性
オタク気質がある人ほど洗脳されやすい。
長時間聞き続ければ正常な男性のほとんどは洗脳される。女性も数割は洗脳されるか悪影響を被る。
基本的に女性キャラの方が耐性は強い。メダチは特殊すぎ。




・クエスト後日談


クエストをクリアすると
晴れて『洗脳少女』の討伐完了、洗脳は全解除 いつの間にかレンのポケットにあったカチューシャを証拠として渡し多額の報酬を得た
だがクロエ一行、信者共々どこかすっきりしない気持ちを抱えている 
あれは正しいはずだ。だが本当にこれでよかったのだろうかと思わずにはいられない
抹殺されたメリッサBADEND 直接関わった者も少なくともHAPPYENDではないようだった
バル「でも、何かとっても大切なものを、忘れてしまった気がするのニャ・・・・・・」


陸戦で敗北すると
メリッサの意向で処分こそ免れたクロエ達
だが信者の進言により、二度とこんな事をやらかさないように徹底的洗脳フルコース決定、(特に)クロエ終了のお白瀬
その後もメリッサの活動はじわじわと広がっていき今も世界の裏で侵食が進んでいる、
もしかしたらあなたが気づいていないだけでもう洗脳されているかもしれない BADEND
クロエ「いっそ、ころしてくれえええええええええええええええええええええ!!!」


空戦1で敗北すると
そのまま『私の歌を聴け』作戦は成功、ウイルスよりも迅速に人々を染めて行った
人口の9割を信者にしたメリッサはしかし王よ神よと崇められるのは良しとせず
あくまでも愛し愛される「あいどる」でありつづけた
みんな仲間、ということでただ一つの異常さえ除けば
争いは起こる前に収まり人類皆同志として助け合い輪を築く
他のどこにもないような「しあわせで平和な世界」を実現させることができました HAPPYなBADEND
メリッサ「わたしは、ひとりのにんげんとして、みんなのことを愛してるよ」


空戦2で敗北すると
・一定時間以上経っていない場合
誰にも気づかれずに姿を戻したメリッサは今までと変わらず活動を続ける
その席にクロエ達が居ない事を除けば陸戦敗北と同じBADEND
信者「俺の周りの奴らは洗脳洗脳っていうけど、別に洗脳されててもいいよ。 人生のいつよりも充実してる今を手放したくはないさ」


・一定時間以上経っていた場合
死の歌姫である姿を見られてしまったメリッサ
それは無関係の人間はもちろん信者の多くも気づかず忌避し殺さんとするものだった
だがバルをはじめとした、本当にメリッサと繋がっていた者は正体に気づく
バケモノを殺そうとするものとヒトを守ろうとするものに分かれ、戦いが勃発
だが殺そうとするもののほうが圧倒的に数で勝り、しかもその化け物があのメリッサだという
もともと討伐の命を出す程の人物があれだと守る方の奴は言っていた
ならいっそ殺してしまえと軍すら出動するほどの事態に発展
普通なら空に逃げれるはずが残念ながらここは空族の世界、助けもむなしく撃墜される
泣き叫ぶバルや信者たち、そして空を飛ぶものにとって死に等しい暗い海へ落下していく
だが死を迎えることもできずに灰色は羽の一枚も残さず消滅 BADEND
バル「違うニャ! メリッサちゃんはバケモノなんかじゃないっ人間の、バルの親友だったニャあぁあああ!!
   ッあああああああああああああああ!!!うあああああああああああああああああああああああああああ!!!」




こんな結末だなんて、やっぱり世界は**しい!




================================================


・で、メリッサって何物だし


人間ではなく純粋なモンスター、『死の歌姫』そのもの。
パーシヴァルの言うとおり女性の霊・念が集合して生まれた存在

メリッサが誕生した原因は鍵を握る者の捜索
攫われてはただ処分されていった女性たちの恐怖・絶望・憤懣・憎悪・悲哀などが短期間に爆発的増加
それが起因となり、今までの物を含め女性の負の念の総合体としてメリッサが『発生』した
生まれながらにして自分の正体・立場に気づいており、生き延びるために人間化
さらに自らの中に巣食う女性達の負の念を抑えるため、正の感情や人の繋がりを求めるようになる
その為に恐怖を与える歌声を強引に魅了(洗脳)する能力へと変換、メリッサすげえ
洗脳された人はとてもしあわせそうでそれには負けるけど自分もしあわせになれた
その人たちは自分を慕ってくれてまたしあわせになれた
だからみんなをしあわせ(洗脳)にすればきっともっと私もしあわせになれると各地でライブを開き飛行艇での拡声作戦を考えた
ただ内心の念を抑えるためだけじゃなくメリッサ自身もそれを欲していたのは確かである



絶望から生まれたものは結局絶望に還るのだと知るハメになるのだが。






=====================================================

・作中またはメリッサの紹介時に出てきた歌や曲名の元ネタ(順不同)
抜けてたら申し訳ない。


少女帰葬曲(少女綺想曲@東方project)
アンチトリニトロトルエン(アンチクロロベンゼン@鏡音リン)
あなたのこころとわたしのココロ(私の心とあなたの心@東方projectアレンジ)
めりりんハンマー(ハンマーを電波ソングにしてみた@大乱闘スマッシュブラザーズ)
Help me, MERIRINNNNNN!!(Help me, ERINNNNNN!!@東方projectアレンジ)
ライカン(ライオン@マクロスF)
召喚飛行(星間飛行@マクロスF)
ハート・オブ・ハーツ(ナイト・オブ・ナイツ@東方projectアレンジ)
恋色プラズマカノン(恋色マスタースパーク@東方project)
only my masergun (only my railgun@とある科学の超電磁砲)
恋は空戦(恋は戦争@初音ミク)
ロールケーキガール(ローリンガール@初音ミク)
弱虫ミルフィーユ(弱虫モンブラン@GUMI)
キャラメル・メルト(メルト@初音ミク)
ホワイト☆スターシューティング(ブラック★ロックシューター@初音ミク)
結婚しなさいっ!(お嫁にしなさいっ!@東方projectアレンジ)
ぬっこぬこにしてあげる(みっくみくにしてあげる@初音ミク)
UNDER THE SUNSET(UNDER THE DARKNESS@鬼畜眼鏡)
めりりん☆ブレイズハッピーナイト(ルカルカ☆ナイトフィーバー他@ボーカロイドいっぱい)

だいきらい(大嫌い@巡音ルカ)
それじゃあみんな、ばいばい(それではみなさんさようなら@自殺サークル)
モノをばらばらにする(物をぱらぱら壊す@初音ミク)
ラストフライ(ラストバトル@鏡音リン)
リッパードール(ジッタードール@Lily)


メリッサ(メリッサ@ポルノグラフィティ)


・その他のネタ
夜空にぶちこわせ(月夜にぶちこわせ@DDRwithMARIO)
緑髪の空賊は殺せ(緑髪のエレナは殺せ@elona)*ゲームです
他は・・・・・・多分わかるんじゃないかと思うので割愛させていただきます。


リッパードールのみ歌詞は原曲そのまま使用。
ボカロや東方が多い?知ってます。
趣味丸出しの選曲ですが何か問題でもございますでしょうか(キリッ
もっとネタやマイナーな曲入れたかったぜ。
メリッサって名前じゃなかったら墜落時の歌は沈んだ歌姫(@sound horizon)にしてた・・・・・・ちくしょう。




これを見る前に半分以上のネタが分かった方、あなたはメリッサに洗脳されています。
居ないと思いますが、むしろいたら怖いですが全部分かった方。あなたは俺か。






No.89

■ヨツバ「いつかのターゲット 御伽噺の古代種の場合」 投稿者:狂路 投稿日:2012/03/23(金) 19:59

ヨツバ関連イベント「いつかのターゲット 御伽噺の古代種の場合」
(最低でも《レッド、エンゼル、ヨツバ》がいれば発生します。
 まあ・・・イベントというか、ごっちゃまぜにしたかっただけですww 
上記3人以外のメンツは俺がやりたかっただkゲフンゲフン。 
 仲間条件なんかがかみ合わない、これなんか違くね、なんてのもは多々ありますが
スルー安定でお願いします。楽しけりゃいいんです。
 もはやイベントでもなんでもないけど楽しけりゃいいんです。大事なことなので二回(ry )


ファッティホエール艦内


ユイ「仲間や友達との親睦を深めよー!ってことでお茶会だよ!とりあえずいっぱい呼んでみた!」
サクラ「あたしチェリーパイ食べたーい!作って作ってー!」
ヒカル「僕も食べたいな。テネジーさん、作ってくれませんか?」
テネジー「うーん、いいけどさくらんぼなんてあったかしら?あれば作れるんだけど」
カズ「そんなん簡単やろ。下でテキトーな店探してぶち抜いて脅してとってくりゃええねん」
ジョージ「盗賊のあなたに言うだけ無駄かもしれませんが、そういうことは絶対にやらないで下さい。
     もちろん私の目の届くところではやらせませんよ」
アイハラ「おーおーかしましいねえ目の保養だねえ(ドカッ)げふっ」
カノン「ふふふふ大物がいっぱいいるじゃない!さあ取材よ取材!この空気ならちょっとアレな事聞いても大丈夫よね!」
イシナカ「(何を聞くつもりだアイツは・・・)」
ソネット「あ、すみません。私のコーヒーは砂糖多めでお願いします。今手持ちの砂糖が切れてしまっていて」
ツチ「そりゃどっちがメインか分からなくなるくらい入れたら切れますよソネットさん・・・」
エーコ「はーい、これくらいでいいかしら?」
ユラリ「それはコーヒーではなく砂糖の山です。ちょうどいいので少し頂きますよ」
サーシャ「あのねー、わたしおかーさんと一緒にクッキー作ってきたんだよー!」
イーベル「粗末な出来栄えだが茶菓子の足しになればいい」
カナ「!! お、おいしい・・・・・・。くっ!私も何か作るぞ!!」
モモカ「もぐもぐもぐもぐ」
レン「あぁっそれ私が食べようと思っていたのに!負けませんよー!!もぐもぐもぐ」
ヨツバ「俺はいらねえ。つーかなんでわざわざ空飛びながらやらにゃならねえ、飛行艇は好かねえんだよ!!」
イツキ「えーいいじゃんいいじゃん。空の上っていうのもなかなか楽しいよー」
マダラ「いいではないか我が娘よ。偶には傭兵であることを忘れて騒ぐのも心地良い」
ヨツバ「俺は貴様の娘じゃねえっつのクソジジイ。あと空の上ってのが嫌なんだボケイツキ。
    第一確実に安全じゃねえ場所で気ィ抜いたらいつか死、ぬ・・・・・・?・・・・・・・・・」
アケチ「? 顔色が悪いですがどうかしましたか? 気分が悪いのなら薬がありますよ」
ヨツバ「(なんだ・・・なんだこれは? 殺気じゃない、威圧感? そんな突然、こんなはっきり分かるモノが・・・・・・)」
ミソラ「なんかこの人すっごく震えてるけど、寒いかな?」
ヒカリ「いや、そんなことはないはずだけど」
クロエ「おーい、途中参加が二人きたぞー」
エンゼル「やっほー!お茶会するって聞いて飛んできちゃった!あたしもまーぜーてー!」
レッド「こりゃまた随分賑やかだな。まあそれも悪くない」
ヨツバ「・・・・・・ッ!?・・・・・・・・・!!!」
ミソラ「やっぱり寒そうだよ?顔真っ青だし」
サラ「・・・いえ、あの・・・怯えてるって行ったほうが正しいような」
ティオ「どうしたの?エンゼルちゃんが来た時からおかしいよ?」
ヨツバ「・・・ど・・・・・・・・・ドラっ・・・・・・あ、ああ・・・・・・うぁ、ああああ」
(画面中央にドラゴンのシルエットが映る)
アロー「? どら? ドラまた?」
カノン「おお、あの闇の傭兵があわあわ言いながら怯えてガクブルする、これはいいスクープね!(パシャパシャ」
レッド「ん? どうしたトカゲの嬢ちゃん。ずっと俺達の方を見てるようだが」
エンゼル「どったの? あむ、うーん柚子シフォンおいしー!」
クロエ「だ、大丈夫? レッドさん達は凄腕だけど悪い人じゃないよ」
ヨツバ「レッ・・・ド? !!
    (思い出した! 髪型、服装、なによりこの目と細い瞳孔!
     いつだったかボロッボロのオッサンが写真もないのに暗殺しろって言いやがった『レッド・ボイラー』!!
     炎使いだからすぐ分かるとか言ってやがったが、そりゃドラゴンなら出来なくはねぇ・・・・・っ
     無理だ、こいつは無理だ。殺ろうとしたら確実にこっちが殺される。
     いくらなんでも人間混じりのトカゲが超上級のドラゴンなんかに敵うか!むしろ同じ場所にいるだけで死ねる!
     つーことはエンゼルとかっていうそこのメスも、・・・・・・こっちの方が圧力強え!?
     イツキん時たぁまた違うただの力、純粋な暴力の気、だ
     ヤバイ。ヤバイヤバイ怖い怖い恐い恐い恐いッこの空間はヤバイこれは圧倒的強者!!
     長居する時間に俺の生存は・・・・・・・・・・・・・・・無い!!)
    邪魔だどけえ!!」
 (ドン!バタン!)
ユウキ「うおっとぉ!? な、なんだなんだ?」
カノン「こらっ待ちなさいスクープ!!」
ヨツバ「(ここは飛行艇つまり空中、あああクソがこれだから羽つきは嫌いなんだ!
     だがここはっ・・・・・・背に腹は代えられるかぁ!!)」
 (バリィイイン!!)
クロエ「え、ちょっ・・・・・・ええええええヨツバがガラスぶち破って飛び降りたぁあ!?」
ユイ「えぇ!?ここかなりの高度よ!?下は海だけど・・・」
アケチ「いえ、ここから落下するとなると例え地面でなくともただではすみませんよ!?」
カノン「えー人体トマト祭りは受けるけど上がうっさいのよねー」
カナ「トマト!よし、野菜たっぷりのトマトスープ作って見返してやる!!」
エーコ「お茶会もいいけど、このままお食事会もやっちゃおうかしら」
イーベル「ふむ、ならば私も手伝おうか」
サーシャ「わたしもー!何つくるの?」
カズ「ええねぇ。ならウチはタコヤキ食べたいでー」
テネジー「?? タコヤキってどんなの?」
サクラ「はいはーい、オムライス!オムライスがいいー!!」
ユウキ「あ、オレはシチューかな」
イツキ「あたしはねー、チーガオの・・・えっと、「らあめん」だっけ?「たんめん」だっけ? それ食べたい!」
アイハラ「手伝えよお前らー。まあめんどいのは分かるけど。俺ぁ肉ならなんでもいーよー」
ヒカリ「・・・・・・えーと・・・・・・今さっき人が飛び降りたのについては皆さんリアクション無し?」
ユラリ「大丈夫でしょう。一応懐にパラシュートを忍ばせて置きましたし。まあ使わないとは思いますが。
    というかあの人くらい生に執着してればそうそう死にませんよ」
ソネット「流石に・・・五体満足は怪しいと思うんですけどねぇ・・・」
エンゼル「?? 私達あの人に何かしたっけ? まいっか。
     窓ガラス直しちゃおうよ、風すごいし」
レッド「・・・いや、一目でこれとはな。面白い奴もいたもんだ」


ヨツバ「ぶはぁっ!! はぁ・・・はぁ・・・っ。 まさかあん時の標的があんな奴だったたぁな・・・・・・
    くっそ、震えが取れねえ・・・・・・!! チクショーがぁああああああっ!!」


ヨツバ、生存本能と種族の差と圧倒的恐怖に完敗するの巻。



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パワポケスタジアムで行われた「パワポケ空族祭」の作品をまとめてあります。
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